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こんな映画は見ちゃいけない! 

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メイズ・ランナー こんな映画は見ちゃいけない!  

2015/05/21

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/5/21   Vol.1658    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は
 
            「メイズ・ランナー」  です。

気が付くと檻の中。なぜそこにいるのか、どれくらい眠っていたのか、
そもそも自分が何者なのか覚えていない。物語は、巨大な壁に囲まれ
た空き地に住む数十人の少年たちの前に放り出された主人公が、サバ
イバル能力を身につけていく過程を描く。脱出口は壁の向こうの迷路
の先、だがその道順は夜毎に変更され、迷った者は怪物の餌食となる。
ところが、こんなシチュエーションゆえに、彼らは生の感情を直接ぶ
つけ合う。それは皮肉なことに、ネットを介しての対人関係よりも濃
厚でまともな信頼を築けるのではと思わせる。

目覚めたトーマスはリーダーのアルビーから迷路の説明と集団生活の
ルールを知らされる。脱出を主張するトーマスは迷路の中で経路を探
る“ランナー”に志願、先輩ランナーのミンホと共に迷路に入る。

3年以上ここで暮らしながら効果的な打開策のないアルビーたち。秩序
を重んじ変化を嫌うギャリ―のような構成員まで生まれている。迷路
の壁が移動する地鳴りにも似た音よりも、いつしか壁の中で飼いなら
されてしまった心が恐ろしい。いや、むしろ環境に適応したと取るべ
きなのか。精神力の強さと弱さが入り混じった人間模様がリアルだ。

現状を変えたいトーマスは異分子として扱われるが、迷路の中でアル
ビーの命を救い怪物を倒したのをきっかけに同調者も生まれる。皆、
ここに来る前の記憶は消されている。それでも、外で待っているはず
の愛する者ともう一度会いたいと願う気持ちに衝き動かされるのだ。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                     「メイズ・ランナー」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150409

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

       「ラン・オールナイト」  です。

罪の意識と孤独を紛らわせようと酒に溺れていた男は、家族のために
汚れた世界に戻っていく。それは後ろめたさとは無縁の、無実の者を
守る“正義”の戦い。後ろ盾も逃げ場も失い町中を敵に回したとき、
彼はサバイバル本能と父性愛をむき出しにして現実に立ち向かう。物
語はギャングのトラブルに巻き込まれた息子の命を救った殺し屋が、
己の人生に決着をつける姿を描く。生活臭漂う住宅地から宝石をちり
ばめたような摩天楼の夜景、混雑する地下鉄の駅や繁華街の雑踏まで、
逃亡劇の舞台となるNYの息遣いがリアルに再現されていた。いつ死ぬ
かわからないからこそ家族を大切にする男たちの気持ちがやるせない。

裏社会のボス・ショーンに長年仕えてきたジミーは、息子のマイクが
ショーンの息子・ダニーに殺されそうになったところに遭遇し、ダニ
ーを射殺。ショーンは子分を総動員してジミーとマイクの行方を追う。

ジミーを軽蔑しまっとうに暮らすマイク。ショーンの後継者として名
を上げたいダニー。父の息子に対する思いは同じなのに、息子の態度
は対照的だ。映画は二組の父子が抱える葛藤を通じ、どれほど深い信
頼で結ばれていても、男の友情と親子の愛を天秤にかければ後者が勝
ると訴える。損得勘定も理性も超越した感情は追い詰められた者に思
いがけない力を目覚めさせ、限界を超えた体力と精神力を発揮させる。

何度も窮地に陥いるが決してマイクに引き金を引かせないジミーの、
父親の責任感が頼もしくも切なかった。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「ラン・オールナイト」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150519

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

        「Zアイランド」  です。

10年間会えなかった一人娘。以前付き合っていたガールフレンド。苦
楽を分かち合った子分。そんな、人生を共有した人々に向かって引き
金を引けるのか? 人間だったころの理性は失っても心はまだわずか
に残っている。それが完全に消えてしまう前に殺してくれと力の尽き
かけた瞳がかすかな光で訴えている。決断を迫られた男たちは、愛と
友情、思い出を封印をするしかない。物語は大切なものを回収するた
めにゾンビが発生した島にやってきた2組のグループが、互いにけん制
しながらも脱出を図る姿を描く。

宗形は子分の武史と信也、武志の妻と共に、家出した武史の娘・日向
を捜しに小さな島に渡る。宗形たちのかつての宿敵・反町たちも違法
ドラッグを持ち逃げしたチンピラを捕まえようとフェリーに乗る。

チンピラはドラッグの副作用でゾンビ化、感染が広がる。追われる日
向たちは警官や医師、漁師と合流、サバイバルを続ける。その際、ゾ
ンビ映画好きの医師が冷静にシチュエーションを分析し何をすべきか
皆に教えるあたり、作り手のゾンビに対する造詣がうかがわれる。

飛び散る血、食いちぎられる肉片といったゾンビとの戦いにおける視
覚的効果だけでなく、銃撃戦、カーチェイスから格闘ギャルまで登場
させてチープな素材をアクションで彩る。そこに脱力系のネタを仕込
んで緊張感から解放しつつ、別れの哀しさも演出する構成は、ゾンビ
ワールドを楽しみ尽くそうとするサービス精神に満ちていた。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                   「Zアイランド」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150520

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

      「モンキー・マジック 孫悟空誕生」  です。

腕っ節は人一倍、性格は乱暴だが、情に篤いところもある。全身を覆
う金毛はタフネスの証、頻繁に瞬きする目は好奇心の強さを表してい
る。その動きは野猿の素早さと鍛えられた人間の形式が混在し、見事
なまでに“人に模した猿”を体現している。こんなことまでやるのか
ドニー・イェン、カンフーだけではない、様々な格闘技を体得した彼
にとってこの作品で見せるワイヤーアクションとCGの過剰なコラボは
まさしく新境地に違いない。物語は「西遊記」のプロローグ部分、孫
悟空の誕生から五行山に閉じ込められるまでを描く。ゴールドの輝き
と強烈な色彩の中で繰り広げられる大活劇は春節を祝う中華街に迷い
込んだような気分になる。

魔界との戦で荒廃した天界を再建する際人間界に落ちた石に猿の子が
宿る。成長して花果山の王となった猿は仙人に弟子入りし孫悟空とい
う名を得て魔術と武術を学ぶが、あまりの不行状で花果山に戻される。

その後牛魔王に命を助けられた孫悟空は生き返りの術を習得するため
に天界の玉帝に会いに行き、馬屋番を任じられるするが、やっぱり知
恵の足らない猿として気の向くまま傍若無人に振る舞う。支離滅裂な
行動ではあるが、目の前の事しか見えていないという猿なりの理屈は
通っているのだろう。ひたすら暴れまわる姿はむしろ潔い。

ただ、日本人が孫悟空を演じる「西遊記」を見慣れた身には、この展
開はついていけなかった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                   「モンキー・マジック 孫悟空誕生」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150521

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

           「シグナル」  です。

何が起きたのか。今どこにいるのか。これからどうなるのか。そして
なによりこの感覚は本物なのか。正体不明の相手を追っていた若者は、
気が付くと施設に隔離されている。記憶の一部が欠けている。物語は、
“シグナル”を受信した主人公が自分と周囲の異変に驚き、答えを求
めて彷徨する姿を描く。青春の終わりを予感させる哀愁に満ちたタッ
チの映像は喪失感を強烈に意識させ、人間の精神の限界を提示するよ
う。地に足のつかない芒洋とした不安がリアルに再現されていた。

IT学生ニックとジョナ、恋人のヘイリーはノーマッドと名乗るハッカ
ーの居場所を突き止めるが、逆に拉致される。目覚めたニックは防護
服を着たデイモンという男にエイリアンから感染したと告げられる。

ニックはデイモンから心理状態を調べるかのような質問を繰り返し受
けるが、重要な情報は一切も教えてもらえない。一方でジョナの声を
聴き、昏睡状態のヘイリーを見かける。さらに麻痺していた両足が見
慣れぬ義足に変わっていたのをみてニックは脱走を決意、セキュリテ
ィの隙をついてヘイリーと共に建物の外に出る。

その過程でニックが抱いた疑問への回答は提示されず、張り巡らされ
た伏線も回収されない。予想外の展開の数々は矛盾を抱えたつつ強引
な結末に向かって文字通り暴走する。彼らがいたのは因果関係が破綻
した量子論の世界、それでもヘイリーへの思いとジョナとの友情だけ
は真実だったことが救いをもたらしていた。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                    「シグナル」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150518
                       
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        余|談|
        ━┛━┛

YAHOOをネットのトップページに設定しているのですが、新しくなった
モバイル版のデザインが酷い。

以前はカテゴリごとに分けたPC版に似た作りでストレスなく使いこな
せたのですが、新版はすべてのニュースが最初に一覧表示されます。

まあ、それは良いのですが、腹が立つのはニュースと同じような扱い
で広告が挿入されていること。

バナー広告なら見分けがつきやすいのですが、これは明らかにニュー
スに紛れて広告を読ませようという手口。気に入らないからスマホで
もPC版で見ています。。。

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      次回配信予定は5/23、作品は
         
      「天才バカヴォン〜蘇るフランダースの犬〜」
         
              です。

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