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こんな映画は見ちゃいけない! 

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がむしゃら こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/03/28

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/3/28   Vol.1645    ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

       「がむしゃら」  です。

けがに悩まされながらもトレーニングは欠かさない。白内障で右目は
よく見えず甲状腺にも異常がある。それでも興行がある限りリングに
立ち続ける。なぜなら、プロレスラーの“キャラクター”を演じてい
る時間だけが生きている実感を得られるから。故郷での彼女はボキャ
ブラリーも乏しく喜怒哀楽も抑制気味、しかしひとたびコスチューム
に身を包みメイクを施すと思いを饒舌に語り出す。映画はそんなヒロ
インの壮絶な日常に迫る。限界を超えた練習を課し肉体の痛みに耐え
て試合に臨む、命を削る生き方しかできない。過去は振り返らない、
未来は考えない、ただ、目の前の今を完全燃焼させることを突きつめ
る姿はまさに“がむしゃら”と呼ぶにふさわしい。

中学時代にいじめを受けた祐香は高校で演劇に出会い、卒業後養成学
校に進む。他人と違うのがよしとされる学校で演技に目覚めた彼女は、
女優を経て、安川惡斗のリングネームでプロレスに身を投じる。

複雑な家庭環境で育ち、レイプと自傷と不登校といったお決まりの転
落人生を送っていたティーンエイジャーのころを恨むでも懐かしむで
もなく語る惡斗。現在の自分に自信が持てるようになったからつらい
記憶と向き合えたのだろう。

コンプレックスの塊だった彼女が“惡斗”役を“act”する、人間とは
気の持ち方ひとつでここまで劇的に変われるものかと、彼女の変身振
りには目を見張った。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                     「がむしゃら」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150226

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

        「神々のたそがれ」  です。

絶望のぬかるみに足を取られ、混沌の霧に視界を奪われる。自由な発
想が禁じられた国、そこでは焚書と処刑が日常的に行われている。物
語は中世レベルに文明が退行した小さな町に君臨する男の苦悩を描く。
ローアングルから移動撮影まで変幻自在の長いショット、フレームい
っぱいに登場人物を押し込んで余白を残さない窮屈な構図、レンズの
前を不意に横切る無関係なアイテムやカメラに目線を送る名もなきチ
ョイ役、そして脈絡のない会話。それら“映画”に対するあらゆる期
待を裏切る映像の連続は、理解しようとする苛立ちの火に油を注ぐ。

知識人が弾圧され農民や奴隷が反乱を起こしている惑星の調査に訪れ
たルマータは、現地で“神の子”と畏敬されている。ある日、思想を
取り締まる灰色隊に逮捕されるが、僧侶の一団に救出される。

一応、ストーリーの骨格はあるが、アレクセイ・ゲルマン監督にエピ
ソードを積み重ねて物語る気は一切なく、不快で不条理で汚泥と汚わ
いと腐臭と死に満ちたイメージを羅列するのみ。もちろん、“支配者
が変わっても抑圧される下々の暮らしは変わらない”といったメッセ
ージは含まれるものの、メタファーでも皮肉でもなさそう。

ただ、ルマータが発する「神でいるのはつらい」という言葉が人間社
会を統べる指導者の困難を象徴する。同時にそれは、撮影現場で“神”
として振る舞うゲルマン監督が、この前代未聞の映画を演出する正直
な心情を吐露しているようでもあった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                     「神々のたそがれ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20150325

    を参考にしてください。


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        余|談|
        ━┛━┛

元校長らの不祥事にも関わらず大阪桐蔭が快進撃を続ける選抜高校野
球。今年もネットのライブ中継で見ています。

本来関西地方でしか放送していない毎日放送のコンテンツなので当然
CMが入ります。あと権利関係が複雑なのか、校歌斉唱場面が見られま
せん。

面白いのは選手プロフィルテロップに入る出身母体。中学校名ではな
くなぜか所属していた少年野球クラブの名が紹介されています。

でも、松山東や静岡のような進学校は出身中学名が記される選手がほ
とんど。彼らはやっぱり勉強に忙しかったのか。。。

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      次回配信予定は4/2、作品は
         
        「ジュピター」
         
              です。

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