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こんな映画は見ちゃいけない! 

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二重生活 こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/01/24

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/1/24号  Vol.1629   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

          「二重生活」  です。

雨の中の交通事故、ママ友の悩み、目撃してしまった夫の不貞。偶然
と思えたことが必然となり、妻の平穏な日常が崩れていく。彼女だけ
が知らなかった、でも小出しにされる情報は夫の二重生活を確かに裏
付ける。嫉妬と怒り、焦燥と憎しみ、カメラはそんなヒロインの表情
を細部までとらえる。一方で愛人であるシングルマザーは己の境遇を
嘆いたりせず、男子を生んだ実績に誇りと希望を見出している。ふた
りの女、ふたつの家庭、そして3人目の女。交錯する過去と現在、並行
する企みと事故、一見無関係な出来事が一つに収束するとき、運命は
予想もしない方向に転がっていく。映画はミステリアスな装いをまと
いながら愛という迷宮に見る者をいざなう。

仕事も家庭も順調だったルー・ジエは保育園でサン・チーとママ友に
なる。サン・チーから“夫が浮気している”と相談を受けているとき
に、夫のチャオが若い娘とイチャついている現場に遭遇する。

その後、交通事故死した女子大生の関係者としてチャオが刑事から尋
問される。死んだのはルー・ジエが目撃した娘、だがチャオにはアリ
バイがあり穏便に済ませようとする。夫の裏切りに確信を持ったルー
・ジエはチャオを追い詰めていくが、チャオはあくまでシラを切る。

外に女を作るのは甲斐性がある証拠と、口には出さなくても態度で示
すチャオにルー・ジエの憤りは増す。このあたり、男系社会の伝統が
21世紀にも色濃く残っている中国人の家族観がリアルに再現される。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

                       「二重生活」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20141120

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

         「激戦 ハート・オブ・ファイト」  です。

借金取りに追われる中年男は薄幸の母娘と出会って守るべきものがで
きる。いまだ進むべき道が決まらない青年は賞金欲しさに格闘技を始
める。運命と戦う決意を固めた男が2人飛び込んだのは、己の体ひとつ
で殴り、蹴り、締め上げる総合格闘技の世界。ハードな鍛練のなかで
ぜい肉をそぎ落とし、獲物を狙う野獣の目を持つ戦闘マシーンに変身
していく。自分のためだけなら挫けていたかもしれない、だがリング
に立つのは大切な人のため。熱い思いが彼らを奮い立たせ、決してあ
きらめない魂を与えてくれる。物語は高額の賞金を目標にしたフリー
ターが八百長で追放された元ボクサーに弟子入りし、チャンピオンを
目指す姿を描く。古タイヤ、太チェーン、荷車、ドラム缶etc. 廃棄
物を使った原始的な筋トレが彼らのハングリー精神を象徴する。

マカオに逃げてきたファイは格闘技ジムでトレーナーとなる。ある日、
入門してきたスーチーに請われボクシングを教えるが、その後スーチ
ーは総合格闘技の大会に出たいと言い出す。

打撃系立ち技だけでなく関節技や寝技をマスターしたスーチーはデビ
ュー戦で辛勝、次戦でもぼろぼろになりながらも最後まで戦い抜く。
さらに、同居する母娘のために今度はファイがリングに立つ。

試合で見せる万全のボディはファイを演じるニック・チョン自身が作
り上げた生身の筋肉。50歳近くになってもここまで人体は改造できる
のだ。俳優たちの本物の肉体が、香港映画の神髄を見せる作品だった。

       お勧め度=★★★★(★★★★★が最高)

              「激戦 ハート・オブ・ファイト」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/2014112

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

             「さよなら歌舞伎町」  です。

“オレはここにいる人間ではない”。誰もがそう思いながらも、なか
なか抜け出せない。それは皆己を偽って生きているから。就職浪人、
出稼ぎ韓国人、逃亡中の男女、不倫カップル、家出少女……。彼らは
かりそめの別人を演じて、本当の自分、送りたかった暮らしは他のと
ころにあると言い聞かせているのだ。カメラは新宿歌舞伎町のラブホ
テルのとある一日、そこで繰り広げられる、行き場のない人々の人間
模様を追う。その過程で、見たくないものを見、知りたくないことを
知る主人公。カネとセックスにまみれた汚れた街、それでも時おり人
の優しさに触れたりもする。そんなあたたかい視線が心地よい。

ミュージシャンの卵・沙耶と同棲中の徹は勤務先のラブホでAV女優に
なった妹と再会する。デリヘル嬢のヘナは恋人に仕事内容を気づかれ
る。傷害事件時効が目前の里美と康夫はあと1日耐え忍ぼうとする。

一流ホテルに勤めていると吹聴していた徹は妹を説教しようとするが、
逆にプロ意識を持ってAVに出演している妹に言い返される。厳しい現
実に対峙せず逃げていた徹は黙り込むしかない。一応店長としてわけ
ありの男女を管理する立場、きっと学歴もあるのだろう。そのプライ
ドが邪魔をして、あらゆる“ラブホ的な事象”を冷めた目で見ている。

一方、性風俗に関わる女たちは真摯に“今”と向き合っている。ヘナ
と暴力客、家出娘とナンパ師などのエピソードは、この街もまだまだ
捨てたものではないと感じさせる人情にあふれていた。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

                    「さよなら歌舞伎町」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20141115


    を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

このメールが配信される頃には一応の決着が見られているかと思いま
すが、現時点ではイスラム国が2人の日本人を無条件で解放すること願
うのみです。

ただ、日本政府はイスラム国の身代金要求は断固拒否すべきです。そ
れによって最悪の結果を招いても、今後の教訓とすべきでしょう。

そもそも、誰もが危険と認識する紛争地域に自分の意志で出かけたの
だから、2人の行動はあくまで“自己責任”。彼らがどれほど立派な人
物かは知りませんが、軽率だったことは否めません。

“イラクの3バカ”は、今回の事件をどう思っているのだろうか。。。

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      次回配信予定は1/30、作品は
         
          「エクソダス」
         
              です。

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