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こんな映画は見ちゃいけない! 

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アゲイン こんな映画は見ちゃいけない! 

2015/01/17

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2015/1/17号  Vol.1627   ☆
   
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

     「アゲイン 28年目の甲子園」  です。

懸命に白球を追った。無心でバットを振った。どこよりも厳しい練習
を積んできた。だがあと一歩のところで届かなかった。負けたのなら
心の整理はつく、負けなかったからこそ、男たちの胸に大きなしこり
となって残っている。物語は、不祥事で全国大会出場を逃した元高校
球児たちが二十数年後に再び集まり、叶わなかった夢を追う姿を描く。
あの頃の情熱はない、背負うモノも違っている。それでもかつての仲
間を集め錆びついた体を鍛え直して行くうちに、面倒事を避けてきた
現在の自分とも正対するようになっていく。

一人暮らしの坂町の下に、高校時代のチームメイト・松川の娘・美枝
が訪ねてくる。美枝は震災死した父の遺品から見つけた“送られなか
った年賀状”の意味を坂町に問うと共に、マスターズ甲子園に誘う。

坂町の同期の投手・高橋もいまだくすぶった気持ちを抱えている。美
枝に過去の事件を伝えづらい坂町は逡巡するが、まっすぐな美枝の態
度に徐々に参加する気を固める。もう一度戻りたい、そこには失われ
た青春への憧憬と本気になるのを忘れていた己を見つめ直す自省があ
ふれ、坂町は同時に冷え切った娘との関係をやり直そうと決意する。

甲子園とはそこを目指したすべての人にとっての聖地であり、記憶の
貴重な1ページ。人生は“勝ち”ばかりではない、きちんと負けて、そ
の“負け”と向き合った時に初めて次に進むことができるとこの作品
は教えてくれる。

       お勧め度=★★★*(★★★★★が最高)

             「アゲイン 28年目の甲子園」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20141127

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

        「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝 」  です。

作者は何を意図したのか、どんな思いで筆を取ったのか。学芸員たち
は1枚の絵をあらゆる角度から仔細に検討し、数百年の時を超えてなお
強烈な輝きを放つ名画たちの“物語”を読み解こうとする。設置場所
や並べる順番を変えると絵の持つ意味が変わってくるなど、絵画には
時代をそのまま切り取った“歴史の証人”としての役割がある。そこ
を理解したうえでインスピレーションを得、イマジネーションを膨ら
ませることが、絵画を鑑賞する際の画家並びに保存に心血を注いでき
た先人たちへの礼儀であるとこの作品は教えてくれる。

ナショナル・ギャラリーでは、宗教画をレクチャーする解説員、運営
に熱弁をふるうベテラン職員と耳を傾ける上司、点描画を立体的に再
現して触ってもらおうとする学芸員らが忙しく立ち働いている。

ロンドンの中心部・トラファルガー広場を睥睨する威容を誇る建物。
カメラはそこでの仕事に向けられる。やはり面白いのは絵画に対する
解釈。「サムソンとデリラ」「カルタゴ」、フェルメールや007にも出
てきたターナーの絵等、描かれた対象のみならず、背景事情にまで考
察を及ぼすあたりが非常に興味深い。

多角的な絵の分析、修復作業の全貌、企画展の進行etc、それだけでも
40分ぐらいのドキュメンタリーになったはずの内容を、3時間で紹介す
るには駆け足にならざるを得ない。それでも絵画たちが発する、過去
から未来への問いかけの答えの一端は見つかったような気がする。。。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

              「ナショナル・ギャラリー 英国の至宝 」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20141023

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

             「アップルシード アルファ」  です。

世界大戦で荒廃した地上、生き残りのなかで純粋な肉体を持つ人間は
少なく、ほとんどがサイボーグ化するか身体の一部を機械に置き換え
ている。それでも思考や感情は変わらないまま。物語はそんな近未来、
元戦士のヒロインと恋人が、守るべき大切なもののために命がけで銃
を手にする姿を描く。裏切りと秘密が蠢く廃墟の中で誰を信じていい
のかわからないまま戦闘に巻き込まれつつ、圧倒的な身のこなしで次
々と危機を乗り越える彼女の肉体の造形は、もはやアニメーションと
は思えないほど精細。実写映画かと誤解してしまうディテールの作り
込みは、俳優が演じるよりも繊細で表情豊かになる皮肉な効果を生む。

NYを牛耳るボス・双角の命令で自動兵器の破壊に向かったデュナンと
ブリアレオスは、偶然通りがかった少女・アイリスを救出する。アイ
リスは武装集団に追われ、重大な使命を負った彼女に2人は力を貸す。

戦争は終わったのに相変わらず世界は暴力に満ちている。だがアイリ
スは平和の鍵を握っている。覇権を奪還しようとする集団・トリトン
と伝説の理想郷オリュンポスから来たアイリス、殺し合いに倦んでい
たデュナンとブレアレオスはふたつの勢力のはざまでなぜ戦うのかと
いう問いを突き付けられる。

使い捨てにされる傭兵稼業ではない、アイリスに自分たちと人類の将
来を託し戦場に戻るデュナンとブレアレオスの雄姿は、希望こそ人を
動かす原動力であると教えてくれる。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                    「アップルシード アルファ」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20141211


    を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

超名門高校野球部の実態を描いた「バトルスタディーズ」(モーニン
グ)というマンガにはまっています。バラエティ番組でOBたちが話す
“信じられないエピソード”がリアルに再現されます。

主人公はプロ野球選手を目指す1年生。中学時代は野球エリートでした
が、この高校ではフツーの人。いきなり先輩たちの洗礼を受けます。

作者のなきぼくろはPL学園野球部のOBで、ロッテ今江選手の2年後輩に
あたるそうです。

最近は甲子園の活躍よりも廃部騒動で報道されることが多くなったPL、
復活に期待しています。

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      次回配信予定は1/22、作品は
         
          「ビッグ・アイズ」
         
              です。

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