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こんな映画は見ちゃいけない! 

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バレット こんな映画は見ちゃいけない! 

2013/06/06

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2013/6/6  号 Vol.1478  ☆

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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

                 「バレット」  です。

もはや70歳に手が届こうとしているのに、いまだ成長を続けるスタロ
ーンの肉体。肌のつやこそ衰えているが、皮膚のたるみを引き伸ばし
若々しさを醸し出す。血管が異様に浮き上がった筋肉は日常の鍛錬と
節制のたまもの。「エクスペンタブルズ」シリーズでは出し惜しみし
ていた腹回りも今回は堂々と見せ腹筋の割れ目を披露する。このすさ
まじいまでにシンプルな肉体信仰こそ、彼の俳優としての生き方。映
画は、ある陰謀に嵌められた殺し屋が、刑事と協力しながら組織の壊
滅を図りつつ、ライバルの殺し屋と決着をつけるまでを描く。

汚職刑事を暗殺した殺し屋・ジミーは、組織が放った殺し屋・キーガ
ンに相棒を殺され自らも襲われる。一方、汚職事件を捜査する刑事・
テイラーはジミーに情報提供を求め、利害が一致した2人はは手を組む。

人脈を頼りに情報を集めるジミーと電話一本でデータベースにアクセ
スするテイラー。親子ほど年齢が違う2人だが、ジミーの圧倒的な洞察
力と用心深さそして腕前にIT世代のテイラーは子ども扱い。刑事とし
てあくまで法を守ろうとするテイラーに対し、ジミーは危険を察した
らすぐに反応し躊躇なく引き金を引く。

修羅場を数十年かいくぐってきた経験の差が生死の境を分け、キーガ
ン率いる傭兵隊に追われつつも2人は真相に近づいていく。男と男、力
と力。ウォルター・ヒル監督はスタローンの本能を見事に引き出すこ
とに成功している。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                  「バレット」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20130604

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

     「リアル〜完全なる首長竜の日〜」  です。

夢を見ている間は、夢の中の出来事こそが現実。眠り続けている患者
にとって、脳が知覚するビジョンは実際に起きている客観的事実のよ
うに感じられるのだろう。そして、その感覚を他人と共有することが
できたなら、彼らはいったいどういう体験するのか。物語は恋人の意
識に入り込んだ男が、彼女から真意を聞き出せない上に難問を突き付
けられ、答えを求めて旅する姿を描く。機械的な電気信号と脳内の記
憶で構築された仮想現実は本人の意思と感情を敏感に反映し、願望や
不安、恐怖や狂気も具体化、その世界観を硬質な映像で表現する。

自殺未遂で昏睡状態のままの淳美の意識の中に、センシングと呼ばれ
る最新医療で自らの意識を送り込んだ浩市は、自殺の原因を聞き出そ
うとする。だが彼女は「首長竜の絵を探してきて」と言うのみ。

漫画家だった淳美の作品は死のイメージが濃厚に付きまとうものばか
り。それは忌まわしい秘密と後悔と苦悩の産物でもある。センシング
の中でも淳美はペンを手離さず創作に没頭し、浩市はもはや彼女の邪
魔でしかない。愛し合っているのに心が離れていく、止めるには首長
竜に込められたメッセージを解読するしかない。浩市は淳美と知り合
った少年時代に住んでいた島に出向き、淳美の過去と己の過去をたど
り、失われた記憶を取り戻そうとする。

ただ、浩市が最初のセンシングから目覚めた後すぐに幻覚に襲われる
あたりで、この後の展開が読めてしまったのは残念だった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                「リアル〜完全なる首長竜の日〜」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20130605

    を参考にしてください。




 本日はもう1本

             「イノセント・ガーデン」  です。

彼女の鋭敏な感覚は人の心の声を聴き、腹の底を見透かす。それゆえ
他人との距離が縮まらず孤立してしまう。物語は、唯一の理解者だっ
た父を亡くし、代わりに現れた叔父に強烈な違和感を抱くヒロインが
体験する恐怖と覚醒を描く。家政婦、叔母、クラスメート、次々と近
しい人々が姿を消すなか、いつしか彼女自身が忌まわしい本能を自覚
していく過程は奇妙な緊迫感にあふれ、思わせぶりなカットの連続は
息詰まるようなサスペンス、そしてセリフの端々にちりばめられたメ
ッセージが伏線となる驚愕のクライマックスになだれ込む展開は、洗
練されたミステリーに昇華されている。

父を亡くしたインディアは、葬儀に出席した叔父・チャーリーを警戒
し、彼と打ち解けた母に嫌悪感を覚える。そんな時、チャーリーの素
性を知るジン叔母が訪ねてくるが、母は彼女を追い返してしまう。

チャーリーはなぜ長期間家を空けていたのか。なぜ突然戻り、彼を知
る人々は戸惑いを隠せないのか。母はすっかりチャーリーを信頼して
いるが、インディアの直感は警報を鳴らしている。危険が迫っている
のが分かっていながら手をこまねいているしかないインディア。

しかし苛立ちつつもどこかチャーリーに共鳴している自分に気づき、
なおかつそれを認めたくないインディアの複雑な気持ちを、ミア・ワ
シコウスカが不機嫌な表情と不安定な視線で演じ分ける。血と死の美
学に満ちた耽美な時間の流れが五感を刺激する作品だった

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                「イノセント・ガーデン」
                         についての詳細は、

       http://d.hatena.ne.jp/otello/20130603

    を参考にしてください。

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        余|談|
        ━┛━┛

サッカー日本代表がW杯出場を決めました。日本中が狂喜乱舞していま
したが、冷静に考えると薄氷の思いの引き分け。

終了間際の相手のハンドという、いわばタナボタでかろうじて同点に
したものの、負けていてもおかしくない試合。

特に今回もオーストラリア相手に勝てなかった事実をもっと深刻に受
け止めるべきではないでしょうか。

サッカー解説者たちの見苦しいまでのはしゃぎぶりは、来年まで仕事
ができたことを喜んでいるいるとしか思えませんでした。。。

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      次回配信予定は6/8、作品は

                「エンド・オブ・ホワイトハウス」

                              です。

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