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こんな映画は見ちゃいけない! 

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永遠の僕たち こんな映画は見ちゃいけない! 

2011/12/27

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2011/12/27  号 Vol.1341 ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

                  「永遠の僕たち」  です。

喪失の悲しみが充満する葬儀、清明な空気が漂う墓地、清潔だが冷た
い病院、戦争の犠牲になった元日本兵。交通事故で両親を同時に失い
ひとり死の淵から戻ってきた少年の日常には常に濃厚な死の影が付き
まとう。彼は決して恐れているわけではなく、もはや生死の境など無
意味であるかのような諦観の中で、死を身近に感じることで己が生き
ているのを確認している。映画は、幽霊と会話できるようになった少
年と余命幾許もない少女の交流を通じ、人が生きる理由を問う。

他人の葬儀に無断で参列するイーノックは、ある告別式でアニーとい
う少女と出会う。イーノックの孤独な心は不治の病が進行中のアニー
に惹かれ、ふたりはぎこちない交際を始めていく。

イーノックは特攻隊員だったヒロシの幽霊だけが話相手なのだが、生
まれた時代も場所も違うヒロシとはコミュニケーションが取れるのに
いちばん愛していた両親の魂はいつまでたっても訪ねてきてくれない
矛盾にいらだちを覚えている。一方アニーは確実に迫りくる運命を淡
々と受け止め、ただ自分がこの世に存在した事実をイーノックの記憶
に焼きつけようとする。

死の先は永遠の無と考える者と生の延長線と考える者。死はそこらじ
ゅうにありふれていている、しかし当事者にとっては1回きりの経験。
だからこそ意識のあるうちに気持ちを届けなければならない必要性を、
切ないまでの澄み渡った映像が饒舌に訴える。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

                    「永遠の僕たち」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

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本日はもう一本

          「宇宙人ポール」  です。

60年に及ぶ軟禁生活ですっかり米国の大衆文化に馴染んでしまった宇
宙人。人間より高い知能や伝達能力を持っていてもひとりでは無力、
そんな彼が旅の友に選んだのは冴えないオタク二人組だった……。物
語は研究材料として米国政府に身柄を秘匿されていた宇宙人が施設を
脱走し、仲間の元に帰ろうとする道中で種族を超えた友情を結ぶ過程
を描く。発達した頭部と大きな目、貧弱な肉体と細長い手足、映画は
過去の「宇宙人モノ」のエッセンスを随所にちりばめたうえ、むしろ
それを逆手にとった小ネタの数々で笑いを取る。

米国のコミケに参加した英国人・グレアムとクライブはUFOゆかりの地
巡礼の途中で事故車と遭遇、ポールと名乗る宇宙人と出会う。命の危
険を察して逃げ出してきたポールは助けを乞い、3人の逃亡が始まる。

あらゆる宇宙SF映画やコミックに精通し、登場人物になりきったり原
作者に憧れているのに、いざ本物の宇宙人に対面すると卒倒してしま
うクライブと驚きを隠せないグレアム。空想の中では自分こそがヒー
ロー、だが現実に危機が降りかかると足がすくんでしまう。一方でポ
ールも彼らを頼らざるを得ない。予定外の冒険は彼らに勇気と行動力
を与え、平凡な日常からの脱却と、強さや自信をよみがえらせていく。

長年の地球暮らしでポールが人間の本質を理解し、グレアムとクライ
ブの気持ちに気を遣いながらも、俗っぽい英語や下品なマナーで心を
通わせていくポールの姿がコミカルかつ温かい。

       お勧め度=★★★(★★★★★が最高)

           「宇宙人ポール」  
                         についての詳細は、

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本日はもう一本

                    「ニューイヤーズ・イブ」  です。

新年をリフレッシュした気持ちで迎えるために、いやな記憶は今年に
置き去りにする。自分を見つめなおして新しい可能性を見つけ出す者、
傷つけあった過去を水に流してもう一度やり直そうとする者、任され
た重大なイベントを全うしようとする者、新たな命の誕生を待ちわび
る者、恋の予感にときめきを覚える者etc. 大晦日のNY、いろいろな
出来事があった1年間を振り返りながらも来たるべき未来がより明るい
ものになりますようにという人々の願いが街に充満する。そして誰か
を思いやり愛する心が希望となり幸せを運んでくるのだ。

タイムズスクエアではカウントダウンの準備に大わらわ。横暴なボス
に嫌気がさしたイングリッドはバイク便ライダー・ポールにやり残し
たことリストを渡して夢の実現に手を貸してもらう。

愛を探しているのに見つからない、愛する人がいるのに落ち着かない、
新年最初の赤ちゃんを産んで賞金を手にしたい、仕事ばかりだった人
生にリセットボタンを押したい。そういった、一生懸命に生きている
けれどなかなか思い通りにならない日常につい自信を失いそうになる
人々の心情が共感を呼ぶ。登場人物がみなちょっとだけハッピーにな
って年があらたまるという予定調和的な結末も心地よい。

ただ、ボールドロップの責任者・クレアが本番直前になって現場を放
り出してしまうのはどうしたことか。もちろん死にかけている父親の
最期の望みを叶えてやりたいという思いはよくわかるのだが。。。

       お勧め度=★★*(★★★★★が最高)

                 「ニューイヤーズ・イブ」  
                         についての詳細は、

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本日はもう一本

                  「ワイルド7」  です。

「お前ら全員退治する」。警察の手に負えなくなった凶暴犯に容赦な
く引き金を引く男たち。殺人マシーンとして訓練を受け命令通りに行
動するよう再教育された7人の元犯罪者は、超法規的存在として事件解
決のためなら犯人の殺害を認められている。大型トレーラーでクルマ
をけちらし蹴散らしバイクで突撃する映像は、重量感に溢れ現場の振
動がスクリーンから伝わってくるようだ。ところが、ストーリーの構
成は稚拙な上、肝心のアクションシーンも無闇に銃弾をぶっ放すだけ
の芸のなさ。もちろん初めから荒唐無稽な物語なのはわかっている、
だがきちんとした世界観が作品の中で構築されていないせいで、派手
な爆音がむなしく響く。

武装銀行強盗やウイルス兵器による大規模テロを未然に防いだ警察の
極秘部隊・ワイルド7は、司令官の草波が国民総監視化を目指すPSU長
官・桐生と対立したのが原因で、身分を奪われ指名手配される。

並行して、ワイルド7の獲物を横取りする謎の殺し屋が現れたり、リー
ダー格の飛葉とウエイトレスとのユキとの交流が盛り込まれる。しか
し場当たり的な展開は、殺し屋が早々と正体を明かしてしまうなどミ
ステリー的な味わいもほとんどない。

どうせならばワイルド7のメンバーをもっとクールでスタイリッシュに
描くなど、見る者が感情移入できるようなキャラクターにして、少な
くとも大量の銃弾と爆破による爽快感くらいはほしかった。

       お勧め度=★★(★★★★★が最高)

                 「ワイルド7」  
                         についての詳細は、

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        余|談| 
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今年最後の配信なので2011年のベスト10を発表します

1:灼熱の魂
2:ツリー・オブ・ライフ
3:素晴らしい一日
4:冷たい熱帯魚
5:エンディングノート
6:英国王のスピーチ
7:ゴーストライター
8:SUPER8
9:トゥルー・グリット
10:ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

映画の驚きと楽しさを感じさせてくれる作品ばかりでした。

というわけで、来年もよろしくお願いします。

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      次回配信予定は1/7、作品は 

                  「パーフェクト・センス」
    
                              です。

  
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