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こんな映画は見ちゃいけない! 

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ヴィクトリア女王 こんな映画は見ちゃいけない! 

2009/12/26

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2009/12/26 号  Vol.1084 ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、とりあげる作品は

                  「ヴィクトリア女王 世紀の愛」 です。
   
女の子ならだれもが夢見るプリンセス。しかし、実際に王女に生まれ
しかも王位継承権第一位にあるヒロインにとっては、宮廷での日常は
軟禁状態に等しい。しきたりや決まりに縛られ、階段を下りるのにも
侍女の手を借り、就寝も母と一緒。常に誰かに監視され、行動を指図
され、自由になりたいという思いだけが募っていく。そんな息が詰ま
るようなの宮殿内のディテールが非常にリアルに再現されている。

時期英国女王のヴィクトリアは、母と母の愛人・コンロイに「摂政令」
にサインを求められるが拒否する。ある日、ベルギー王の命を受けた
アルバートがヴィクトリアの夫の座を狙って彼女に近づく。

後に夫となったアルバートが取り組んだ宮廷内の改革が目を引く。宮
殿の窓の外側と内側では管轄が違うために窓ふきが徹底されないとか、
暖房の管理の権限がないとかいった因習に拠った莫大な経費の削減に
手を付ける。また、コンロイのような王室の寄生虫を追い出し、支出
を抑える。まさに「仕分け人」のような手際で無駄遣いをなくし財政
を健全化させる、現在の日本にはタイムリーなエピソードだった。

政治家・貴族・実業家、国王とはそういう輩を含め清濁併せのむ器量
が求められるが、ヴィクトリアはしがらみを捨てて王室の権威の立て
直しに取り組もうとする。まだまだ未熟だが、大志を抱いた女王と夫
が国家と国民に身をささげる、彼女の求めていた真の自由とは、自ら
の良心と善意に従い、実行することなのだ。 

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                  「ヴィクトリア女王 世紀の愛」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

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 本日はもう1本

                 「釣りバカ日誌20 ファイナル」 です。
   
不況、リストラ、給料カット・・・。暗い話題にオフィスの空気はよ
どんでいくのに、ハマちゃんだけはどこ吹く風と釣り新聞に目を凝ら
し、危機感ゼロ。せめて映画館の中にいる間だけは世間の憂さを忘れ
て、人生を謳歌しているハマちゃんとともに楽しんでもらおうという
作り手に好感が持てる。高齢者にはスーさんの生き方を通じて鮮やか
な引き際を示す。夢を売るという映画の本質を忠実に実行する姿勢は
心地よい。

大型契約を結んだハマちゃんはスーさんと料亭の女将・葉子とともに
北海道に釣り旅行にでる。そこで葉子は娘・裕美が地元の酪農家と同
棲していたと知り、ショックを受ける。ハマちゃんは両家を仲介する。

物語の底辺に流れているのは他人への思いやり。ちょっとした感情の
もつれもあるが、それはお互いを理解しようとしなかったり言葉が足
りなかっただけで、筋を通して話し合えばきちんとわかりあえるのだ。
葉子母娘の葛藤を通じて、優しい登場人物たちの人柄に安心できた。

東京に戻ったスーさんは急に倒れて入院し、三途の川の渡し船に乗ろ
うとしてひと悶着起こす悪夢を見る。そのシーンはベタな笑いと安っ
ぽいミュージカル仕立て。昔ながらの合成処理で最近の映画を知らな
い老人層にも受け入れられるような見せ方だ。退院したスーさんの会
長退任演説をもってこのシリーズも大団円を迎えるが、彼の潔さこそ
世代交代を促し景気を刺激するのではないだろうか。 

       お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)

                   「釣りバカ日誌20 ファイナル」  
                         についての詳細は、

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 本日はもう1本

                     「海角七号」 です。
   
「僕が向かっているのは故郷なのか、それとも故郷を後にしているの
か」。生まれた日本よりも、愛する人を見つけた台湾に離れがたい郷
愁を抱いてしまった日本人。日本統治下の台湾で教え子と恋に落ちた
教師が、敗戦に引き裂かれる哀しみを彼女に認めた手紙が60年の歳月
を経て現代の若者に受け継がれる。韓国や中国と違い反日感情が希薄
な台湾人の、おおらかかつきめ細かい人情が南国の風を背景に余情た
っぷりに描かれる。

ミュージシャンの夢破れ田舎に戻ったアガは、郵便配達夫のアルバイ
トにつく。そこで「海角七号」宛ての手紙を見つけるが、その住所は
ない。そんな時、日本人歌手のコンサートの前座を務めるはめになる。

日本人の売れないモデル・友子が前座バンドの通訳兼マネージャーと
なるが、アガはなかなか曲を作らない。傷ついた心を隠そうとしない
アガと、傷ついた心を知られたくない友子は衝突をくりかえすが、実
はお互い似た者同士であると気づく。友子がアガの部屋で日本語の手
紙を見つけ内容をアガに教えるシーンで、2人は、自分の気持ちを正直
に伝える大切さを知る。

物語の節目にシューベルトの「野ばら」が口ずさまれるが、この歌は
日本統治下の台湾にとって何らかの特別な意味があったのだろうか。
月琴奏者のじいさんにそのあたりの事情を語らせれば、もっと過去と
現在に密接なつながりが芽生えたはずだ。。。 

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                   「海角七号」  
                         についての詳細は、

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 本日はもう1本

             「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」 です。
   
安っぽいシチュエーションと大げさなリアクションは、世間の常識な
ど一顧だにせず自分の目指すアートに邁進する音楽家たちの青春をデ
フォルメする。恐ろしく幼稚なメンタリティしか持たないのにピアノ
の腕前は大きな可能性を秘めた女と、己が振るタクトが紡ぎだすハー
モニーこそ完璧と信じる男の、プロとして通用するかが試されていく
過程が騒々しいエピソードの連続で綴られる。

オーケストラの常任指揮者になった千秋だが、オケの奏者はやる気の
ない者ばかり。観客から大ブーイングを受けた千秋はオーディション
でメンバーを募る。そんな千秋に、のだめは徐々に距離を感じていく。

登場人物がみな「変態の森」の住人である以上、物語やキャラクター
にリアリティはまったくなく、先人の残した偉大な音楽を再現すると
きにだけこの作品は真実を模索する。あまりにも下手くそな「ボレロ」
に始まり、のだめのモーツァルト、そしてクライマックスの壮大なチ
ャイコフスキーまで、きちんとした音楽を聞かせた上に千秋の真面目
な解説を入れる手法は、この映画の主な客層であるクラシック音楽な
ど絶対に聞かない若者層の理解を助けるのに大いに役立っているはず
だ。

人気テレビドラマの延長線上にある前半部分は笑えないコメディだが
、真摯に楽曲に向きあおうとする後半は思わず聞き入ってしまった。

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                   「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」  
                         についての詳細は、

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        余|談| 
        ━┛━┛

来年のカレンダーがない! 例年なら年末になるといろんなところか
ら翌年のカレンダーをもらい処分に困るのですが、今年はほとんどあ
りません。

不景気のせいでどの企業も経費削減、使われずに捨てられるようなカ
レンダーは真っ先に「仕分け」されるのでしょう。

やっと手に入れたのは某家電量販店の実用一点張りのもの。自室のイ
ンテリアにするには抵抗がありましたが、背に腹は代えられません。

あとは卓上カレンダーをなんとかゲットしなくては。。。というわけ
で、今年の配信は本日が最後。来年もよろしくお願いします。

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           次回配信予定は1/7、作品は 

                  未定
    
                              です。
  
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創刊日:2002-12-02  
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