映画

こんな映画は見ちゃいけない! 

映画批評系メルマガで読者数No.1! プロの編集者が簡潔な文章と的確な表現で書き下ろす「1分で読める新作映画批評」です。映画紹介だけのメルマガにはない「本物の批評」を堪能したい方だけご登録ください。

全て表示する >

ニセ札 こんな映画は見ちゃいけない! 

2009/04/14

■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □

☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2009/4/14号    Vol.986 ☆
         
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■

 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、俎上にのせる作品は

                        「ニセ札」 です。
   
太平洋戦争の敗戦で価値観が180度逆転し、戦後は都市部との経済的格
差が広がるばかり。山奥の小さな村で教職に就くヒロインは、信じて
きた国家に人生が翻弄されたという思いを募らせている。彼女にとっ
てニセ札作りは、自分だけではなく国民すべてを裏切った国家に対す
る復讐。映画は悪事と自覚しつつも村全体を豊かにしようとする「正
義感」に満ちた彼らの行動を通じて、貨幣経済に毒された日本の現状
を憂いているようだ。

商売を営むシンゴは元軍人の戸浦、写真屋、紙漉き職人に声をかけニ
セ札づくりを始める。さらに戸浦の元部下や小学校教師のかげ子も協
力し、資金集めを担当する。やがて原版と透かし入り用紙が完成する。

「ニセ札ではなく本物を作る」という戸浦の決意通り、透かし入りの
紙や原版の製作に細心の注意が払われる。戸浦らが戦争中に中国でニ
セ札を作る特殊任務にあたっていた経歴から、こんな田舎の職人たち
でも可能なのだ。このあたり、製紙担当、原版担当、資金集め担当と
もにトラブルを迅速に解決させ、心地よいテンポで物語は進んでいく。

おそらくかげ子は戦前・戦中と、軍国教育の先頭に立ち多くの教え子
を戦場に送り出したのだろう。そして敗戦後はその教育方針が間違い
と正される。法廷でかげ子がぶちまけた国家への不満からにじみ出る
権力に対する強烈な不信感がこの作品の隠されたテーマ。軽いテンポ
の中でちらりとのぞかせる戦争の暗い影が絶妙の味を出していた。 

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                     「ニセ札」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  




 本日、俎上にのせる作品は

                    「ピンクパンサー2」 です。
   
おなじみのテーマ曲とアニメのタイトルバックから、オリジナルのテ
イストに手を加えず現代の俳優でピンクパンサーの世界を再現する。
あえて使い古されたベタなセンスのギャグを連発することで、笑いよ
りも懐かしさを感じさせるのが目的であるかのよう。見る者が共感で
きる日常の感覚からは乖離してはいるが、媚びずに「ピンクパンサー」
の伝統を守っている姿勢がかえって心地よい。

ロンドン、トリノ、京都で国宝が連続して盗難、現場にはトルネード
の名刺が残されていた。トルネード逮捕のために各国のエリート捜査
官がドリームチームを結成、フランスからはクルーゾーが選ばれる。

クルーゾーの真面目だがピントのはずれた行動が騒動をまき散らすの
だが、冒頭の駐車違反の取り締りに始まって、あとは休む間もなく最
後まで波状攻撃の如く他愛ないネタの洪水が襲ってくる。クルーゾー
を演じるスティーブ・マーティンは終始真剣な顔でフランス語なまり
の英語を話し、セクハラや人種・国籍差別的発言も平気、ローマ教皇
に対しても無礼な態度を改めない。一方で非常にマヌケな人物として
描かれる。

まるでこの映画は、外国人が一般的なフランス人に対して抱く、偏狭
なナショナリズムと根拠の希薄な誇り高さというイメージを嘲笑して
いるかのようだ。ジェレミー・アイアンズ扮する古美術商が、クルー
ゾーに対して見下した視線を向けるシーンがそれを象徴していた。

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                     「ピンクパンサー2」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  





        余|談| 
        ━┛━┛

ウェブの世界に入ると人格が変わり、有名人の失言や個人ブログにイ
チャモンをつけることで鬱憤を晴らす。そんな人々とのかかわりをレ
ポートする「ウェブはバカと暇人のもの」を読みました。

WEB2.0というネット社会の明るい未来を否定し、双方向化は「バカと
暇人」に発言の機会を与えただけという現状を実例入りで紹介。

著者は、ウェブ上で何か意見を述べると、それを不快に思う連中が必
ず自分の正しさを主張し、通らないと過激な行動に走ると嘆きます。

このメルマガ読者に「バカと暇人」はいないことを祈ります。でもメ
ルマガを6年半も書き続けている私は、いちばんに「暇人」といわれる
んだろうな。。。

==============================================================
   書籍・DVDのご購入はWEBサイトトップページ左下
      「amazon.co.jp.」からお願いします。
        http://www.otello.com.ua/
==============================================================

       次回配信予定は4/16、作品は 

                      「レイチェルの結婚」

                              です。
  
---------------------------------------------------------------

このメルマガは、週3回発行です。

皆様からのご意見、ご要望、感想をお待ちしています。

            otello.com.ua@gmail.com

                         までお願いします。

いただいたメールはこのメルマガで紹介させていただくことがあり
ます。

なお、相互紹介の依頼は受け付けておりません。

最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、よい一日を!

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-12-02  
最終発行日:  
発行周期:週3回  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。