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こんな映画は見ちゃいけない! 

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少年メリケンサック  こんな映画は見ちゃいけない! 

2009/02/19

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2009/2/19号    Vol.963 ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。

 本日、俎上にのせる作品は

                  「少年メリケンサック」 です。
   
既成の価値観を壊しても、壊し続けることはできない。パンクロック
という破壊的な旋律と歌詞で世の中を挑発した若者も例外なく齢を重
ね、いまや冴えないオッサンに堕している。そんなトホホ感を振りま
く元ロッカーを佐藤浩市が熱演。「チャーハン」を頑なに「焼き飯」
と呼ぶように、自分の世界観にしがみつき若い娘に悪態をつくことで
しか自己表現する術を持たない男の哀愁を見事に演じていた。

レコード会社契約社員のかんなは、ネットで「少年メリケンサック」
というバンドの映像を見つけ、スカウトに向かう。リーダーのアキオ
はオリジナルのメンバーを集めるのを条件に再結成を承諾する。

眉根を寄せた真剣な顔で仕事に取り組むかと思えば、甘ったるい声で
恋人に甘え、オッサンたちのご機嫌を懸命に取ってツアーに向かうか
んな。彼女の様々な表情を宮崎あおいが小劇場の芝居のようなはじけ
た演技で好演。さらにテンポの良い会話と絶妙の間は、役者としての
彼女の魅力を一段と引き出している。大げさな感情表現が笑いだけで
なくペーソスも誘い、いつしかかんなの気持ちに共感してしまう。

ただ、このバンドのテクニック的な未熟さは何なのだろう。一応カネ
を取ってライブを開くのならば、数曲は完全に歌えるくらいの練習を
するはず。「嘘を上回る奇跡をおこす」とアキオは言うが、そのため
に努力する姿を見せてほしかった。まあ、頑張っているところを他人
に見せずにステージで暴れるのがパンクの魂なのかもしれないが。。。 

       お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)

                     「少年メリケンサック」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  




 本日はもう一本

                「鎧 サムライゾンビ」 です。
   
裏切られ、惨殺された怨念は時を越え、現代に生きる者の運命をも支
配する。ゾンビとなった鎧武者がみせる憤怒の表情はその怒りがいか
に深いものであるかを物語る。しかし、映画はホラーというより血し
ぶき飛び散るスプラッターを基本にしたむしろコメディ。いかにも低
予算ながら、体を張ったスタントとチンピラたちのぶっ飛んだ演技、
鎧武者のリアルな造形を味わうべきなのだろう。

両親と娘・息子の4人家族がドライブ旅行中に白い服の男をはねてしま
う。立ち上がった男は別の男女に射殺され、その男女は一家の車を乗
っ取って、地図にない山奥の村に迷い込む。

乱杭歯の鎧武者の顔は腐食し、蛆虫が表面にうごめいている。動きは
一見ノロノロとしているものの、戦闘モードにいったん入ると一刀の
もとに人間の首をぶった切る剣術の腕前だけでなく、重火器を持つ者
と戦うときは華麗な回し蹴りまで見せる。ゾンビであるがゆえに、当
然車で轢かれてもショットガンでぶっ飛ばされても蘇って襲いかかる。
さらに棍棒使いや矢を射てくる鎧武者まで登場して楽しませてくれる。

「死んじゃうジャン」という口癖で登場人物に絡んでくる白い服の男
を演じたいしだ一成が光っていた。2人組に銃撃されても死なず、2階
から突き落とされても復活するこの男もゾンビなのかと思ったが、鎧
武者に首を刎ねられてしまう。せっかく強烈な個性を発揮しているの
だから、彼にもう少し活躍の場を与えて欲しかった。

       お勧め度=★★ (★★★★★が最高)

                    「鎧 サムライゾンビ」  
                         についての詳細は、

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 本日はもう一本

                   「雷神-RAIJIN-」 です。
   
もはやスティーブン・セガール簡単なアクションすらできないほど衰
えてしまったのか。格闘シーンは明らかにダブルが担当し、主人公は
後姿しか映らない。セガールの顔がスクリーンに現れても、それはア
ップだけで彼の手足で敵を攻撃することはない。危険なスタントだか
ら代役に任せるというのではなく、もう激しい動きはできないからと
格闘シーンはダブルに演じさせているのがミエミエだ。

敏腕刑事ジェイコブはビリー・ジョーという爆弾魔を逮捕するが、ビ
リーはすぐに釈放され、ジェイコブに報復する過程で殺人を繰り返す。
並行して被害者の体に占星術の刻印を残す連続猟奇殺人が発生する。

ツッコミどころ満載のコメディとして見たほうがストレスは感じない
のかもしれない。殺人犯のような悪党は殺してしまえという発想で、
ジェイコブはチンピラたちをぶちのめし犯人を追い詰めていく。彼の
暴走は少年時代に双子の兄弟を惨殺されたトラウマが原因になってい
るのだが、そんな言い訳は警察組織の中では通用しないだろう。

また、ジェイコブが同僚の女性巡査と暮らしているのはよいのだが、
なぜかラストシーンで妻子の待つ家に戻る。単身赴任先で不倫同棲し
ていたのか、ジェイコブは。女性巡査の惨殺死体を見ても表情を変え
ないのに、ロシア風美女である妻が裸で迫ってくると鼻の下を伸ばし
てスケベオヤジのような顔になるラストは嘲笑を誘う。そういえばビ
リー・ジョーは麻生総理ソックリで、こちらも鼻を鳴らしてしまった。

       お勧め度=★ (★★★★★が最高)

                    「雷神-RAIJIN-」  
                         についての詳細は、

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         余|談| 
         ━┛━┛

不幸な事故や事件で命を落とした人々の記憶を刻む旅を続ける青年と、
彼と出会った人々の心の変遷を描いた「悼む人」を読みました。

人が死んだ現場に佇み、独特のポーズでその死を悼み、死者が生前「
誰を愛し誰から愛されどんなことで人から感謝をされたか」を聞いて
回ります。

主人公の青年は感情を殺すあまり何を考えているのかわからない。そ
れでも、死んだ人のことを覚えていようという真摯な姿勢にいつしか
美しさを感じます。

命の大切さを問うなどというレベルではなく、単なる自己満足。だか
らこそその見返りを求めない青年の姿が胸を打ちました。。。

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創刊日:2002-12-02  
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