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こんな映画は見ちゃいけない! 

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アンダーカヴァー こんな映画は見ちゃいけない! 

2008/12/27



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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2008/12/27号  Vol.943  ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。
 
 本日、俎上にのせる作品は

                 「アンダーカヴァー」 です。
   
犯罪撲滅に燃える警察官と、警察を侮っているロシアマフィア、そし
て警察官の息子でありながらマフィアの表のビジネスに加担している
主人公。まだ電子機器や通信手段が限られていた80年代末のローテク
潜入捜査、暴力を厭わないソ連軍くずれのロシアマフィア、豪雨の中
の壮絶なカーチェイス。愛するものの死と復讐という、逃れられない
運命に身を任せた男の正義を緊迫感あふれるリアリズムで描く。

クラブのマネージャーのボビーは、警官の兄・ジョセフの昇進パーテ
ィでクラブオーナーの内偵を依頼されるが断る。だが、ジョセフが殺
し屋に襲撃されたことからボビーは警察に協力する決心をする。

クラブオーナーの妻がボビーに示す愛情の深いこと。よく働く部下は
息子同様に扱い、上客のようにもてなす。一方で絶対に裏切りを許さ
ず、楯突くものは警察であろうとも力ずくで排除する。逮捕されたチ
ンピラが自決することで、ロシアマフィアの恐怖の箍の強さを示すシ
ーンは衝撃的だ。やがてボビーのおとり捜査で麻薬工場を突き止めて
麻薬取引のボスを逮捕するが、逆に脱獄を許してしまう。そのあたり、
血で血で洗う抗争が手にスリルとアクションを交えて再現される。

ただ、ボビーが変心する前に、もう少し何らかの葛藤があってもよか
ったのではないか。たとえば恋人がマフィアのボスの娘で、ボビーが
自分の家族と恋人の板ばさみになって苦悩するなどのプロットがあれ
ばもう少し感情移入できたはずだ。 

       お勧め度=★★★ (★★★★★が最高)

                      「アンダーカヴァー」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  




 本日はもう一本

                  「K-20 怪人二十面相・伝」 です。
   
全身黒装束に仮面、マントを翻して狙ったお宝を盗み出す。一方で変
装の名人として他人になりきることも得意。近過去の日本、身分が固
定された社会で二十面相は盗みを通じて何をなそうとしていたのか。
そのあたりの物語の作りこみが不十分で、CGに頼ったレトロ風の街並
みばかりが印象に残る。現代日本の格差社会への強烈な批判であるこ
とは明白なのだが、窃盗や破壊行為に走るしか能がないのは寂しい。

サーカスの花形・平吉は探偵・明智と財閥令嬢・葉子の結婚式の盗撮
を依頼される。当日、式場に忍び込んだ平吉はしくじり、二十面相と
して逮捕される。仲間の助けで脱獄、泥棒として生きる決意をする。

ビジュアルのディテールに比べ、ストーリーの詰めの甘さはなんなの
だ。平吉が自分を救った恩人である泥棒たちの前で悪態をつくと思っ
たら、後に泥棒長屋にすんなり迎え入れられたり、指名手配写真が街
中に張ってあるにもかかわらず、素顔をさらしたまま街を走り抜けた
りする。第一、公安の目をそらすために二十面相は平吉を身代わりに
仕立てたのならば、もう二十面相の姿に戻る必要はあるまい。なぜわ
ざわざ葉子を脅すようなことをするのだろうか。

その後の展開も行き当たりばったりで、世紀の発明である無線送電装
置「テスラ」を手に入れるためにさまざまな謎を解いていく過程にま
ったく説得力がない。「バットマン」のような独特の世界観を作り出
さなければ、目先の変化だけでは退屈は禁じえない。 

       お勧め度=★* (★★★★★が最高)

                      「K-20 怪人二十面相・伝」  
                         についての詳細は、

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 本日はもう一本

                     「GOTH」 です。
   
まるで百貨店のショーウインドウにディスプレイされたような無機質
な美しさを持つ手首なし死体。今にも動き出しそうなほど躍動感が残
っているのに目は死んでいる。オブジェとして人々の目につくところ
に放置することで、犠牲者に生きていた時以上の存在感を与えている。
フォーカスを甘くした逆光の映像は幻想的な雰囲気を醸し出し、死に
異常な関心を持ちなぜかそれを美化する高校生の奇妙な感情をシンボ
ライズする。憧れなのか恐れなのか、命なき肉体への興味は彼ら自身
も持て余しているようだ。

猟奇殺人に惹かれる樹は同好のクラスメート・森野という女子と仲良
くなり、喫茶店でデートを重ねる。ある日、ふたりは拾った手帳に連
続殺人の記述が詳細に残されているのを発見する。

その後、森野は被害者に似た風貌にイメチェンして、犯人がいるはず
の喫茶店に現れて、真相を探ろうとする。しかし、この作品は予想さ
れるなぞ解きや犯人との駆け引きといった方向には見向きもせず、た
だ樹と森野の思わせぶりな会話が往復するだけ。その間、死体愛好の
歴史やなぜ彼らがそれほどまでに死体に魅力を感じてしまうのかとい
った説明はなく、間延びしたシーンが繰り返されるばかり。

森野はあるトラウマを胸に秘めて生きている。ならば逆に森野を「罪
悪感抱えて生きています」的な少女ではなく、もっと明るい感じのア
プローチにしたほうが、女の怖さをより強烈に表現できたはずだ。

       お勧め度=★★ (★★★★★が最高)

                       「GOTH」  
                         についての詳細は、

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        余|談|
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メルマガ発行スタンドの「まぐまぐ」から、今年のメルマガ大賞の推
薦文が送られてきましたが、その数324件。推薦してくださった皆さん、
本当にありがとうございます。

これほどのたくさんの方が熱心に読み、応援してくださっていると思
うと、思わず胸が熱くなってしまいました。

感情的な悪口も2,3ありましたが、それも人気の裏返しと考えて励みに
しています。

来年4月には、創刊1000号を迎える予定。映画批評メルマガナンバーワ
ンのポジションを守り続けていきたいと思います。



それでは皆さん、よいお年を!

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