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こんな映画は見ちゃいけない! 

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魍魎の匣 こんな映画は見ちゃいけない! 

2007/12/27

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☆  こんな映画は見ちゃいけない!  2007/12/27号  Vol.792  ☆
         
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 こんにちは、発行人のオテロです。
 
 本日、俎上にのせる作品は

                  「魍魎の匣」です。
   
凝りに凝った背景や小物、繰り返されるカットバック、非常に早い台
詞回しなど、膨大な情報量を持つ原作のイメージを損なわずに映画化
する苦心が映像からにじみ出ている。だが、一本の作品として鳥瞰す
ると物語が非常に分かりづらく、結局何について語られたのか一貫し
た答えが得られない。原作を読んだ人にしか理解できないというので
はなく、原作を読んでいても理解するのが困難だ。

探偵の榎木津は元映画女優の陽子から失踪した娘の加奈子の捜索を依
頼される。作家の関口はバラバラ殺人について調査するうちに新興宗
教に行き当たる。そして美馬坂というマッドサイエンティストの研究
所がすべての事件の鍵を握っていることを突き止める。

「世の中に不思議なことなど何もないんだよ」という京極堂のセリフ
のように、バラバラ殺人と加奈子の失踪を合理的に結びつけ犯人にた
どり着くというのが本来あるべきミステリーのはず。しかし、京極堂、
榎木津、木場、関口の4人の関係を説明するために、4人が同時に自分
の思っていることを口にして誰が何を言っているのか分からないとい
うシーンが象徴するように、この映画は多くの要素を詰め込みすぎて
混沌としてしまい、まとまりを欠いてしまっているように思える。

解説書片手に何度も見れば理解できるのだろうが、これほどのデータ
処理能力を求められても見るほうは戸惑うばかりだ。小さな箱に生き
たまま閉じ込められた人形のような女の子の美しさだけが余韻を誘う。 

       お勧め度=★* (★★★★★が最高)

                     「魍魎の匣」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

    を参考にしてください。解除もこちらからできます。  




 本日はもう1本

               「茶々 −天涯の貴妃−」です。
   
燃え盛る炎はいつしか黄金の紙吹雪となり、豪華絢爛を極めた安土桃
山時代の終焉を告げる。幼いころから女であることの悲劇を十分すぎ
るほど体験し、長じては女であることの利点を最大限に生かして日本
の最高権力者を陰で操るヒロイン。愛と憎悪、怒りと悲しみを胸に抱
きながら、男たちの政治の道具でしかなかった女たち。とにかく生き
延びて子孫を残すことが人生における勝利であるとこの作品は訴える。

織田に滅ぼされた浅井長政の娘・茶々は豊臣秀吉に見初められ側室と
なる。秀吉の寵愛を一身に受けた茶々は秀頼を産み、秀吉亡き後の大
坂城の主として権勢を振るうが、やがて徳川家康が大軍を大坂に送る。

茶々を、豊臣滅亡の原因を作った毒婦としてではなく、自ら運命を切
り開いていこうとする勇敢な女性として描いている。茶々は豊臣の世
継の生母となり、妹の小督は徳川に嫁ぐ。彼女らの母・お市の立場か
ら見れば、どちらに転んでも浅井の血を引くものがやがて天下人とな
るのだ。信長から父の頭骨の杯を賜ったときに茶々は父の無念を晴ら
すべく決心したのだろう。すさまじい女の執念と決意を和央ようかは
大きな目から発する鋭い眼光で表現する。

とはいえやはり彼女たちはやはり歴史においてはやはり脇役。赤々と
燃える大坂の街を天守閣から眺めながら最期の時を悟る茶々と秀頼に、
一生のはかなさについて語り合うなどの工夫がほしかった。さらに小
督役の寺島しのぶがオバサン顔で茶々より年上に見えるのは閉口した。

       お勧め度=★★* (★★★★★が最高)

                   「茶々 −天涯の貴妃−」  
                         についての詳細は、

         http://www.otello.com.ua/

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       余|談|
       ━┛━┛

今年の配信は本日で最後になります。みなさまお付き合いくださりま
ことにありがとうございました。

一応、'07年のベスト10を作ってみました。来年の年賀状用に作ったも
のをそのままサイトにアップしましたので、暇つぶしに見てください。

一年を通じて改めて選びなおすと、見た直後よりも明らかに印象が強
くなった作品もあり、単純に★の数だけでは順位は決められませんで
した。

これらの作品も年を経て見直すと、また評価が変わってくるかもしれ
ませんね。。。

     http://www.otello.com.ua/news/08best10.asp




      お|願|い|
       ━┛━┛━┛
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      「チャーリー・チャップリン ライフ・アンド・アート」
                                    です。
  
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