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ある日の教室

書家詩人である作者が、書道教室での子ども達の様子や、日々の生き方のヒントをお届けします。

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ある日の教室

2003/12/10

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【ある日の教室】〜塾講師から見た子供の世界 Vol.58
   作者:荒木崇
(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ)

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『夏目漱石』

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◇先日、中学受験生(小学5年)がこんな問題を解いた。
問 次の語句に関係する人物を選びなさい。
?「五月雨を集めて早し最上川」 ?「風の又三郎」
ア宮沢賢治 イ紫式部 ウ松雄芭蕉 エ夏目漱石

◇この程度の問題なのでもちろん全員正解であった。答え合わせをし、
それぞれ、有名な作品を聞いた。宮沢賢治は小学校の教科書に載ってい
ることもあり、学校で詳しく習った生徒は「注文の多い料理店」「オツ
ベルと象」「銀河鉄道の夜」と挙げた。しかし、「銀河鉄道の夜」を知ら
ない生徒もいた。源氏物語と奥の細道は「塾の社会時間に習った。」と
いうことで、全員が知っていた。

◇そして夏目漱石である。「吾輩は猫である」と「坊ちゃん」がほぼ同
時に出た。この二作を知らない者はいなかった。僕は聞いてみた。
「おー、みんなよく知ってるじゃないか。なんで知ってんの?」
生徒の答えは「なんとなく。」「いや、べつに・・・。」
「家にある。」という生徒もいたが、ほとんどの生徒は理由が見当たら
ない。小学校で習ったわけでも、塾で習ったわけでもない。どうやら
自然と身について知っているらしいのだ。
「じゃぁ、読んだことある人?」
「・・・・・。」
『坊ちゃん』を読んだことのある生徒が一人だけいた。

◇これは今年に始まったことではない。なぜか毎年そうなのだ。漱石
に限っては「吾輩は猫である」「坊ちゃん」は教えたわけでもないの
に必ず知っている。そして、「坊ちゃん」は読むが「吾輩は猫である」
は読んでいない。

◇話は変わるが、僕は大学時代、文学部日本文学科に在籍していた。
(その大学は国文科ではなく、なぜか日本文学科だった。)日本文学
が特別好きで、その学科に入学したのではない。「文学部なら女の子
がたくさんいるだろう。」という全くもって不純な動機が多分にあっ
た。(かと言って、その恩恵に浴したことはなかった。)

◇入学したての頃「日本文学科に入学したのだから、日本人作家の
小説でも読んでみよう。」という本末転倒な決意のもと、本屋に向
かい、手に取ったのが文豪、夏目漱石の「我輩は猫である」だった。
なぜ、それであったのか。理由は分からない。「日本の作家→漱石→
猫」という連想が無意識に働いた。子供達と同じように、脳みそに
染み付いている何かがあったのだろう。

◇漱石が授業に登場するたびに、毎年僕はこのことを話す。
「で、結局、半分しか読めずに挫折しちゃったんだよね。」
「なんで?」
「文語が混じってるんだよ。先生、入学した動機が普通じゃないで
しょ。そんなの最後まで読む気がするわけないじゃないか。」
「ダメだね、先生。」
「そう、ダメな人間なんですよ。だから、誰かそのうち最後まで読
んで、先生の敵をとってください。」
「ハハ、変なの、カタキって。」

◇今年で何回目の敵討ちのお願いだろうか。僕の敵をとってくれた
生徒が大勢いることを願う。

◇最後に余談だが、その授業の翌日、とある地下鉄の始発駅で電車
の出発を待っていると、今時珍しい、黒のランドセルを背負い、黒
い学生帽をかぶり、この寒いのに半ズボン姿の少年が乗ってきた。
手には一冊の新潮文庫。その本の題名は「こころ」だった。

◇これが、「我輩は猫である」なら、いいオチだが、人生そううまく
はいかない。

*登場する生徒名は全て仮名です。
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     ◇◇◇Global Thinking and Local Acting◇◇◇
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