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ある日の教室

書家詩人である作者が、書道教室での子ども達の様子や、日々の生き方のヒントをお届けします。

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ある日の教室

2007/12/12

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【ある日の教室】〜塾講師から見た子供の世界 Vol.263
   作者:荒木崇
(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ)

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「面白さ」(後編)

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○前回のあらすじ

小5の授業で次回から「詩」の授業になることを予告すると、一番前の席
に座っている友恵が「詩はつまんないから、イヤだ」と言った。

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僕は韻文が大好きだ。詩も短歌も俳句も。短い中にストーリーあり、作者
の感情がある。


短い言葉をきっかけに、ブワっと世界が広がった後、心の奥でじんわりとそ
の味わいが染み渡ってゆく。良い作品を読むと、僕はこんな感じになる。


短い世界だからこそ、言葉の使い方、言葉の選び方、言葉の組み合わせ方が
重要であり、思わず唸ってしまう言葉の使い手が確かに存在する。


例えば、俵万智さんの「サラダ記念日」の中の短歌に

『自転車のカゴからわんとはみ出してなにか嬉しいセロリの葉っぱ』

というのがある。


かわいらしくて僕は大好きな短歌なのだが、「わんと」はみ出すセロリの葉っ
ぱがどうして嬉しいのか、自転車に乗ってどこに行ったのか、これから何をす
るのか、はっきりとは書かれていないが、この一場面だけで確かに、あるスト
ーリーが浮かんでくる。


多くは語らない。でも、多くを語る。僕にとっての韻文の魅力はそんな感じで
ある。


しかし、それが生徒にとっては

・「何が書いてあるか分からない」。
・「作者の言葉や表現が分かりづらい」。
・「短くてつまらない」。

となってしまう。


もっとも、彼らの意見は分からないでもない。一つの言葉にいろんな思いやス
トーリーを凝縮するわけだから、表現が分かりづらくなるし、字面だけを追っ
ていると、「だからそれで何?」と思ってしまう。


『詩とはそもそもどういうものか?』ということを授業で語りたいのではない。
そんなこと、僕もよく分からない。そういう難しいことは学者の方々に任せよ
う。


授業ではとにかく、「詩って面白い!」という気持ちにさせなければならない
のだ。最初に「つまらない」「やりたくない」という気持ちにさせたらそれで
アウトである。


さて、友恵のクラスの詩の授業である。こんな導入を行った。


黒板に絵を描く。そして指示。「この絵の説明をノートにかいてごらん」。
「上手いとか下手とか変!とか絵の感想じゃなくてだぞ!!」(笑)


だいたい、みんな同じ内容。当たり前だ。見たままの説明なのだから。


次の指示。「じゃ、今度はその説明を『詩』にしてみよう。どうしたら『詩』
になるのか自分なりに考えて書いてみよう!上手いも下手も関係ないよ!」


「えぇ!!」と言いつつ、書き出す生徒たち。手が止まっている生徒に声をか
けていく。友恵は「う〜ん」と唸りながらも1行目を書き出した。


「じゃぁ、発表してみよう!」
というわけで、全員発表。


「何か気付いたことある?今の中で『詩』っぽいのは、健太と綾香と美千代が
発表してくれた作品かな。他のみんなのはいいんだけど何かが足りないんだな
ぁ」


こうして、詩に必要なものは何か、考えていき、実際に詩を読み、問題を解い
て授業は終了。


「詩って意外と面白いかもしれない」と友恵が言ってくれたのが何よりの成果
だった。


(登場する生徒名は全て仮名です。)

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     ◇◇◇ Global Thinking and Local Acting ◇◇◇
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