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経営者やマネジャーたちが、経営改善の諸々のテーマに関して意見交換や討論を行った記録をお届けします。毎月第四木曜日の夜に神戸で開催される「改善実践考房」での対話です。この考房には誰でも参加できます。

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経営者たちの対話に学ぼう31

発行日:12/9


  今回のテーマ / 方法論を評価すること

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   ☆☆ バーチャル考房「知的経営者たちの談論」 ☆☆

    ------第31号(2004年12月9日)------

◆方法論を評価すること◆ 

 成果を支えているのは方法論であり、これに注目して評価することを
メルマガでお勧めしたところ、幾つかのご意見を頂戴しました。それは
まさにTQCの基本コンセプトだったようです。また、方法論の定義を
考える切っ掛けともなりました。

-------
<考研ウィークリー197号>

◎成果を支える方法論に注目して評価する◎

 部下に仕事を指示し、その結果を評価することは、経営者や管理者に
とって日常のことです。そして、こうしたことの積み重ねと連関が
会社の業務の内容と形態をかたちづくっている訳です。

指示と評価は業務推進のかたちの基本構造をなす訳ですが、その中身は
まちまちです。業務のレベルや人材のレベルによっても違いが出て
きますが、個人的特性によっても相違があります。

 指示について取り上げてみます。新人に指示する場合とベテランに
指示する場合では、同じ業務内容でも指示内容が違ってきますし、
フォローの中身も違ってきます。

新人には仕事の目標とするゴールを明示するとともに、手順や方法の
指導もされることでしょう。それに対してベテランには、ゴールを明示
するだけで、あとは任せるということになるでしょう。

 評価についてはどうでしょうか。新人には手順や方法まで指導した訳
ですから、指示通りの手順や方法で進めたかどうかを確認し、その上で
ゴールに到達した成果を評価することになります。ベテランに対しての
評価は、ゴール到達の成果のみを評価することが多いようです。

こうしたやり方が一般的なようですが、業務の特性や上司の人的特性に
よっては、新人でもゴール到達の成果だけを評価するケースも少なく
ないようです。

 望ましい指示と評価の在り方は次のようになります。
<指示>
 1.業務の目的
 2.業務のゴール
 3.業務の納期

 4.業務を構成する作業項目(新人の場合)
 5.各作業項目ごとの予想所要時間(新人の場合)
 6.各作業項目の時間軸への割り付け(新人に計画指導の場合)

<評価>
 1)業務のゴール到達に関する成果の良否
 2)成果を出すプロセスにおける改善の工夫とその方法論

 上記の指示と評価の項目の中で、比較的忘れられたり、無視されたり
しがちなのが、2)の改善の工夫と方法論の評価です。実は、この評価
項目は組織を活性化し、元気にする上でたいへん重要なものなのです。

改善の工夫や方法論を評価するということは、仕事のやり方をどう改善
したか、より生産性の高い方法を考案したか、といったことを先ず問い
かけ、その答を評価することです。

こうしたことを評価するためには、上司として業務に通じていることが
求められると同時に、生産性向上や業務改善に関する見識を備えている
ことが不可欠になります。上司としてはそれに相応しいだけの勉強が
必要になる訳です。

こうした評価は部下に対しても大きな影響を与えることになります。
仕事を指示された部下は、言われたことだけをやってアウトプットを
出すだけでは、上司の評価に応えることができません。

どんな仕事を指示されたにしろ、常に仕事の仕方に関する改善の工夫と
その方法論を追究する姿勢を持つことが必要になります。こうして、
この組織に業務改善と生産性向上の風土が定着する基盤ができるのです。

 改善の工夫と方法論の評価が及ぼす影響はこれだけではありません。
改善の工夫と方法論が業務の生産性を高めたり、より品質の高いアウト
プットを出す上で、効果の高いものである場合、上司はこれを賞賛
することが大切です。

賞賛を受けることにより、人間は仕事に対してより高い意欲を持つもの
です。高い意欲を持って仕事に取り組む人間は、もう一段高いレベルの
工夫をするようになります。

即ち、他者や環境の圧力によって改善の工夫と方法論の追究姿勢を持つ
ようになるだけではなく、動機付けられて自己の内部から湧き上がる
ものによってその姿勢がより強固なものになるのです。

こうしたことが、生産性が高く常に進歩しようとする意欲を持つ組織を
作る上で大きな力となり、会社を元気にすることに大いに役立つものと
思われます。

 成果を支える方法論に注目して評価を行うということが、経営改善の
重要課題として、個々の組織でもっと深く具体的に追究されることに
期待を寄せている次第です。


-------
●N顧問より

 今回のテーマは、以前の話題「努力の中にこそある安心の境地」にも
関係しているものだと考えます。大いに共感するものです。世の中の
変化の中で心配や不安が生じるが、それを克服するために努力してこそ
生きる境地を見い出せる、即ち安心の境地が獲得できるのだということ
ですね。

アインシュタインの言葉に「成果が目的ではなく、それ自体が目的で
あること。人は成果の奴隷に堕してはならない」とありますが、これは
正に、TQCの基本思想の一つ「結果(成果)を追わず、それに至る
プロセス(進め方)を重視(結果を管理するのでなく、結果でプロセス
を管理)して体質改善せよ」(拙著をご参照方)と同意であります。

結果(成果)を追うと人は安易に走るが、プロセス(仕事・業務の
進め方)の改善は無限であり継続的な努力が求められ、その結果、常に
変化に強い体質改善が得られ、そこに安心の境地がある。と考えたいと
思います。

とくに、「プロセスや方法論を改善してより高い成果を上げたときは
誉めろ」 というのは至言です。


-------
●KM社長より

 今週の「成果を支える方法論に注目して評価する」を興味深く読ませて
いただきました。実践に悩んでいなければ、このことは、「知っている」
「判っている」に類することであります。ですから、安易に「業績評価に
対応するプロセス評価」と、直ぐに賢いコンサルは言うわけです。

しかし、どうも「プロセス評価」というのは、実態を表しきれない。
そこで「改善の工夫」と「方法論」の評価ということになる訳ですね。
この「方法論」といっておられるところを、いつか機会がありましたら、
少し噛み砕いていただけないでしょうか。


-------
●KM社長へ編集者より

 いつもご高覧頂きましてありがとうございます。この度もまた、
当方で見過ごしておりました視点を頂戴したと感じました。
「方法論」という言葉を何となく使っておりました。仕事のやり方とか
仕事の進め方といった程度の軽い使い方でした。

今回のご意見を頂戴致しまして、「改善の工夫」と「方法論」との
違いは何だろうかと考え込んでしまいました。その結果と言っては
大袈裟ですが、今のところ次のように考えております。

方法論とは、
その仕事の目的と到達すべきゴールに関する適切な認識を得た上で、
それに基づいて「この仕事はどのように進めるべきか、どのような
計画を作りどのようなやり方で仕事のプロセスを管理すべきか」
といったことを決めて実行するための「思考のフレームワーク」、
といったようなものではないでしょうか。

即ち、仕事のやり方は「改善の工夫」の範疇であって、仕事のやり方を
導き出す上で基本となるスタンスや考え方が「方法論」と言えるような
気がします。未だ考えが浅い感は否めません。もっと深く掘り下げて
考えてみたいと思っております。

※読者の皆さんのご意見をお聞かせください、メールでどうぞ
   E-mail <hiro.oshima@nifty.com>

---------------------------------------------------------
 有限会社 考研経営企画 / 大島啓生
      E-mail <hiro.oshima@nifty.com>
       URL <http://homepage1.nifty.com/koken_pat/>
 神戸市垂水区桃山台5−7−7 〒655-0854
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改善実践考房/大島

改善実践考房/大島

http://homepage1.nifty.com/koken_pat/

 岩手県北上生まれの東京育ち。大学卒業後は、自前の人生を神戸で創ってきた。そして今も。  神戸製鋼所勤務後、機械設計技術者出身の中小企業診断士として独立し、経営改善支援会社を設立。得意分野は、目標達成のマネジメント、開発推進のマネジメント、組織横断型活動による経営改善と人材育成、など。講座やセミナーのインターネット配信を行うネット配信塾、誰でも自由参加できる改善実践考房を、主催/運営している。  仕事以外に好きなことは、万葉集、ジャズピアニスト/キース・ジャレットの演奏、ジョギング、日本ハム・ファイターズの野球、といったところ。

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