政治・経済

参議院議員森元つねおの国会だより

自由民主党参議院議員森元恒雄の国会での活動報告です。現在の国会の情勢、地方分権や教育問題などに関する情報を、原則週1回配信します。

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【参議院議員森元恒雄の国会だより】

2007/03/19

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 参議院議員 森元恒雄の国会だより  2007/3/19--No.257
                http://www.t-morimoto.com/

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● 三角合併

 企業の合併・買収の手法の一つである「三角合併」が5月に解禁され
ます。それを受けて自民党では、昨年末から制度整備のための最後の詰
めの議論を集中的に行ってきました。

 三角合併とは、A社がB社を吸収合併する際、A社の親会社C社の株
式を合併の対価としてB社の株主に渡す手法です。昨年5月に施行され
た新会社法で初めて認められました。しかし、例えば、A社の親会社で
あるC社が外国企業であった場合、A社は合併の受け皿会社に過ぎない
ため、実質的には外国企業C社が日本企業B社を買収したのと同じにな
ります。このため、日本の経済界の一部は「外国企業による日本企業の
敵対的な買収が激増する」と強く反対し、それを受けて1年間施行が凍
結されるとともに、今年5月の解禁前に、省令の関係規定について見直
すことになっていました。

 議論の焦点となったのは、三角合併を承認する株主総会での決議要件
です。通常の合併と同様の「特別決議」(出席株主の議決権の3分の2
以上の賛成が必要)とするか、若しくは経済界が求める、特別決議より
厳しい「特殊決議」(全株主の頭数で半数以上の賛成と総議決権の3分
の2以上の賛成が必要)とするかで意見が分かれました。

 特殊決議化すべきであるという立場からは、以下のような意見が出さ
れました。

(1) 行き過ぎた外国企業の買収は国益に反する。三角合併は敵対的買収
の誘引となるため、国益の観点から厳格化が必要である。

(2) 三角合併の対価が外国会社株式であると、日本の株主は情報を十分
に把握することができず、株主の利益が害される。

(3) 株式買取請求権の行使手続は煩雑で実際には十分に機能していない
ため、合併に反対しようとする株主の利益が十分に保護されない。

(4) アメリカにはデラウェア州の事業結合規制立法のような、敵対的買
収に対する厳しい法規制があるが、日本にはない。

(5) 会社法施行後、この1年で買収防衛策を導入できたのは、上場企業
約3,800社のうち、わずか約200社程度に過ぎない。

(6) 日本企業が外国企業に買収されることで、日本企業の重要な技術が
国外流出する。

(7) 三角合併をしようとする外国企業の日本子会社が、合併対価として
親会社である外国企業の株を取得する際、その日本子会社の資金が国外
に流出するため、対日直接投資増加の政府方針に反する。

 これに対して、特殊決議化をすべきでないとする立場からは、

・特殊決議化すると、事実上三角合併は実現不可能になる。

・特殊決議化しても、少数株主を完全になくすことはできない。

・経営者にも企業同士の競争が求められており、また、株価に企業価値
を適正に反映させれば、容易に買収されるリスクは減る。

・(2)、(3)については、関係する制度改正を行えばよい。

・(4)については、日本の会社法は、各企業に合併承認要件を定款で加
重することを認めているほか、種類株式や新株予約権制度のような敵対
的買収防衛策を用意している。

・(5)については、1年で無理だから再延長するという議論は建設的でな
く、法律の再改正が必要となる。

・(6)については、国外への技術流出は外為法などで規制できる。

・(7)については、三角合併が完了すれば、統計的にも対日直接投資と
してカウントされる。

などの意見が出されました。

 特に、(1)の国益の点については最も議論が集中しました。特殊決議
化をすべきでないとする立場の議員や法務省からは、三角合併を行う際
には、当該合併の条件について各当事会社の取締役会の承認を得た上で
契約をする必要がある。従って、株式の買い集めによって敵対的買収を
した後に、取締役の総入れ替えなどで合併を強行することは考えられる
が、「三角合併が行えるようになると敵対的買収が行われる」というの
は論理的に破綻している、という反論がありました。

 しかし、三角合併の導入が、外国企業による日本企業買収のインセン
ティブを高めることは否定できません。今後自民党では、国益を損なう
ような合併が行われないよう引き続き注視していくこと、国益を損なう
ケースへの対応策などについて議論を深めていくこと、そもそも国際競
争と国益との関係はどうあるべきかなどの本質論についても、中長期的
に議論を重ねていくことを決めました。

 また、同時に、株主保護の観点から、三角合併を利用する企業には、
合併対価とする親会社の株式が上場されている外国の証券市場や株価の
動向、親会社の定款や財務、事業状況などの開示を義務付けることにな
りました。さらに、いったん大半の株式を公開買付け(TOB)で取得
した後に三角合併を行おうとする場合などには、大株主という立場を悪
用して不当に悪い条件で合併を実施しようとする可能性があることか
ら、合併条件の適正さを示すことも義務付けることになりました。法務
省としては、5月1日の施行を目指して、省令の関係規定を改正します。

 そもそも日本では株式市況が低迷していることもあり、トップ企業と
いえども株式の時価総額は欧米の巨大企業に比べて著しく小さいことが
かねて指摘されています。
 イトーヨーカ堂の株式時価総額は米小売大手ウォルマート・ストアー
ズの14分の1、松下電器産業は米電機大手ゼネラル・エレクトリック
の10分の1、また、石油業界国内トップの新日本石油でも、米メ
ジャーのエクソン・モービルの30分の1に過ぎないと言われていま
す。

 三角合併の解禁に伴い、時価総額の大きい企業は、大型買収のケース
でも資金負担が小さくて済むため、無理なく買収に乗り出せるようにな
ります。反面、リストラで経営体質が改善したものの株価が割安な日本
企業は、買収の対象とされやすい状態にあります。経済界には、今後、
配当を厚くするなど、株価が企業の体力を正しく反映したものになるよ
う努めるとともに、買収防衛策をさらに強化していくことが求められま
す。


                    参議院議員 森元恒雄


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