政治・経済

参議院議員森元つねおの国会だより

自由民主党参議院議員森元恒雄の国会での活動報告です。現在の国会の情勢、地方分権や教育問題などに関する情報を、原則週1回配信します。

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【参議院議員森元恒雄の国会だより】

2006/11/13

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 参議院議員 森元恒雄の国会だより  2006/11/13---No.239
                http://www.t-morimoto.com/

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● 移転価格税制


 最近、移転価格税制に基づく更正処分が、大企業を対象に急増してい
ます。2005事業年度における課税所得金額は2,836億円にのぼり、過去
最高に達したとのことです。

 移転価格税制は、海外のグループ企業との取引価格を通常の取引価格
に置き直して課税する制度です。その目的は、法人税の海外流出を防ぐ
ことにあります。
 国内企業が商品を通常の取引価格より安い価格で海外の関連会社に輸
出すれば、国内で所得が減る一方、海外の関連会社の所得は増えます。
これを所得移転といいますが、日本よりも法人税率の低い国に所得移転
を行うと、企業グループ全体で納める税金を少なくできるため、それを
防ごうとするものです。

 わが国がこの税制を導入したのは1986年のことでした。1980年代、ア
メリカが米国内に進出した日本企業の子会社に対し、利益を日本の本社
に意図的に移転しているとして、相次いで追徴課税を行ったことに対抗
する意味合いが強いものでした。

 移転価格税制の考え方そのものは、単純、明快で極めてシンプルです
が、現実の運用においては移転価格の算定が難しく、税務当局の裁量が
働く余地が大きいため、決して単純、明快な制度とは考えられていませ
ん。

 グループ企業間の取引は、単純な物品の売買にとどまらず、役務の提
供、無形資産に関する取引、金融取引など多種多様であり、それぞれに
応じた独立企業間価格を算出することは、企業及び税務当局双方にとっ
て容易なことではないからです。

 そこで、移転価格税制の適用の明確化を図るため、国税庁は移転価格
事務運営要領を定め、具体的な取扱いについて明確化を図っています。
それでも基準が曖昧で裁量の幅が大きく、多くの場合追徴額が数十億円
から数百億円と巨額にのぼることもあって、更正処分を受けた企業の間
には不満が多く、殆どの場合異議申し立てを行っています。

 最近の移転価格税制の運用急増の中で、特に論点となっているのが、
ロイヤルティなどの無形資産の使用の対価の算定です。無形資産は、そ
もそも他に類似資産がないからこそ資産として価値があるものです。し
たがって、比較対象取引から価格を算定することが出来ず、企業及び税
務当局がそれぞれの尺度で取引価格を主張する結果となっています。早
急にルールを明確化する必要があります。

 また、グループ企業内で、例えば親会社から子会社に提供される無形
のサービス・便宜に対する対価として経営指導料の名目で授受される役
務の提供に係る対価について、これまでわが国企業は海外の子会社にこ
のような対価を請求する実務慣行が余りなかったと言われています。今
後は、企業グループ内の役務提供取引に対して、その対価の正確な把握
と確実な回収を行うことが必要とされます。

 ところで、移転価格税制の適用は、海外の関連会社の所得を減らし、
納税額を減らすことになるため、対外問題を孕みます。また、このよう
に国と国との税金の取り合いとなるため、二国間で調整が着かず、企業
が二重税制を余儀なくされる事態も起こりえます。

 こうした事態を解消するため、二国間の税務当局が適正な取引価格と
税額を調整する相互協議制度があります。しかし、相互協議の対象とな
るのは、日本が租税条約を結んでいる56ヶ国だけであり、また、近年案
件が急増している中で国税庁の事務処理体制が十分整っていないという
問題もあります。

 そこで、このような事後的な相互協議では企業の事務負担が膨大なも
のとなり、また、企業経営の予測可能性が低下することから、それを回
避する目的で設けられているのが事前確認制度です。これは、納税者が
国税庁から事前に独立企業間価格の算定方法などの妥当性について確認
を受けている場合には、その内容に基づいて申告を行っている限り移転
価格課税は行われないというものです。

 そして、この事前確認制度を二国間で行えば、二重課税の危険を予め
防ぐことができます。今後、二国間事前確認制度を積極的に活用するこ
とが望まれますが、これについても、対象国の拡大、そして現在その処
理について2年程度の時間がかかっている事務処理体制の早急な整備が
求められます。


                    参議院議員 森元恒雄


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