政治・経済

参議院議員森元つねおの国会だより

自由民主党参議院議員森元恒雄の国会での活動報告です。現在の国会の情勢、地方分権や教育問題などに関する情報を、原則週1回配信します。

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【参議院議員森元恒雄の国会だより】

2006/05/08

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 参議院議員 森元恒雄の国会だより  2006/5/8---No.212
                http://www.t-morimoto.com/

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● 破綻法制


 竹中大臣の私的諮問機関である地方分権21世紀ビジョン懇談会が、去
る4月28日中間取りまとめを発表し、数年以内に地方自治体の破綻法制
を導入することを提言しました。
 そのポイントは、これまでの議論の内容からみると、地方債の発行を
自由化して、発行条件等は市場の規律に委ねる。その代わり、地方自治
体が債務不履行に陥った場合には、金融機関等に対し貸手責任を追及
し、債務免除、償還繰り延べ、金利軽減等を求めることも視野に入れて
いるようです。

 未だ懇談会の中間取りまとめが出された段階ですから、今後これがど
のように具体化されることになるのか、現時点では不明です。しかし、
このような発想には基本的なことがらについて次のような疑問点がいく
つかあります。党及び国会の場で、しっかり議論して行く必要があると
考えています。


(1)国の破綻法制こそ必要ではないか

 財政状況を比較すると、地方よりも国の方が遥かに深刻な状況にあり
ます。しかも、国の場合はどこからも規制を受けずに自らの意思で国債
の発行額を決め、発行しています。にもかかわらず、国については全く
破綻法制に関する議論がない中で、なぜ地方についてだけそのような議
論をするのでしょうか。地方について云々する前に、むしろ国について
こそ、その是非を議論すべきではないでしょうか。

(2)地方債発行の自由だけでは条件整備として不十分

 破綻法制の導入は、地方債発行の自由化が前提とされています。しか
し、仮に地方債の発行が完全に地方自治体の自由な判断で行えるように
なったとしても、その償還財源となる地方税や地方交付税についてはあ
くまで国が決定権を握っている以上、地方自治体に責任を追及する条件
整備としては不十分です。なぜなら、無理な金額の地方債を発行してい
なくても、国が大幅な減税を行ったり、地方交付税を大幅に減額した場
合には、地方自治体はたちまち債務不履行になりかねないからです。

(3)元利償還費の地方交付税導入は必要

 地方債の自由化の一環として、懇談会は今後、地方債の元利償還金は
地方交付税の対象としないと提言しています。しかし、これは、そもそ
も地方交付税は地方税の足りないところ、すなわち地方自治体間の税収
を調整するための、いわば地方の共同税とも言うべき性格のものである
ことを忘れた考え方であると思います。仮に、そのような方針を採った
場合、各団体は留保財源で元利償還する以外に道がなくなり、税収の少
ない団体はほとんど地方債を発行することができなくなります。
 事業費補正方式の是非は兎も角として、少なくとも単位費用方式で需
要額に算入することは必要です。

(4)地方債の元利償還に対し貸手責任を追及することは適当か

 民間企業と異なり、地方自治体には課税権があります。このため、収
入が入って来る道が完全に閉ざされることはありません。従って、大量
の地方債発行によって一時償還が困難になったとしても、他の事業を停
止したり、徹底した合理化、効率化で経費を節減すれば、償還は十分可
能なはずです。にもかかわらず、金融機関等に対し、貸手責任を追及す
ることは適当でしょうか。もし、そのようなことをすれば、現在国債と
同等の信用力のある地方債に対する市場の信認が低下し、地方債の発行
条件が悪化して、地方自治体のコスト負担が増えるだけです。そうまで
して、どうして貸手責任を追及する必要があるのでしょうか。

(5)地方財政再建法とどこが異なるのか

 地方自治体の破綻法制は清算型ではなく、再建型のものであると懇談
会は考えているようです。そもそも、地域独占体である地方自治体が消
滅することは、法制上の話としては兎も角、現実には考えられません。
 もし仮に再建型のものだというなら、それは現在の地方財政再建促進
特別措置法に規定されている再建手法とどのような点で異なるものにな
るのでしょうか。現行法には足らないところがあると言うなら、それを
改正すれば済むことで、何も破綻法制の導入などという必要はないので
はないでしょうか。破綻などと大袈裟に言うから、かえって政府に対す
る地方自治体の不信感が高まるのではないでしょうか。

(6)新しい地方債の発行手続きと異なる点はどこか

 さらに、再建型のものにする場合には、当然地方債残高や公債費比率
が一定の水準に達すれば、新たな地方債の発行が制限される枠組みにな
るものと思われます。しかし、もしそうであるならば、今年度から変更
された地方債の発行手続きと実質的にどこが異なるものになるのでしょ
うか。既に今年度から、民間資金については国等と協議しても、その協
議が整わない場合には国の同意なしに各団体の判断で自由に発行できる
ことになっていますし、許可が必要とされるのは実質公債費比率が一定
水準を超えた場合に限られているわけですから。


                    参議院議員 森元恒雄


< 参考 >
「地方分権21世紀ビジョン懇談会の中間取りまとめ」
http://www.soumu.go.jp/menu_03/shingi_kenkyu/kenkyu/pdf/060428_1_1.pdf


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