政治・経済

参議院議員森元つねおの国会だより

自由民主党参議院議員森元恒雄の国会での活動報告です。現在の国会の情勢、地方分権や教育問題などに関する情報を、原則週1回配信します。

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【参議院議員森元恒雄の国会だより】

2006/03/06

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 参議院議員 森元恒雄の国会だより  2006/3/6---No.203
                http://www.t-morimoto.com/

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● 自己信託


 大正11年に制定された信託法の全面改正が今国会で行われようとして
います。
 制定後既に84年が経過し、その後の時代の変化に対応しきれなくなっ
ていることから、信託制度を抜本的に見直そうとするものです。

 そのポイントは次の3点です。

1.当事者の私的自治を尊重する観点から、過度に規制的になっている
ルールを見直し、(1)受託者と受益者との間の利益相反行為を一定の場
合許可する、(2)受託者が信託事務を第三者に委託できる場合を拡大す
る、(3)委託者と受益者が合意すれば、いつでも受託者を解任すること
ができるようにする。

2.受益者の権利行使の実効性・機動性を高めるため、(1)受託者の違
法行為に対する差止請求権を創設する、(2)複数の受益者による多数決
による意思決定を許容し、受益者集会制度を創設する、(3)受益者に代
わって受託者を監視・監督する信託管理人制度を創設する。

3.多様な信託の利用形態に対応するため、(1)受益権の有価証券化を
許容する、(2)委託者が自ら受託者となる信託(自己信託)を創設す
る、(3)信託事務に関する取引により生じた債務等について、受託者が
信託財産のみをもって履行の責任を負う限定責任信託を創設する、(4)
受託者の定めのない信託(目的信託)を一般的に許容する。

 今回の信託法の改正の中で党内で議論が集中したのは、自己信託に関
する部分です。自己信託は、委託者と受託者が同じ本人であるため、債
権者の権利を侵害する事態を招いたり、二重譲渡が行われやすくなるの
ではないか、また相続税や法人税、所得税などの脱税手段として悪用さ
れるのではないか、といった懸念が議員の間から相次いで出されまし
た。

 例えば、債務者が自らの財産の一部を自己信託すると、債権者は信託
財産に手が出せなくなるのではないか。そうであれば、債務者が自己信
託を使って財産隠しを行い、債権者を害することになるのではないかと
の懸念に対しては、このような虞がある場合には、債権者は詐害信託取
消請求訴訟を経ることなく、直接、信託財産に対して強制執行、仮差
押、仮処分、競売を行うことができるようになっている。また、債権者
保護のため、自己信託の設定には確定日付のある公正証書等が必要とさ
れ、登記が可能な財産については信託登記を求める。さらに、強制執行
を免れる目的など自己信託が乱用される場合には、裁判所が信託の終了
を命ずることができることになっていると法務省は説明しています。

 また、自己信託について、委託者(=受託者)が1年以上受益者も兼
ねることは禁止されているが、100%子会社を受益者とすれば、この規
制を実質的に免れることになるのはおのではないかとの指摘に対して
は、自己信託が自らの財産を減少させて債権者を害する場合には、上記
と同様、直接、信託財産に対して強制執行等を行うことによって、それ
に対抗することができるとされています。

 さらに、架空の信託設定がされたり、受託者の義務が履行されなかっ
たりして、受益者の利益が害されることが起こるのではないかとの懸念
に対しては、同様の事案は通常の信託においても起こりうることであ
り、自己信託に限ったことではない。自己信託が設定された場合にその
受益権を取得しようとする者は、契約の相手方である委託者(=受託
者)に信託財産の内容を照会し、公正証書の存在、信託財産の現況確認
等をするのが通例であり、また、帳簿・計算書類の閲覧の請求、信託事
務の遂行状況・信託財産の状況に関する報告聴取、損失てん補責任の追
及、不当利得返還請求、不法行為による請求もできるとしています。

 また、自社の事業の一部を自己信託した場合には、利益を信託財産に
寄せて本体を赤字にするなど、法人税逃れの手段として悪用されるので
はないか。また、受益者を妻や子供として自己信託を設定すると、相続
税を逃れることができるのではないかなど、脱税手段が拡がることを懸
念する声も相当あります。この点については、財務省は、法律が成立
し、政省令も制定されて自己信託の内容が詳細に固まった段階で、様々
な視点から脱税を防止するのに有効な手立てを講じることとする。来年
度の税制改正でその実現を図りたいとしています。

 これまでの制度を改正したり、あるいは新しい制度を設ける場合に
は、それが実際にどのように使われ、社会にどのような影響を及ぼすこ
とになるのか、想像力を高めてあらゆるケースを想定し、それが悪用さ
れたり、悪影響が出ないように予め十分な手を打っておく必要があるこ
とは言うまでもありません。
 ただ、自己信託は自分の財産の一部を他の財産から切り離して、自分
自身が受託者となって管理運用するというものであるだけに、そのよう
な制度が出来たときに、世の中の人々はこれをどのように使うのかとい
うことが十分読みきれないこと、しかも、最近耐震偽装事件や株価操作
事件に見られるように、法の不備や隙間を縫って悪事を働く事犯が相次
いでいることから、欠陥のある法制度を作る訳にはいかないとの思いが
議員の間に強くなっていることは事実です。
 残念ながら、世の中は、制度をそれ本来の趣旨、目的のためにまっと
うに使う人ばかりでないことを、常に念頭に置いて対処していく必要が
あることを改めて痛感しています。


                    参議院議員 森元恒雄


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