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週刊V−magazine2月21日号

発行日:2/21

 2011年2月21日号

毎週月曜日発行第475号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
今年はインフルエンザの話題をあまり聞きませんが、流行してないのかな。自分の周りでも風邪にかかっている人は少ないような気がします。
CONTENTS

症例検討
腫瘍系文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
インフルエンザ
掲示板から

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

腫瘍系

■TRAMPモデルでリコペンによる前立腺癌の化学的予防
Chemoprevention of prostate cancer with lycopene in the TRAMP model.
Prostate. October 2010;70(14):1547-54.
Ramdev Konijeti; Susanne Henning; Aune Moro; Ahmed Sheikh; David Elashoff; Ari Shapiro; Melvin Ku; Jonathan W Said; David Heber; Pinchas Cohen; William J Aronson

背景:トマト丸ごとから他の成分とともに混合した食事中リコペンは、過去にビードレット製剤形態で提供される純粋なリコペンよりも前立腺癌に対する化学的予防効果が大きいことが分かっている。我々は、前立腺の遺伝子形質を腺癌に変換した(TRAMP)マウスにおいて、リコペンビードレットから提供されるリコペン量と等量のトマトペーストはより大きな化学的予防効果を示すだろうと仮説を立てた。

方法:59匹のTRAMPマウスをコントロール食、28mgリコペン/kgをトマトペースト(TP)で添加した食餌、リコペンビードレット(LB)で添加した食餌に無作為に振り分け、20週目に剖検した。前立腺組織病理、前立腺重量、IGF-1およびIGF結合蛋白-3血清濃度を評価した。

結果:LB群の前立腺癌の発生はコントロールと比べて有意に低下した(60% vs. 95%、P=0.0197)が、TP群とコントロールの差は統計学的に有意ではなかった(80% vs. 95%、P=0.34)。群間で前立腺重量に差はなかった。血清および前立腺組織の総リコペン濃度はコントロールよりLB、TP群で同様の上昇を見せた。血清中5-cis-リコペンとtrans-リコペンの比は、TP群に比べLB群で有意に大きかった(P=0.0001)。酸化DNAダメージはコントロールと比較してLBおよびTP食を与えたマウスの肝臓で有意に低下した。

結論:この前臨床試験は、リコペンビードレット増加食で有意な化学的予防活性を示唆する。ビードレットに対して全トマト生成物のリコペンの化学的予防効果については、前臨床および前立腺癌の臨床医モデルにおいて更なる研究が必要である。(Sato訳)

Dr.Kawanoの気になる文献

■非アトピー性皮膚炎のウエストハイランドワイトテリアにおける高アレルゲン特異的血清IgE濃度
High allergen-specific serum immunoglobulin?E levels in nonatopic West Highland white terriers.
Vet Dermatol. 2011 Jan 26.
Roque JB, O'Leary CA, Kyaw-Tanner M, Latter M, Mason K, Shipstone M, Vogelnest L, Duffy D.

人と犬のアトピー性皮膚炎(AD)は環境アレルゲンに特異的なIgEと関係を共有するが、非アトピー犬の血清アレルゲン特異的IgEを評価している研究はわずかである。この研究では30頭のアトピーと18頭の非アトピー性ウエストハイランドホワイトテリアにおける血清アレルゲン特異的IgE濃度を比較した。アトピー性皮膚炎は標準的な基準を使って確定した。非アトピー犬は5歳以上で、臨床症状がないか、アトピー性皮膚炎の病歴がなかった。血清アレルゲン特異的IgE濃度は48項目のオーストラリアパネルを使用するAllercept IgE酵素免疫測定法(ELISA)で測定した。ELISA吸光度単位画150以上で陽性反応と決定した。
16頭のアトピー性皮膚炎の犬で血清採取時点か、あるいは様々な血清採取前の時点で皮内反応を実施した。アトピー性皮膚炎の犬において、最も一般的に陽性を示した酵素免疫測定法(ELISA)と皮内反応試験結果は、コナヒョウヒダニ ( 30 頭中11頭の犬)だったが、どのアレルゲンに対する2つの方法からの結果では統計的に有意な関連はなかった。
非アトピー犬において、複数のELISA高陽性反応が48アレルゲン中45アレルゲンで報告され、最も一般的なものはコナヒョウヒダニとケナガコナダニ(それぞれ18頭中17頭)だった。非アトピー犬における陽性のELISA結果は、48アレルゲン中44アレルゲンでアトピー性皮膚炎の犬の結果と比べて統計的に有意に高く、一般的に犬のアトピー性皮膚炎において有意と言われている二つのアレルゲン(コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニ)も含まれた。
結論として、アレルゲン特異的IgE ELISA陽性は犬のアトピー性皮膚炎で特異的ではなく、高いアレルゲン特異的IgE濃度は非アトピー犬でも見られた。これの臨床的意義およびそれが保護的な表現型を特徴付けるかどうかは不明である。(Dr.Kawano訳)

Dr.Satoの気になる文献

■長期にわたる重度神経欠損の椎間板疾患を持つ犬の治療における減圧術、電気鍼療法、減圧術後の電気鍼療法の比較
Comparison of decompressive surgery, electroacupuncture, and decompressive surgery followed by electroacupuncture for the treatment of dogs with intervertebral disk disease with long-standing severe neurologic deficits.
J Am Vet Med Assoc. June 2010;236(11):1225-9.
Jean G F Joaquim, Stelio P L Luna, Juliana T Brondani, Sandra R Torelli, Sheila C Rahal , Fernando de Paula Freitas

目的:48時間以上経過した重度神経欠損の犬の胸腰部椎間板疾患(IVDD)の治療で、減圧術(DSX)、電気鍼療法(EAP)、DSX後EAP(DSX+EAP)の効果を比較する

構成:回顧的症例シリーズと前向き臨床試験

動物:胸腰部IVDDに起因する重度神経疾患の長期(>48時間)臨床症状を持つ犬40頭(3-6歳、体重10-20kg)

方法:胸腰部脊髄傷害を1(最低重症度)-5(最高)のスケールを用い神経学的症状をもとにクラス分けした。胸腰部IVDDの治療でDSXを行った犬から、DSX犬(n=10)を回顧的に選抜した。追加で、19頭はEAP単独、11頭はDSX後EAP(DSX+EAP)を行った。治療終了後6ヶ月以内に、グレード4あるいは5に分類されていた犬がグレード1あるいは2に分類されれば、臨床的に成功と考えた。

結果:臨床的に成功した犬の比率は、DSXを行った犬(4/10)よりもEAP(15/19)を行った犬の方が有意に高かった。DSX+EAPを行った犬の臨床的成功を示した比率は中間(8/11)だった。

結論と臨床関連:胸腰部IVDDに起因する長期重度神経欠損を持つ犬において、電気鍼療法が減圧術よりも歩行の回復、神経欠損の改善でより効果的だった。(Sato訳)

電気鍼療法が手術よりも成績がよいという文献です。

はみだし文献訳

■重症疾患関連コルチコステロイド不足を示した敗血症性ショックの犬の1例
Critical illness-related corticosteroid insufficiency in a dog with septic shock
J Vet Emerg Crit Care. Jun 2009;19(3):262-268. 31 Refs
Jamie L. Peyton, DVM, Jamie M. Burkitt, DVM, DACVECC

目的:敗血症性ショックの1頭の犬におけるヒドロコルチゾン反応性低血圧と重症疾患関連コルチコステロイド不足(CIRCI)の症例を述べる

症例概要:誤嚥性肺炎の1頭の犬が昇圧剤に反応しない低血圧を伴う敗血症性ショックを発症した。標準ACTH刺激試験を実施し、CIRCIと一致する鈍化したコルチゾール反応を示した。ヒドロコルチゾン投与から2時間以内にショックから好転し、その後8時間かけて昇圧剤からの完全離脱が達成できた。その犬は回復して退院した。退院から1ヵ月後に実施したACTH刺激試験は、CIRCIの解消と一致する正常な副腎応答性を示した。

新奇情報:これは1頭の犬における自然発症敗血症性ショックに関与するヒドロコルチゾン反応性低血圧と一次的CIRCIの最初の症例報告である。(Sato訳)

インフルエンザ

■犬のインフルエンザ
Canine influenza.
Vet Clin North Am Small Anim Pract. November 2010;40(6):1063-71.
Edward J Dubovi

イヌにおいて臨床的存在として認められている犬インフルエンザは、比較的歴史が短い。犬から犬に伝染する能力のあるインフルエンザウイルスの特定のサブタイプの存在は、現在地理的にアメリカと韓国に限られている。流行性インフルエンザウイルスに対するヒト集団の懸念で調査を強めため、犬のインフルエンザウイルスのより多くの症例が確実に検出されている。各感染は、種交叉病原体としてインフルエンザウイルスの進化の出現および継続する独特の変種に対する機会を提供する。(Sato訳)

掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs



ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫

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訳者:編集委員 Dr.Kawano 圓尾拓也 Dr.Ka2

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☆本メールマガジンは、根拠に基づく情報の掲載に努めていますが、ここから得た情報で皆様に不利益なことが起きましても発行者および副編集長らは責任を取ることが出来ませんので、皆様の責任のもとでの情報のご利用をお願いいたします。海外の文献を訳していますので、日本で承認されていないものや、海外でしか手に入らない薬剤も多々でてきますが、それら薬剤の使用につきましては、各先生の裁量、責任で行って下さいますようお願いいたします。

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