健さんの マンションアドバイス �04
発行日:5/17
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■□■□ 一級建築士・マンション管理士
□■□■ 2002.05.17
■□■□ 「 健さんの マンションアドバイス 」 ? 04
□■□■
マンションを買う人のために・住んでいる人のために・管理組合のために
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■ マンション内覧会 立会検査結果 総まとめ
3月〜4月にかけて実施したマンション内覧会立会検査で、私が見たこと・
感じたことをまとめてみました。
個別のマンション毎の検査リポートは、毎週1件づつお届けします。
また、さまざまな問題点については、後日個別のテーマ毎に詳しく書いてゆ
きたいと思っております。
□ まともに完成しているのはまれ。
ということは施工会社も売主も、きちんとした検査をしていないということ。
工事を終わらせるだけで精一杯。
最初から年度末完成引渡しを目指し、工期的に無理を承知で工事発注した
物件やら、年度末完成物件が集中し、作業員不足により或いは製品の納入遅
れにより工事が遅れたもの等。
突貫工事で間違いがあったり、工事の質が落ちたり、入居後に隠れた欠陥が
発見されたりする。
これから新居での新しい生活がスタートするというのに、心配だらけです。
3月期の完成物件は、なるべく避けた方がよいでしょう。
□ 大手不動産会社だからといって安心はできない。
「大手不動産会社で安心だから、決めました。」という依頼主がかなりいら
っしゃいました。しかし裏切られた方が何人か。
販売会社任せ、建設会社任せ。自分が売る商品の知識がない。工程の管理
をしておらず、直前になって内覧会検査日・引渡し日を延期するなど。
買主の立場・気持を考えないケース。
買主としては、転居などのスケジュールが狂い、大変な迷惑を被る。
□ 専門家が検査に立会うと、やはり対応が全く違う。
その旨を事前に伝えておけば、工事の出来も違うし社内検査もしっかりやる。
少なくとも検査当日、現場所長が検査を受けたり、売主の社員が立会ったり
する。
通常は売主でなく建設会社の若い社員が立会う。ひどい場合は誰も立会わず、
勝手に見なさいという姿勢。
それでは、指摘内容が的確に伝わらない。売主・施工サイドの言い分もある
はずですが、それも伝わらない。
再内覧会(手直し完了確認)時に、何も手つかずでトラブルになることも。
□「内覧会」などとという用語はおかしいのではないか?
辞書を引くと内覧とは、「特定の人が非公式、内々に見ること」「正式な手続
きをせずに、内々に見ること」とあります。
購入者が引渡しを受ける前の大事な検査だというのに、「内々に」はないで
しょう。
マンション業界の用語として一般化してしまっていますが、「購入者検査」と
改める必要があると思います。
そうすれば、不動産会社の購入者に対する姿勢も、多少は良くなるのではな
いでしょうか。これについては、前号(?03)で書きましたので、読んでいら
っしゃらない方は、バックナンバーをご覧下さい。
□ 買主の検査結果指摘事項の記録用紙タイトルが、まともに「検査記録」と
なっているのは、ほとんどない。
ほとんどが「内覧シート」「内覧確認シート」「内覧会チェックシート」
「内覧資料」・・・ つまり買主の検査を受けるという認識が希薄。
□ 記入欄もひどいのは10行程度しかない。こんなものでは足りない。
欄を多くすると、たくさん書かれてしまうからと、わざと少なくしている。
遠慮はいらない。2枚目3枚目を追加しよう。1項目1行で。
いや本当は、10行でも余るくらいの出来映えであれば良いんですが・・・
□ 「30分程度で確認して下さい」などと時間制限している売主もある。
長居されると指摘がたくさん出されて困る、という気持ちが見え見え。
30分で終了できるくらいに、出来が良ければありがたいのですが・・・
残念ながら、そんなのにはお目にかかれなかった。
ちなみに私の検査所要時間は、平均3時間でした。
□ 売主としての検査結果の報告がない。勝手に見ろという態度。
検査記録を要求しても社内資料だから出せないという。
自信があれば出せるでしょう。
検査などろくにしてないから、出そうにも出せないのか。
「お客様の検査を以てこれに替えます」などと、バカなことをいう売主も。
客の検査は客の検査だ。
売主としての検査もせずに買主に引渡しをするというのか。
□ 社内検査記録の提出を強く要求した結果、渋々出してきたものも、内容
を見ると傷とか汚れとか誰でもわかるような項目ばかり。
基本的に重要な機能面や安全面のチェックが、ほとんど為されていない。
トイレや洗面室の扉のアンダーカット(換気の為の空気の取入口)が全く無
かったり、引込戸やサッシュの指詰め防止のための引残しが、配慮されてい
なかったり。
□ 問題点を指摘すると、「設計図通りです」「パンフレット通りです」と
開き直る。
設計図は完璧ではない、というより問題を多く含んでいるのが現実。
非常に厳しいスケジュールで作成せざるを得ない。従って問題点を着工後
に改善・解決する必要がある。施工者としても設計図上の技術的問題に気付
けば、それを指摘し改善の提案をすることも求められているはず。
□ 販売パンフレットもしかり。販売日から逆算した厳しい日程で作成する。
設計図の技術的検討が十分になされないまま、印刷されてしまうことも。
そしてそれがバイブルとなる。販売パンフレットと実際とが相違することは
許されない(と思い込む)。不都合な点が発見されれば修正されるべきなの
に、パンフレットと違うと言われるのを恐れてなのか、或いは煩わしい変更
手続きを嫌ってなのか、そのまま進めてしまうことも。
変更理由を購入者に説明し、了解を得ればいいはずなのですが。
□ 上階からの騒音の影響を調べようとすると、かたくなに拒否する。
遮音性能に自信がないのか。床スラブ厚が20?だから大丈夫ですと言う。
そんなことはない。30?厚のマンションでも実験したら聞こえました。
音は必ず聞こえるもの。積極的に居住者に実情を認識させるべきだ。
そのうえで居住者がお互いに配慮して生活すべきなのではないだろうか?
売主がどうしても応じないので、上階の購入者に直接話してお互いに音を出
し合って影響を確認し合いました。
「かなり聞こえますね、お互いに注意しましょう、やってよかった」と先方
も喜んでくれました。
□ 遮音上重要な隣戸間戸界壁に、なんとGL工法を採用してしまっている。
遮音性能が著しく低下する事が20年以上前から判っているのに、未だにこ
んなことを! 壁を改修してもらった結果、安心できる程度になりました。
□ 水栓から水を出そうとすると、「水は出ません」と平気な顔で言う。
最も重要な水が出なくては検査にならない。
前日までに「当日水は出ますね」と書面での確認に対し、「出ます」と回答
しておきながらこのような体たらく。
内覧会検査日に水が出ないようでは、まともな社内検査をしていないという
ことではないか。
□ 売主の営業担当者の慇懃無礼な態度。事前の重要な約束を守らない。
質問したことにまともに答え(られ)ない。
咎めると、今度は上司が出てきて開き直り、喧嘩腰で口論。客を客とも思わ
ない。大手不動産会社です。
□ 立派すぎるパンフレットの物件ほど要注意。
ほとんどがいわゆる青田売りなので、パンフレットとモデルルームで勝負だ。
デザイナーズマンションなどと、外人デザイナーのかっこいい写真と買主を
くすぐるようなコメント。
内容のないマンションほど、問題のあるマンションほど、パンフレットに
金をかける。
購入者はムードに騙されないようにしなければならない。
□ 内覧会検査日を、直前になって1週間遅らせるという通知が来ました。
おかしいと思いすぐに行ってみると、現場はまさに戦場でした。
買主は入居が遅れてもやむを得ぬ、入居後問題の出ないように確実な工事
をやってもらいたいと、売主に更に2週間の時間を与えたがそれでも未完成。
最終的に契約より1ヶ月以上も遅れ、契約違反で解約したという最悪の事
例もありました。大手不動産会社です。
購入者の中には、水も出ない電気もつかないのを知らずに、当初の予定通
りに、引っ越して来てしまった人もいました。どうするんだろう。
□ 買主はどうして遠慮がちにものを言うのか。どうして怒らないのか?
一生で最大の買物だというのに。
売ってもらっているのではない、買ってやっているんだという態度で臨むべ
きでは?
□ 手放しで喜んで引渡しを受けた依頼主は、残念ながらほとんどありませ
んでした。
「内覧会検査」で指摘した項目の手直し完了確認を「再内覧会」と言います。
通常はこれで終わりですが、それでも終わらない場合は「再々内覧会」です。
なんと「再々々内覧会」までいって、未だに終わらない事例もあります。
「再々々々・・・」 どこまで続くやら・・・
□「不動産業界ってこんないい加減な業界だったのですか。」と、大手不動
産会社に対して、怒りを通り越してあきれていた買主もいらっしゃいました。
一般の商品と違って、「気に入らないから、欠陥があるから取り替えて」と
簡単に言えないところに、購入者の弱みがあるのではないでしょうか?
内覧会検査では遅すぎる。
今度買う時は(多分無いだろうけど)(宝くじにでも当ったら)最初から、
マンションを選ぶ時から相談しますよと。
こんどは一戸建てにしますよとも。
■ 総まとめの総まとめ
□ 総じてひどい状況でした。これは3月完成引渡しということに原因があ
ると思います。最初から工期に無理があったり、追い込みの時期に作業員不
足や製品納入遅れのため工程が遅れ、悪い仕上がり状態或いは間に合わない、
などということになってしまったものと思われます。
□ ずいぶんひどい状況ばかり書いたようですが、意図したものではありま
せん。もちろん中には良好なものもありました。ですからマンションは全て
こうだと思われては困ります。あくまでも私自身がこの時期に、体験した結
果のリポートです。
3月期完成引渡しとすることによる無理の結果が、殆どなのです。
□ よく結果が悪いと、手抜き工事だなどと言われますが、ほとんどが無理
な工期・予算その他の条件で、結果的に残念ながらそうなってしまったとい
うことであり、意図して手を抜いているものではありません。(例外はある
かもしれませんが)
厳しい状況の中で日夜頑張っておられる、多くの良心的な不動産会社及び
建設会社の皆さんのために、申し添えておきます。
□ あるマンション分譲会社が、3月期完成引渡しはやめて、年間を通じて
供給を平準化すると発表していましたが、とても良いことだと思います。
工期的に無理なく完成し、良好な品質が確保され、分譲価格も多少安くなる。
言うことありません。
□ 購入者が専門家に依頼する時期が遅すぎます。
内覧会検査に立会ってもらえばいいと考えておられるようですが、それでは
遅すぎるのです。効果半減です。この時点では既に仕上がっており、躯体
(コンクリート構造体)や設備配管などは確認できません。工事中に一度現
場を確認することが重要です。そのことにより売主・施工者側の今後の施工
や検査にも良い影響が出ます。
殆どのマンション購入者は、自分達だけで内覧会に出席されるでのしょう。
それからすれば、専門家に依頼しようと考えられた方は、かなり意識の高い
方々といえます。それだけに残念でなりません。
購入を決断したらすぐに依頼し、専門家を活用しましょう。もちろん購入
前から相談されることが理想ですが・・・
買う人が意識を変えないと、売る人の意識は変わりませんでしょう。
□ 内覧会立会検査を専門家に依頼した理由
新聞記事や本で、専門家に検査を依頼すべきという記事を読んだ。
親や知り合いからアドバイスされた。
ホームページでチェックリストを探していたら専門家に依頼すべきとあった。
インターネットの掲示板に書かれた、内覧会検査依頼の経験談を読んで。
3月期完成物件は危ないと聞いていたので。
不動産会社や施工会社に不安があったので。
内覧会当日出張で出席できないため。
□ 検査立会依頼申込時期 内覧会日の 最長30日前 最短なんと2日前
依頼主と私とのメールのやりとり 平均20通
検査所要時間 最短1時間半 最長5時間 平均3時間
■ 編集後記
ずいぶん長くなってしまいました。おつかれさまでした。
いかがでしたでしょうか?
「内覧会」の全容をつかんでいただきたく、個別のリポートの前に総まとめを
読んで頂きました。
依頼主の皆様によろこんでいただき、たいへんにやりがいを感じました。
この仕事(半分ボランティアですが)をやってよかったと思っています。
次号?5 5月24日(金)からは、いよいよ個別の内覧会検査リポートを
お届けして参ります。
お楽しみに。
■ マンション内覧会立会検査のご依頼は
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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
一級建築士 ・ マンション管理士
村上 健
eMail: kensan._@anet.ne.jp
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