語学・言語学

ローマから吹く風

ローマの日常コラムを読みながら、イタリア語の単語を無理なく覚えましょう!

全て表示する >

ローマから吹く風 79

2004/07/17

:その79:


ORFANI DEL PASSATO
(オルファニ・デル・パッサート/過去の遺児)

音声はこちら→

「古代ローマはほんとに偉大だね。2000年後のローマを食べさせているのだから」
と、あるイタリア人が言った。

博物館にこれでもか!とある遺品を見ると、本当にそう思う。

モニュメントとして塀で囲まれている遺物だけでなく、現代も日常に機能する街に、自分の発生から成長過程をすべて見せている街はそうたくさんないだろう。これはローマの大きな魅力の一つだ。

古代ローマから時代がどんどん下って、人が代わり、政治体制が代わり、新たな発見発明が加わり、いろいろ変化があったけれど、
ORFANI DEL PASSATO(オルファニ・デル・パッサート/過去の遺児)はしっかりと過去の経験を受け継いでいる。例えば、住まいの構造、つまり、住まいに対する考え方に、天地がひっくり返るほどの変化はない。
建築に使う意匠も古代ローマに使われていたものが、ルネッサンスの嵐を受けた後の今でも繰り返し見られる。
少なくも、その血を引いている事が見て取れる。
そこに古さはなく、深さがある。

たぶん、どの国のどの人も、営々と続いた過去からの経験を受け継いでいるのだ。
ローマほどそれがはっきり見えないので、意識する事はない。
無視しようと目をつぶっても、間違いなく体内に過去が宿っている。
人の成長も、蝶になってさなぎを脱ぎ捨ててしまう形ではなく、バームクーヘンのように毎日積み重ねて厚みを増して今がある。

過去の否定は今の否定。
過去に執着する必要はないけれど、過去を栄養に先を見据える事はできる。

ORFANI DEL PASSATO(オルファニ・デル・パッサート/過去の遺児) は、ORFANI(オルファニ)である事を悲しまず、PASSATO(パッサート)を心刺すものではなく、あたたかいものにしようと、前を向いて歩く。



:今日の言葉:
ORFANI DEL PASSATO

ORFANI は「遺児」「孤児」ORFANOの複数形です。「遺児」が女性ならORFANAです。
ORFANOは必ずしも両親ともになく、身寄りがない場合ではなく、片親が欠けた場合も使います。
例えば、私は母は健在ですが、父がすでにいませんので「SONO ORFANA DI MIO PADRE」なんて、よく言います。

DEL
はOFの意味のDIに定冠詞男性形のILがくっついた形です。
逆に言うと、DIの後に定冠詞が来たら、必ずこのくっついた形を使います。

PASSATO は「過去」「過ぎた事」です。PASSARE「通り過ぎる」と言う動詞の過去分詞です。

ORFANI DEL PASSATO
というのは、よく使う成句ではありませんので、そのおつもりで。
ちょっと詩的な表現ではあります。


:今日の写真:

ISOLA TIVERINA(ティベリーナ島)はローマを二分するテベレ河の真ん中にある洲です。
古代ローマには神殿が建てられ、その崩れた遺跡を土台に現代は「ファーテ・ベネ・フラテッリ」病院が建っています。

この病院の凸先の広場と両脇の河の広い岸辺を利用して、夏の夜に屋台や屋外映画、ディスコ、BARが設置されます。
入院患者に迷惑ではないのかなぁ、と思うのですが、毎年開催される所を見ると、文句は出ないのでしょう。

この夏は、例年に比べて長期バカンスに出かける人が少ないとかで、こんな市内の催しに多くの人が集まってました。
日頃、郊外の家の中で仕事をしているので、たまに人ごみに出ると、何をすると言うわけでもなく、人を見ているだけでも刺激的です。

一人一人、違う顔、思い思いの服装…
人ごみの中で背景のようになっている 一人一人に、それぞれの過去があり、それぞれの環境があり、それぞれの泣き笑いがあるんだ…と思いながらみていくと、ほんとにマン・ウォッチングは飽きません。


----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、『メルマ!』を利用して発行しています。

BBS BBS バックナンバー バックナンバー
メールアドレス(半角)
メールアドレス(半角)
ご利用規約 ⇒メールマガジン melma!

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-04-15  
最終発行日:  
発行周期:10日ごと  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。