語学・言語学

ローマから吹く風

ローマの日常コラムを読みながら、イタリア語の単語を無理なく覚えましょう!

全て表示する >

ローマから吹く風 78

2004/07/09


:その78:


ORA DI SILENZIO(オーラ・ディ・スィレンツィオ/静寂時間)

音声はこちら→

日本から来た人によく「やっぱりシェスタをするの?」と聞かれる事がよくある。
そう聞く人は、たいていニヤニヤしている。
『こっちはそんな暇ないよ』がにやにやの下に隠れている。
要するに優越感をちょっと感じてみたいわけね。忙しいのがいい事だと思いたいわけね。
で、残念ながら、「シェスタ」はスペイン語なのだ。その証拠に、イタリア人にシェスタって言っても、スペイン語を知らない人には通じない。

昼寝もしない。
普段は。

ただ夏になると事情が変わる。

ORA DI SILENZIO(オーラ・ディ・スィレンツィオ/静寂時間) が意識されるようになる。
特にキャンプ場などのリゾート地や、夏休みで子供が家にいて、お年寄りも同じ建物に住んでるコンドミニアムなどで意識される。

ORA DI SILENZIO(オーラ・ディ・スィレンツィオ/静寂時間) は習慣的に午後2時から4時まで。
午後1時に、「INASALATA DI RISO/お米のサラダ」「PASTA FREDDA/冷たいパスタ」「PROSCIUTTO E MELONE/生ハムとメロン」 なんていうあまりお腹に負担のかからない、さっぱりした昼食をとった後の2時間の食休みだ。
南イタリア出身の舅の後妻は、昼食後本当にベッドで横になる。
昔のイタリア映画を見ると、木製の日よけを閉め、ガラス窓は開け放して、ぴしっと麻のシーツを張った背の高いベッドで物憂げに横になる女、レースのカーテンが風でめくれあがる…なんて言うシーンがあるから、南イタリアでは「シェスタ」の習慣があるのだと思う。

お昼寝しないまでも夏のイタリア、特に中部から南はちょうどこの
ORA DI SILENZIO(オーラ・ディ・スィレンツィオ)はとても外にいられない。
紫外線がことさら強いのだろうか、太陽光線が照りつける中に10分いると体力が吸い取られでもするようにくたくたになる。

日よけを閉めて、あるいは庭に天涯を張って、あるいは木陰で、とにかく太陽光線から逃れる時間。
ORA DI SILENZIO(オーラ・ディ・スィレンツィオ)の間は遊び盛りの子供達も、親に静かにするようにたしなめられる。

南国イタリアらしい、夏のこの時間が好きだ。
テレビもCDもつけないで、外の気配を楽しむ。
照りつける音が聞こえそうなほどの太陽の強い光。道も窓枠も白く光り、くっきりと濃い影が模様をつける。
決まって時間が止まったような錯覚を受ける。
シンとした中、蝉の声だけが太陽の光と競い合う。

午後4時。
蝉が幼虫のからを抜けるように、日陰からはい出す。
まだ暑いけれど、太陽光線に体力を吸い取る力はもうない。
子供の遊ぶ声が聞こえ始め、近所からも活動の音がする。
そうすると、もう蝉の声も活動の音にまぎれてしまう



今日の言葉:
ORA DI SILENZIO

ORA「時間」。「時」の概念を示すのは「TEMPO」と言う言葉を使います。
「今何時?」
ORAの方を使って「CHE ORA E'(ケ・オーラ・エ?/単数)」「CHE ORE SONO?(ケ・オーレ・ソノ?/複数)」と言います。(どちらも全く同じ意味。いつでも、どちらも使えます)
ORA
は「今」の意味も持ってます。「CHE ORA E'(ケ・オーラ・エ?/単数)」は「今って何?」なんですね。

DI
は、もう何度も出てきました。英語の「of」です。

SILENZIO
「SILENCE」。学校の教室が騒がしい時に、「!!」付きで先生が叫ぶ言葉でもあります。
「SI」はあくまでも「スィ」なので「シ」と発音しないように。
デザイナーの(「オートレーサーの」でも)VALENTINOも日本では「バレンチノ」と言ってますが、こう言うとイタリアでは通じないので「ヴァレンティーノ」と言ってくださいね。

コラムに出て来た夏の風物「蝉」。ちなみイタリア語では「CICALA」と言います。
「チカーラ」です。チカラチカラ…力…
蝉の声を聞いて元気になりましょう!


:今日の写真:

ローマの中心街は舗装道路と建物で熱気がこもります。

昔、コロッセオにほど近い建物に住んでいました。
中心街の建物は、新しくても100年は経っていて、壁の幅が1メートル近くあります。
だから、湿度が低い事もあって、部屋に入って、日よけを閉めてしまうと、かなり外の熱気を避けられました。


日よけから外を覗こうとすると、巨大な発光物でもあるかのように目にツンとさしていたいほどでした。

そして、光が差し込まないように角度をつけてある日よけから外を覗くのは簡単ではなく、やっぱり外界と遮断されるのでした。

日よけは何度もペンキを塗り重ねた木製でつなぎ目も見えなくなっているほどでした。
窓枠の大理石版に前の住人が彫った「1954」と言う数字がありました。
高い天井にはムラノガラスのシャンデリアがあり、お向かいの修道院からお祈りの声が聞こえました。

私は一体いつのローマにいるのか、わからなくなったりするのでした。


 

----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、『メルマ!』を利用して発行しています。

BBS BBS バックナンバー バックナンバー
メールアドレス(半角)
メールアドレス(半角)
ご利用規約 ⇒メールマガジン melma!

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-04-15  
最終発行日:  
発行周期:10日ごと  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。