語学・言語学

ローマから吹く風

ローマの日常コラムを読みながら、イタリア語の単語を無理なく覚えましょう!

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ローマから吹く風  67

2004/04/05


:その67:


PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ/お年寄り)

音声はこちら→

春と言っても、朝晩はまだ肌寒い。
太陽が出て空気が緩む昼、
PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ/お年寄り)が外気に当たりに出てくる。

一人で歩くのは男性の
PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ/お年寄り)が多い。
女性の
PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ)は家でやる事がたくさんあるのだろう…と、舅夫婦を見ても想像できる。
子供が独立して夫婦二人。家が広くなって思う存分掃除、片付けができる…わけだ。

所在なげに一人でゆっくり歩く姿には哀愁を感じる。
マフラーをきちんと重ね合わせ、コートの襟を整え、帽子を一番いい角度に調整する…
何十年もやってきているので、体がその手順をすっかり覚えて、素早くできてしまうのを、家の出口の鏡の前で、ことさら丹念にやって時間稼ぎをしている姿が浮かんでくる。

イタリアでも国民の老齢化が進んでいる。
現在は65歳以上の人が、人口の15%、2010年には20%、2025年には25%になるそうだ。
日本では2025年に30%の予測だそうだから、ともに似た問題を抱える事になる。

イタリアでも日本でも盛んに年金制度の見直しがされていて、これ!と言った決めてがないのはどちらも同じ。
何しろ年金基金を負担する若い人が減る一方。払っても年金をもらえないのなら、払いたくない!と言う言い分もわかる。さらにイタリアでは失業率が高く、闇労働が多いのも、年金資金不足の要因になっている。
国には頼れないから、年金は自分で、と民間の保険会社などのそう言う商品が増えているのも、同じだ。
これなら、やみ労働をしていても、とにかく保険会社におさめれば年金として戻ってくる。

経済の体制が、社会の自然の流れにあわせてちょっとづつ変わっているのかもしれない。

医療が進み、予防医学も進み、体の健康に恵まれて老齢を迎える人がほとんどだ。
多少の故障があっても、それとうまく共存して行ける。

寿命が延びた分、「老人の生き甲斐」の問題もよく問われる。
家事に生き甲斐見いだす女性の
PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ)、所在なく散歩と近所の人とのおしゃべりと、たまに息子や孫に会う事だけを楽しみにする男性の PERSONA ANZIANA(ペルソーナ・アンツィアーナ)
ある意味、これは年金を100%もらえる、今現在
PERSONA ANZIANAである人の贅沢な「悩み」とも言える。

2025年の25%の中にはいる私としては、
年金に頼れないと思った方がいい。
すると、家事や散歩に時間をつぶすような贅沢はできない。健康に留意しつつ、無理なくできる経済行為を確立していかなくちゃな、と思うのだ。

この経済行為は必ずしも、金銭を媒介せず、物々交換だの、労働/労働交換だの、労働/物交換だの、知識/労働交換だの、知識/物交換だの…ということもあるんじゃないかと、漠然と考えているこのごろ。
25%に入る前に、結論が出るだろうか…?


マフラーをきちんと整えたこの
PERSONA ANZIANAは、この後、どこへ行ったのだろう?



:今日の言葉:
PERSONA ANZIANA

PERSONAは人。心理学で使われる「ペルソナ」です。人格の意味だけではなく、物理的な「人」にも使うので、例えばレストランの予約などで「何人ですか?」は「QUANTE PERSONE?」と聞かれます。
この単語は女性形のみで、格当人物が男性でも女性形を使います。

ANZIANA
は老年「古い」と言う意味の「VECCHIO」という単語もありますが、この単語を「年寄り」の意味で使うと、やや失礼にあたります。面と向かっては言いません。若者が自分の両親を「うちのVECCHIが…」なんて、わざと乱暴な言い方をして、精神的に親から独立してる事を誇示したりします。



:今日の写真:

写真の場所はローマの中心、ベネツィア広場 にある「ウエディングケーキ」のあだ名を持つ「エマヌエレ二世記念館」の脇です。
ここからフォロ・ロマーノを脇に見ながら、フォリ・インペリアーレ通り がまっすぐコロッセオまで続いています。フォリ・インペリアーレ通りの中程には、ローマ帝国発祥から、地中海世界を領土にしていった大きな図版が掲げられているのを見た方は多いと思います。
「エマヌエレ二世記念館(無名戦士の墓)」もフォリ・インペリアーレ通りもムッソリーニのしわざです。
ムッソリーニの前までは、あの直線の道路はなくて、細い道路が入り組んだ民家の集まりでした。

古代ローマ帝国の威風を伝えるフォロ・ロマーノを脇に、まっすぐ進むとコロッセオがダダーーン♪と現れるフォリ・インペリアーリ通りは、それだけでイタリアの権威を伝える格好の宣伝だったと思います。

「エマヌエレ二世記念館」はムッソリーニの時代に喜ばれた新古典様式。ローマ帝国時代の様式を思い起こさせる、威風堂々とした建築です。
ただ、「ウエディングケーキ」とあだ名されるように、その白亜の大きな建物は、ルネッサンス様式に囲まれたベネツィア広場にとけ込まず、 威風は異風でもあります。

その唐突した様式と大きさのおかげで、初めてローマに来た時には、いい目印になりました。「エマヌエレ二世記念館」のてっぺんにある、馬車を駆る天使像の羽が遠くからでも見えるのです。





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創刊日:2002-04-15  
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