語学・言語学

ローマから吹く風

ローマの日常コラムを読みながら、イタリア語の単語を無理なく覚えましょう!

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ローマから吹く風 66

2004/03/22


:その66:


DONNA DI CASA(ドンナ・ディ・カーサ/家庭の女)

音声はこちら→

DONNA DI CASA(ドンナ・ディ・カーサ/家庭の女)、つまり主婦の事。
でも、
DONNA DI CASA(ドンナ・ディ・カーサ)と言うとき、「家庭の女」という言葉で浮かぶ慎ましい感じや「主婦」という言葉で浮かぶのほほんとした感じはない。

DONNA DI CASA(ドンナ・ディ・カーサ)の響きの中には、「家を守る!」確固とした感じがある。
DONNA DI CASA SONO(ドンナ・ディ・カーサ・ソーノ/私は家庭の女よと助動詞を最後に持ってくるシチリア風の言い方をして、低めの声で重々しく言うとますます確固とした感じが強調される。家をほめたり、料理をほめたりすると、照れ隠しにDONNA DI CASA SONO(ドンナ・ディ・カーサ・ソーノ)と言って笑う場面がよくあるのだ。
南下するほどに、
DONNA DI CASA(ドンナ・ディ・カーサ)であることに誇りが厚みを増す。

「今朝は朝5時起きして掃除してきたわ。(ひえ〜!と私)ずっとちゃんとできなかったから。子供が汚すのはかまわないのよ。でも、清潔にしておいてあげないとね」 と、かつて、出勤するなり同僚が言った。
もちろん、長い事掃除をしなかったわけじゃない。彼女が言うのは、例えば、ソファを移動し、棚のものを移動して、徹底的に掃除する事だ。
「土曜の夜はいつもアイロンをかける事にしてるの」と、友達の家に夕食によばれた時、アイロン台から顔を上げて言った。彼女は会計士の仕事をしてる。
私だったら、誰かを招待したら、アイロン掛けはあきらめて、食卓の支度をしておくな…と、ちょっと違和感を持った。

同僚にしても、会計士の彼女にしても、DONNA DI CASAであることをことさらに強調したかった気がする。

昔はイタリアも女性の社会的な権利は何もなかった。
でも、実際に社会の最小単位である家庭のすべてを把握し、切り盛りしたのは
DONNA DI CASAだった。
今、DONNA DI CASA達は、社会に出て仕事をし、子供を育て、家を磨きたて、料理を作り、年がら年中てきぱきてきぱき働く。家の重要な決定事の最終決定は彼女達のものだ。声高に決定するにしても、夫をだましだまし操縦するにしても。

ご近所や友人や親類のDONNA DI CASA達を見ていると、DONNA DI CASAである事に誇りを持っている。
私がイタリアに住むようになった理由の一つに、日本で見えない規則に縛られている事、見えない規則がある事すら気がつかなかった事、をイタリアで気がついた、というのがある。
DONNA DI CASA
達を見ていると、イタリアの女にとってDONNA DI CASAが、「見えない規則」になっているのではないか、と最近気がついた。
イタリアの女達は「DONNA DI CASA」であるかどうか、戦々恐々としてるようだ。
長い事、社会的地位を許されず、
DONNA DI CASAである事だけが、女の価値を決めていた事を引きづっているのではないだろうか。 そしてイタリアの女達はその価値を認められないで存在する事に我慢ならなかったのだ。



:今日の言葉:
DONNA DI CASA

DONNAは女。
DI
はof。
CASA
は家。物理的な家も家庭も示します。特に人を強調したいときはFAMIGLIA/ファミリアを使います。

UOMO DI CASA(家庭の男)と言う言い方は冗談以外に聞きません。


:今日の写真:
写真のDONNA DI CASAは、友達のロセッラです。旦那の仕事を手伝って店番をし、家庭を切り盛りして、食事を作り、家を清潔に保ち、最近、彼女のデザインで家を改装しました。

そして、昨年一人娘のマルティーナが18歳になりました。
イタリアは18歳で成人になります。
市主催の成人式って言うのはないので、だいたい18歳が自分でパーティーを主催します(費用は親)。

マルティーナはフォーマルなパーティにしたい、と場所を選び、ドレスを選び、招待状にも「フォーマルな装いでおいで下さい」と記入し、雇ったDJに選曲リストを渡し、はっきりと意志を持ってパーティを主催しました。
もう一つ特筆すべきは、友達だけを招待する18歳が 多い中、マルティーナはおばあちゃんやおじさんおばさんまで、「オトナ」も招待したこと。
クライマックスにはパパとダンスを披露して(途中からママも加わって三人で踊った)、親を煙たがる年ながら、ちゃんと受け入れている姿は見てて気持ちがいいものです。

そのビデオを見せてもらって、 おむつの頃から知っている私としては、感慨無量。
15、6歳から花が開くように、清潔感を持って美しくなって行ったマルティーナ。まさにビーナスの誕生を見るようでした。
このパーティで、自分の意志と母譲りのセンス を披露して、こんな娘に育てたロセッラにも、大いに敬服。

ちなみマルティーナは古典高校の3年生。ギリシャ語ラテン語でいい成績を取っているのも両親の自慢です。 そんな風に娘を自慢する親に育った友達を見るのも楽しい経験です。




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