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21世紀の教育、どうすればいいのだろうか。「わたらせ教育フォーラム」(教育・子育て・生涯学習をテーマに、北関東の渡良瀬川流域で活動する市民グループ)の有志が発信する提言&ひとりごと。



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最終発行日:
2009-06-10
発行部数:
49
総発行部数:
8326
創刊日:
2002-03-17
発行周期:
10日毎
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第257号 国語教育の変遷

発行日: 06/10

====================================
第257号(最終号)
                     教┃育┃あ┃れ┃こ┃れ┃ 
            ━┛━┛━┛━┛━┛━┛           

              ●国語教育の変遷●

               長友 誠(元教師)
                          
                                                       2009年6月10日
==================================== 
  前回英語教育について書いたが、今回書く国語教育(日本語教育)も英語教育も言語
教育である。しかし目指しているものは相当違っている。それは自国語教育と外国語教
育の違いなのだ。

 前回書いたように、英語の授業は知的訓練の場か、実用英語を教える場かとの論争が
あったが、時代の流れに逆らえず、今では、英語は実用英語、つまりコミュニケーショ
ンの道具として定着した感がある。

 高等学習指導要領の外国語科の目標でその流れを見ると、平成10年度告示のものに初
めてコミュニケーションという言葉が登場し、「外国語で積極的にコミュニケーション
を図ろうとする態度を育てる」と書かれている。平成21年度告示のものには、それに
「コミュニケーション能力を養う」が加えられた。

 国語(日本語)も当然コミュニケーションの手段だが、外国語と違って日本語を使っ
て思考しているわけだから、知識を獲得し論理を身につける国語の役割は非常に大き
い。更に詩歌、文学などから感性、情緒が形作られ、勇気、誠実、愛などの形となって
現われる。

 こういうところから、国語教育の目標は、英語教育と違って複雑である。その目標が
どう変遷してきたかをこの30年間の高校学習指導要領の変遷から眺めてみると、少しず
つ変化してきているのがわかる。それは国語力の捉え方が変化してきたためであろう。

●昭和53年度告示
 国語を的確に理解し適切に表現する能力を身につけさせるとともに,言語文化に対す
る関心を深め,言語感覚を豊かにし,国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。

 この目標は主に「理解」と「表現」であった。これは言語4技能の「聞く、読む」と
「話す、書く」に主眼を置いたものである。

● 平成元年度告示
 上の内容に「思考力を伸ばし心情を豊かにし」が加わった。

 ここでは国語力は表面的なコミュニケーションの能力だけではなく、言葉を通じて
「考える力」と「感じる力」をつけることが大事だと言っているのだろう。5年前の文
化審議会で「これからの時代に求められる国語力について」の答申がなされた。その中
で「国語力の中核をなす領域」として「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す
力」の4つを挙げているが、それは上記の変化と符合している。

●平成10年度告示
 上の「思考力を伸ばし心情を豊かにし」の前に「伝え合う力を高めるとともに」が加
わった。

 ここでは、心に響く深い意味でのコミュニケーションが大事だと言っているのだろ
う。英語科の目標にも、平成10年度に「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態
度の育成を図り」が新たに入ってきた。ことばは伝え合う力、換言すれば深い意味のコ
ミュニケーションが大切だという言語観が表面化してきたのだろう。 

 昭和53年度以降に、表現に重点を置く「国語表現」が新設され、昭和53年度、平成元
年度には「表現する能力を高める」という表現だったが、国語科全体の目標と同じく平成10年度以降は「伝え合う力を高める」が加わった。

●平成21年度告示
 平成元年度、10年度の「思考力を伸ばし」が「思考力や想像力を伸ばし」に変わっ
た。これは、ただ考えるだけではダメで、経験していない事も推し量り、人の言外の思
いを察する想像力が国語力で大事なものだと言っている。

 上の「●平成元年度告示」のところで、「国語力の中核をなす領域」として「考える
力」「感じる力」「想像する力」「表す力」の4つを挙げたが、この4つの中に「想像
する力」が入っていることと符合する。

 読解に重点を置く学科「現代文」が昭和53年度に新設された。そのときの国語科の目
標に「近代以降の優れた文章や作品を読解し鑑賞する能力を高め」とあるが、平成10年
からは「近代以降の様々な---」に変わっている。これは「名作」にこだわるなというこ
とであろうか。

 平成元年度以降は「進んで表現し」という文言が入っている。表現に力を入れようと
いうことは英語でも言われている。読解はただ読むだけではない。書くこと聞くこと話
すことを忘れるなということだろう。

 学習指導要領が変わるということは教科書も当然変わってくる。4技能を発達させる
工夫もなされている。名作ならぬ「さまざまな文章や作品」を取り上げているのだろ
う。

 オバマ大統領の演説は内容もそうだが話し方が素晴らしい。これはスピーチを大事に
しているアメリカの学校教育に負うところが多いと思う。ほぼ単一民族の日本でも、も
っと発話の時間が国語授業の中に、あるいは国語授業外にあってもいいのではないだろ
うか。

* 筆者の都合で、本号を持ちまして廃刊といたします。長い間のご購読、ありがとう
ございました

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