建築

建築所感

世界のあちこちで見てきた建築を勝手に書きつづります。第一回はビルバオグッゲンハイム。ネタのある限り続けます。

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建築所感33<如庵>

2002/11/17

建築所感33<如庵>

名称:如庵
場所:愛知県犬山市御門先1
(名鉄犬山ホテル内、有楽苑)
設計:織田有楽
建設年代:1618年
 ただし明治以降に何度か移築されている。
用途:茶室


この前のお茶会で見た和服の似合う女の子に
”こんどさあ、如庵っていうコクホーの茶室の特別拝観あんだけど
行かない〜?”と期待を大いに込めて誘ったが返事が来なかった。
あーあ、んなもんだよなあ。
落胆はしたけど茶室はどおしても見たかったので
見にいってきた。
かつて建築バカと言われたことがあるが否めない。
場所は愛知県の犬山市。
前にメルマガにも書いた利休の待庵と並んで国宝指定の茶室だ。

ウチから犬山までは名鉄という電車一本で行ける。
如庵は毎年春と秋に特別に公開されていて、
それを逃すとなかなか見ることが出来ない茶室だ。
そんなにもったいぶらなくてもいいのに、と思うが
小さな茶室のことだ、仕方ないのかもしれない。
今までも当然見に行きたいと思ってい、
公開のその時になってチャンスを何度も落としてきた。
今度こそ、という意気込みが自分の中にあった。

開館時間は朝の9時半から4時までとなっている。
どうせ見るなら朝の光で見てみたいと思った。
今日は日曜日。
朝8時の電車はかなり空いていた。
朝っぱらから茶室見に行く人なんて
いないだろー、と考えていた。

電車を降りる。
駅の人に如庵の方向を尋ね、犬山ホテルというところに
向かう。そこの敷地内にあるようだ。駅から歩いて
5、6分といったところだろうか、目的のホテルはあった。

受付で入場料を払う。
お茶付きで1900円。
ここに来るまでは高いなあと思っていたのだが、
払う段になって気にしなくなった。興奮しているのか?
靴を草履に変えるように言われる。
足袋を履いているでもなし、靴下で草履とはきびしかったが
そんなことはおかまいなしのようだ。
さらに歩きにくい砂利道を通って茶室の方へ進む。

木造のすぐにでも燃えそうな門をくぐると案内の人がいた。
中で待つように言われる。
すると6畳くらいの部屋に人がびっしり入っていて
びっくりする。
なんだこりゃ。
どうやら皆、待たされているらしい。
朝一番だから人は少ないだろうというもくろみは
見事に崩れた。
一緒に自分も静かに待つ。

しばらくするそこに人が入ってきて説明をはじめた。
聞いていると自分たちが今いる場所も重要な建物で
まわりの襖絵はかなり古くて普段は見せていないものらしい。
しかし人がスシ詰め状態の中で説明をされても
思ったようにそちらを向くことも出来ないものである。
襖絵よりも建物のつくりが気になるところであったが
顔をむければそこにも顔があるといった次第であるので
下を向いてじーっと待つ。
ようやく説明も終わり、何人かに別れて茶室内部に案内される
ことになった。

水屋の方をくぐって茶室に入る。
茶道口から入った訳である。
目の前はすぐに手前畳、
炉は今日は畳で伏せられていた。
2畳半台目という小さな茶室だ。
ちなみに2畳半台目とは畳が2枚半と
台目畳という、半畳と1畳の中間の大きさの畳が組み合わさった
大きさのことを言う。
たいして広くないはずなのだが、
その時そこには5人の人がい、
それでも余裕を感じるくらいの広さであった。

いろいろと特徴のある茶室だ。
茶室の本を読めばいろんな事がくわしく書いてあると思うけど。
壁は土塗り壁だけど下の方にこよみが貼ってある。
下の方に貼ってあるのは壁に触れても土が落ちない配慮だと思うけど
そこがこよみになってるのが面白い。
茶事や話がつまんなかったらそのこよみを見て話題にしようと考えた・・・
訳じゃないだろな。

小さく斜の壁が一枚ある。
そのすぐ下の部分は三角形になっていて板がはめ込まれている。
茶事の時にお客さんへ給仕がしやすいようにそのように
したと言われている。
日本建築は平面上だと基本的にたてとよこの線で出来ていると思うのだけど
この斜の壁はやはり意表を付くものだ。
言われた通りの効果があるのかどうかはわからなかったけど、
どうして斜なんだろうと考えさせられるものではあった。

有楽窓と言われる窓がある。
障子の外側に竹の縦格子があるのだけど、
その格子の間隔をなくすように竹が取り付けられている。
障子に映るその影は細い線がいくつにもうつろうようで
面白い。名前がわざわざ取り付けられるのもわかるような気がする。

窓がたくさんあった。
さっきの有楽窓をあわせて合計6枚。
特に天井の窓が効果的で
日が出ているか雲に隠れているかで
部屋の明るさがみごとに違う。
ふつうのトップライトよりその事が強く意識されるのは
天井の高さにもあるのかもしれない。
メジャーで測った訳ではないけれど、自分の身長で比べてみて
おそらく6尺、つまり約180センチ。
かなり低い訳だけど床に座れば違和感を覚えない高さである。

まだまだじっくり見ていたかったが、後にも沢山の人がいるようで
入れ代わるように諭された。
まあ、国宝クラスの茶室だ。
中に入れたのだけでも良かったのかもしれない。
待庵なんて外から覗くことしか許されなかったし。

外に出たら、入ってきた時よりもさらに人が増えていて、
待合室におさまりきれなくなっていた。
やはり朝一は正解だったかもしれない。
日はまだ登ろうとしていた。
人は小さな茶室目ざしてざわめきながらも
光はどこまでもおだやかだった。
よくわからないのだが満足することが出来、
帰りの電車の中ではぐっすり眠ってしまった。
これから桑田のドームライブ、行ってきまーす。




             02.11.17  竹中アシュ

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:ときどき  
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