建築

建築所感

世界のあちこちで見てきた建築を勝手に書きつづります。第一回はビルバオグッゲンハイム。ネタのある限り続けます。

全て表示する >

建築所感31<OASIS21>

2002/10/13

建築所感31<OASIS21>

名称:OASIS21
場所:名古屋市東区栄
設計:大林組だったと思う。
建設年代:2日前にできた。
用途:公園、テナント、バスターミナル

最近建物見に行ってないなーと思っていた。
どっか行きたい遠くに行きたい誰も知らないとこに行きたい.
でも日常の生活はそれをなかなか許してくれない。
というより勝手に自分でハードルを作ってしまって、
出かけないための理由を作り上げてしまっているのかもしれない。

行ってみたいところはすぐには行けなくて、
それはそれとして、どうにか耐えることとして、
近所にできた新しいものを見に行くことにした。
思えば名古屋に住んでるというのに名古屋の建物を
このメルマガでとりあげるのははじめてだ。

場所は名古屋の繁華街の中心である栄。
オープンしたばかりなんだけど
何度も近くを通っていたこともあり、外観や内容はおよそ知っていた。
巨大なだ円のガラス屋根が4本の脚で支えられている。
その屋根の上を水が流れるということで
どんな感じになるのかが楽しみだった。
1階部分はほとんどが公園。
地下部分には飲食販売などのテナントと広場。
広場の上をふきさらしにしてその上に先程のガラス屋根が浮いている。

今日は日曜日。
きっと沢山の人がいるんだろうなあと思っていたがその通りだった。
入場料がかからないし、街の中心で交通も便利なところだ。
ガラス屋根にはすでに水がはられていた。
上空から太陽の光がそそいで、
めらめらした影が柱や梁に浮んでいる。
思った通りというか、いい感じ。
これは実現したくてもなかなかできないものの1つだと思う。
トップライトはそれだけでも防水の問題が出て来る。
その上に水を張るとなれば輪をかけて
防水をしっかりしなくちゃならない。
ガラス1枚でできるものでもないので、
当然ガラスとガラスのつなぎ目が発生する。
そこをつなぎとめるのはゴム系のものになるけれど、
そのほとんどが紫外線に弱いものだ。年数がたてば当然劣化する。
そしてこれらのものを作り上げるにはものすごい費用がかかる。
大きくなればなるほど、費用がかかる。

あちこちで人が行列を作ってる。
一番長かったのはおそらくそのガラス屋根への登り口だったと思う。
それに負けないくらい長かったのがテナントのひとつのポケモンセンターであった。
名古屋ではじめてのポケモンセンターとのこと。
子供も列んでいるけど、大人の方が多い。
みんなものわかりがいいんだろな、なんて考えてしまう。

ガラスの建物って増えてるよなあと思う。
鉄やコンクリートの構造体よりも
その表皮であるガラスを主役にしたような建物。
だ円も増えてるよなあと思う。
これだけ増えてくると、次は何が来るのだろうと思う。
ガラスは青だから次は赤かなあと。
すると焼き物?
だ円の丸さから、というより形から解放されることってあるかな。
何を求めて建築は出来ていくんだろう。

少し離れたところで昼ごはんにした。
窓からはひと昔前の主役、名古屋のテレビ塔と今見て来たオアシス21、
そしてセントラルパークにできあがったブルーシートのテント村が見える。
テレビ塔は電波塔だけど展望台の機能もある。
名古屋の街案内図には必ず載ってる。
今までは街のシンボルとしてけっこう主役だったと思うんだけど、
完全にその座をオアシス21にうばわれたみたいで、なんだかはかない。
いちおう電波塔としての役目がまだあるからかろうじて建っているみたいに見える。
再生が考えられていない、そんな感じ。
セントラルパークはそのテレビ塔を中心として栄を貫く公園だ。
テント村はとてもたよりなげだけど、
そこで確実に生きている人がいる。
公共の場に勝手に陣取って生活してるのはルール違反だと思うけど、
彼らは他に行くところ、帰るところがないのだと思う。
その向こうにオアシス21、そこに多くの人とポケモン。
なんとも不安定な景色だ。

何か重要なところが見えていないような気がする。
まだ日本は余裕があるのだろうか。
あるいは危機感、バランス感覚の完全な欠落。

オアシス21の水はいつまで流れ続けるんだろう。
都市における問題は急いで解決しなければならないことと
時間をかけて解決しなければならないことがあると思う。
その中で建築は有効な手段になり得るはずである。
ガラスではない透明性が都市にさらに求められると思う。


                   02.10.13   竹中アシュ

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:ときどき  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。