建築

建築所感

世界のあちこちで見てきた建築を勝手に書きつづります。第一回はビルバオグッゲンハイム。ネタのある限り続けます。

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建築所感002<せんだいメディアテーク>

2002/02/13

建築所感002<せんだいメディアテーク>

これを見に行ったのは去年の10月だ。
私はその頃熊本に住んでいたがそれを見るために仙台まで行っちゃったのだ。
行く価値?
おいらはありありだと思うけどね。

この建物を設計した伊東豊雄さんはとある群馬の美術館のコンペの審査員長だった。
おいらもそのコンペに応募したんだけど、それまで伊東さんの建物ってあまり
よく見たことなかったんだ。八代の美術館や消防署は見たけどね。(カッコ良かった)
でもさ、なんつうか、その話題作”せんだいメディアテーク”を見る必要があると
思ったんだ。今の伊東豊雄を知るには見なくちゃいけないって。
審査員のことを知るのはコンペのセオリーでもあるしね。
んで行っちゃった。
遠かったよー。
カネないからさ、夜行バスとか使ったりして。

正直なところ、あまり予備知識なしで行った。
つうか、その頃住んでた熊本の牛深ってとこは本屋が1軒しかなくってさ。
新建築とか建築文化とか、そんなのないない。
たまに都会に出た時に本屋で立ち読みしまくりで情報仕入れてた。
現場の時はすでに話題になってたもんね。
構造設計専門の人にきいても”ありゃあすごいよ”なんて返事帰ってくるしさ。
そんなこんなで断片的なんだけど、どうもすごそうだなーって感じがしてた。

仙台に着いたのは夜で、その日はユースホステルに泊った。
使ったことある人ならわかると思うけど、ユースっていうのはほとんどが
他人と同室だ。その日は偶然にもメディアテークを見てきたという建築の学生さんと
同室であった。

おいらは、なんつうか、明日の予備知識と思っていろいろ聞いたんだけど、
どうもあんまり面白くはなかったようだ。
まあ、単純っていえば単純な建物だもんな。スラブと海草みたいなのとガラスだけの
たてもんっていえばそれまでだろうし。
まあ、いろんな見方があるんだろうなあと思って彼の話を聞いてその日は終わった。

翌日。
ユースから歩いてメディアテークに向かう。
昨日の彼の話が気になる。あんまり面白くないんかなあ?
そうこうして道にかなり迷いながらもどうにか屋上部分がたてものごしに
見えてきた。おーあれだよあれ。
京都でオリジンの赤い頭を見つけた時の感覚に似ていた。
迷っている時、さがしものが見つかるとうれしいものだ。
わくわくしながら建物の方に近付いていった。
んで正面まで来たのさ。
”おー”というのが感想。
あんまり近付いても全体がわかんないのでケヤキ通りの外まで行く。
誰かが”ガラスのトーフのような”って表現していたのがよくわかる。
透明で、どことなくゆらゆらしてる。

外まわり全体を先にまわった。
四角な建物なんだけど4面がそれぞれ表情が全く違うことがそこで
わかった。この時に”これは単純な建物ではないな”と思った。
ダブルスキンとされているのは主に正面で、他の面は違う作法で建物を
解いている。感じるのは繊細さである。
内部の鉄骨は主に造船の技術で作られたということなのだが、そこから
想像される強大な力強さをみごとにカイタイしている。
スレンダーな力。これはただもんじゃあないよ。

ここで思ったのさ。
ビルバオはガウディと比較できたけど、このメディアテークは
何かと比較できる建物じゃないって。
そりゃあさ、ミースの建物のように鉄とガラスであるとか、あるいはコルの
ドミノの応用とか言えるのかもしれないけど、そんなもんじゃないって。

内部は確かに外部から想像できるものなんだけど、
1階のロビーからしてカッコいいんだよこれが。
まあ、本物見るっきゃないね。
そこにたたずんでいる人だって、サマになっちゃうのよ。
なんていうか、誰でも写真におさまるって感じ。
床のカコウ岩もとても繊細なものに見えたんだけど、どうしてだろう?

エレベーターや階段であちこち移動。
そのうちシステムにもすさまじいものを感じるようになった。
というか、人だよ。
確か境界をなくすっていうのがコンセプトにもあったと思うんだけど、
まさにそれ。あいまいなままつながってるというか、でもそれが気持ちいいというか。
目地や壁や継目や、建築さえも作りたくないっていう伊東さんの思いが
おいらにはわかったよ。

またここで働いている人も感じがいいんだ。
受付のカワイイ女の子に建築のことなんて質問しちゃったんだけど
(ナンパ じゃないぞ)(でも電話番号聞いておくべきだった・・・)
わざわざちゃんと調べてくれんのよ、しかも
ニコニコ顔で。おお、今までこんな施設あったか?
働いている人も、ここに来る人もイキイキしてるように見える。
全てじゃないかもしれないけど建築の力ってすごい。
というか御会いした事もないんだけど伊東豊雄さんの思いの深さに脱帽した。
帰り?GAのTOYOO ITOとDETAIL買っちゃったよ。

まあ、こんなに書くと、ちょっと浮かれてたんじゃないかって思われても仕方ない
んだけど、なんかヤル気が出たんだ。コンペ。
この人に手紙を出すつもりでやってみよう、って気になった。
もちろんこちらは匿名だけどね。
でもいいんだ、ひたすらやってみようって気になったよ。
結果はもうちょい先かな?

                 02.02.13  竹中アシュ

次回は天草の崎津の教会について勝手に書いてみたいと思います。



□私的訂正
・すいません、第1回の日付けは02.02.27だったんですが、
これは02.01.27の間違いです。
・名前が竹中アッシュから竹中アシュになっていますが
あんまり気にしないで下さい。


□今回の文章について
コンぺは、もう結果出ちゃいました。
おいらはみごとに落選。
すんんんんんんんんんんんげーくやしかった。
正直なところ、今でも後遺症、残ってます。
気合い入れてやったのはいいんだけど、
反動も大きかったよ。

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:ときどき  
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