文学

ほうれん草の記

ほうれん草、ゆであがりましたよ!みんなで楽しく食べましょう。世界の平和を守って。これは、私の小説です。

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どちゃらか夫婦日記

2004/09/10

   ほうれん草の記   どちゃらか夫婦日記
      第17回  おれたちの親のこと

 おれは9人兄弟の末っ子。お袋四十の恥かきっ子。
 そのおれが中学生のとき、親父が亡くなった。胃ガンだった。
 その後、長兄が商売をひきついでがんばってくれた。
 お袋は、長生きして、おれの息子の面倒をみてくれた。
(おれは離婚して、まだ赤子の息子と二人、父子家庭になっていたのだ)
 だが、まだ幼いこの孫を遺して、お袋は、糖尿病から心臓病を併発して、亡くなった。
 おれは、必死で嫁探しをした。
 何が何でも、息子の世話をしてくれる人を見つけなければ。
 嫁探しに狂奔して、失敗。
 ただ結婚というものをしてみたいだけで、おれのことも息子のことも愛そうとしない女と結婚してしまった。
 その後、一緒になった今の女房は、まあまぁか……掃除はしないし、病気にはなるし。
 でも、まあ、自分の子が産まれないせいか、おれの息子はかわいがってくれるし……。
 小説書きなど止めてほしいが、おれもゴルフを止められないので、おあいこか。
 ま、そういうわけで、女房はおれの両親のことは、知らない。
 悶着もないもので、彼女は、おれの母の形見の指輪を大事にしている。
 お袋は、おれの女運の悪いことを心配して、病気のときもそれが心配だったようだ。
 臨終のとき、自分の指から、親父にもらった結婚指輪を抜き取って、おれに渡した。
「これ、お前のお嫁さんになってくれる人に、あげてね。
おじいちゃんもわかってくれるよ」
 戦後の混乱期を、九人の子供をかかえ、一人も死なせず、立派に育てあげたお袋。
 親父の死語は、特に大変だったろう。
「義母様って、立派な方だったのね。あたし、お会いしたい」
と、女房は、無理難題を言う。

 現在、おれたちは、女房の母親が買ってくれた団地の住宅に住んでいる。
 自分の実家のすぐそばなので、女房は、しょっちゅう実家に行っていた。
 それが、義父が脳梗塞で倒れ、その後続いて義母がガンになったもので、自然の勢いで、女房が二人を介護するようになった。
 彼女には、遠方にいる姉と、近くにはいるが夫婦共働きをしている妹がいる。
 男兄弟は、いない。
 義姉も義妹もそれぞれできる範囲で、義父母のこと、良くしてくれた。
 義父母が亡くなった後の、遺産相続もうまくいった。
 そして、親の介護をしていたときの女房は、とてもはつらつと輝いて、魅力的だった。
 おれは、その彼女にほれなおしたのだが。

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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