文学

ほうれん草の記

ほうれん草、ゆであがりましたよ!みんなで楽しく食べましょう。世界の平和を守って。これは、私の小説です。

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どちゃらか夫婦日記

2004/09/03

    ほうれん草の記   どちゃらか夫婦日記
    第16回  夫にもこだわりがある

 いったいそれがなぜなのか、今もって私には分からないが、夫は、テーブルクロースが嫌いだ。
 家の家具調こたつに、私はレースのテーブルクロースを買ってきて、かけていたが、
「こんなもの!」と、夫が怒りくるう。
「なんでこんなものをするんだ!」
「こたつ板が汚れやすいのよ。
テーブルクロースをかけていれば、汚れたら洗えば良いし、取り替えるのも簡単だし。
こたつ板を取り替えるのは、簡単じゃないもん」
「そんなの。汚れたら、おれがきれいにするから、止めてくれよ」
 なんでこの人は、こんな何でもないものを嫌うのか?
 私が、汚れたのを捨てて、新しいのを買ってきたら、またも激怒する夫。
 泣く子と地頭には勝てぬ。
 しかたなく、テーブルクロースをかけるのを、止めた。

 台所の引き出しの中に入れておいた竹串が、いつも、すぐなくなってしまう。
 買ってくると、また、なくなる。
 どうやら夫の仕業らしい。
「こんなとがったもの、台所の床に落として、危険じゃないか。気をつけろ!」
 気に入らないものは、捨ててしまう。
「足に刺さったら、危険じゃないか。いったい、こんなもの、何に使っているんだ?」
「お芋が煮えているかどうか、竹串に刺して確かめるんです」
「箸ですれば良い」
「箸ではできません」
 夫に捨てられても、これは、煮物の具合がどうか調べたいので、また買ってくる。
 彼がまた台所を掃除しながら、怒る。
「何度言っても、直らないんだなぁ。こんな危険なものを」
 しかし、とがったものを危険と思うのは、もともとは、私の方だったのだ。
 針が怖い。寝ている間に、布団に刺さっている針に刺される。  
 それが血液に入って、身体中にまわり、心臓をブスッと刺す。
 死んでしまう。
 怖い!
 そんな私の恐怖症を嫌がって、
「針なんか、この辺に2,3本捨てておくぞ!」
と、彼は怒鳴っていたのだ。
 それが、なぜか、竹串のことになると、彼と私の考えることが逆転してしまう。
 私が今、竹串にこだわらなくなったのは、それだけ健康になったからなのだ。
 そして、聞くところによると、こういうこだわり(強迫障害)みたいなものは、20人に1人は持っているのだそうだ。
 私のは、ひどかった。
 今でも、外出するとき、ガス栓や、電気のスイッチが気になって、火事にならないかと何度も見回す。
 でも、これも、普通よりちょっとひどいだけなのかもしれない。

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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