文学

ほうれん草の記

ほうれん草、ゆであがりましたよ!みんなで楽しく食べましょう。世界の平和を守って。これは、私の小説です。

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どちゃらか夫婦日記

2004/05/30

      ほうれん草の記
    どちゃらか夫婦日記 第12回 フライパンとガステーブルはお友だち

 夫が台所で、鍋をみがいている。
 いつも私が鍋みがきなどしないので、掃除好きの夫がみがくのだ。
 私は、掃除などは、嫌い。
「おれが先に逝ったら、お母さんはどうするんだ。掃除もできないで。おれは先に死ねないよ」と、夫は言う。
「ちょっとちょっと、パパ、フライパンをそんなにごしごしこすらないで。フッ素加工が取れちゃうよ」と私は夫を制したが、
「汚い、汚い」と、夫はなおも言って、どんどんフライパンをごしごしする。
 私も、強くは言えない。
 自分が鍋をみがかないからこうなるので、夫に任せた以上は、強くは言えない。
 文句を言ったら、夫はやってくれなくなるだろう。

 しばらくたって、気が付いた。
 なんと問題のフライパンが、表面がでこぼこ、がさがさしている。
「あ、フッ素加工が取れちゃった」
 取れるとどうなるかは、知らなかった。これがフッ素加工が取れた状態か?
 夫は、黙っている。

 今度は、ガステーブルが壊れた。
 火の付く所が二つあるのだが、その左側の方が、火が付かない。
 点火装置が壊れたらしい。
「ねぇ、ねぇ、ガステーブルの火が付かないんだけれど」
 そこで、なんでもできる器用な彼の出番となる。
 彼がやったら、点火した。
「点火装置がぬれると、火が付かなくなるんだよ」
 しかし、私がやっても、点火しないのだ。
 マッチに火を付けてごとんとやったら、やけどしそうになった。
 今度は、マッチよりも長い竹串でごとんとやったら、上手に火が付けられた。
 そうだ。何も怖がることはないのだ。
 昔は、点火装置が自動ではなかったので、皆、こういう風に手動でやっていたのだ。
「ねぇ、ねぇ、うっかりこのままにして、器具栓を開いたままにして、火事になったら、どうしたらいい?」
「大丈夫だよ。元栓を閉めるようにすればいい」
 そして彼は、「買い物に行こう」と、私を誘う。
 私は、ガステーブルを買いに行くのかと思い、二人で近所の商店街へ出かけた。
「あら、そっちじゃないわよ。ホームセンターじゃなくて、電器店でしょ」
「ここの方がいろいろある」
 そして彼は、ぐんぐんとホームセンターのフライパン売り場に行く。
 ことここにおよんでも、私は、まだ、初めにフライパンを買い、次に電器店でガステーブルを買うのだろうと思っていた。
 さて、その売り場だが、なんとフッ素加工してあるフライパンばかり、どっさりある。
 なんで、この世の中、扱いの難しいものばかり満ちあふれているのか?
 それでいて、料理の本に書いてあるのは、全部、フッ素加工無しのフライパンを使って料理する調理方法ばかりなのだ。
「あ、フッ素加工のは、ダメよ。また同じ問題が起きるから」
「これは、どうだ?」
 手に取ると、重い。
「重いわねぇ」
 値段も高い。
 鉄のフライパンなのだ。
 重いのも、高いのも、我慢して、それを買って帰る。
 これで上手に料理できるようになるだろう。
 しかし、肝心のガステーブルは、どうなるのか?
「ちょっと、ちょっと、ガステーブルは?」
「あれは、いいだろ」
 なんと彼は自分の失敗したフライパンのことばかり考え、火の付かないガステーブルのことは、考えになかったのだ。

 しかし、これは正解だった。
 このガステーブル、新しいフライパンを乗せて、ごとんとやると、なんと上手に火が付くのだ。
 古い友だちは嫌、新しい立派なフライパンを乗せると、ガステーブルは喜んで燃えるのだ。
 これって、いったい何だろう? 私には、分からない。男女の仲かしら?

 
洋子のホームページ    http:///www.hpmix.com/home/yamabiki

太郎ちゃん日記 ぼく、ロボちゃんだもん    小城ゆり子(筆名)著
   http://www.boon-gate.com/  ここより検索してください。

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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