文学

ほうれん草の記

ほうれん草、ゆであがりましたよ!みんなで楽しく食べましょう。世界の平和を守って。これは、私の小説です。

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どちゃらか夫婦日記

2004/01/18

     ほうれん草の記     どちゃらか夫婦日記
 (3)コンピューターより古い

「あ、買い物に行くなら、暖房ミニ懐炉を買ってきてくれないか? 
 服に貼るのはいっぱいあるけれどね」
 と、夫が言う。
 あぁ、貼らないのがいいんだな、と私は思った。
 それに念を押して聞くと、また「また同じことを聞く!」と怒られそう。
 いつもそれで怒られているので、今回は黙っていようと決めた。
 で、スーパーで探してみたが、あるのは衣服に貼るタイプのものばかり。
 すごい捜し物をして、やっと一つ見つけた。
 あぁ、やっとあって良かったな、と楽しい気持ちで家に帰ると、夫が激怒。
「あぁぁ、貼るやつがいるんだよ。そう言ったじゃないか」
「違う。あなたの言い方では、誰だって、貼らないもののほうがほしいんだって思うわよ」
 そうなのだ。夫はいつも言葉が足りないのだ。
 なんでこういう言葉の足りない人が、役員や相談役になれたのか、かねてより私はふしぎでしょうがなかった。
「確かめて聞けば良かったじゃないか」
「だって、あなたはいつも私が二度聞くと怒るじゃないの。同じことを言うなって。
 これ、お店に返してきましょうか?」
「いいよ。使うから」
 夫はまだ怒っている。

 この後、クリームクレンザーがなくなっているのがわかった。私の買い忘れ。
「ごめんなさい。忘れちゃって」
「そうだろ、暖房ミニ懐炉のことだって、お母さんはいつもおかしいのだ。
 ボケているぞ」
 これは、夫の常套句。ほんとうに私がボケたら、こんなことしていられないじゃないか。
 「せきにんてんか」。家の中のことは、なんでも私が悪い。
 この文字をパソコンで打ち込んでいて、気がついた。
 家族の中で一番弱い立場にいるのが、嫁。家族はなんでも嫁の責任にする。
 ところが、「せきにんてんか」と打っても、嫁という字は出てこない。
 まず責任と打って、次に転嫁と打たないと文字が出ない。
 コンピューターでは、死語になった言葉を自動で打つことはできない。
 手動でしか打てない。
 死語になった言葉。
 うちの状況は、コンピューターよりも古い。やれやれ。

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創刊日:2002-01-27  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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