語学・言語学

【英文記事より】 (無料版)

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【英文記事より】 (無料版)

2004/01/24

 2004-01-24
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     【英文記事より】 (無料版)  〈No.95〉

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The New York Times       (2004-1-20)
http://www.nytimes.com/2004/01/20/arts/theater/20MAID.html

「文楽『ヒロシマの乙女』:被爆女性の渡米」
THEATER REVIEW | 'HIROSHIMA MAIDEN'
A Puppet Fantasy Evokes the True Aftermath of Hiroshima
By MARGO JEFFERSON
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■原文■
(1) These days ambitious theater works are often accompanied by extensive 
program notes. At their best they are small, valuable essays that prepare the 
mind and stir the senses. At their worst they are pompous little lectures that let 
us know we need educating to grasp the full complexity of what we are about to 
see.

(2) But theatergoers are very lucky to have the program notes that accompany 
"Hiroshima Maiden," Dan Hurlin's theater piece at St. Ann's Warehouse in 
Brooklyn through Feb. 1. The historian David Serlin, who wrote the notes, does 
better by the real horrors and ironies of this story than all of Mr. Hurlin's 
exquisite stagecraft.

(3) In 1955 a group of young Japanese women, disfigured from the bombing of 
Hiroshima and disdained by Japanese society, were brought to the United States 
for reconstructive surgery. The Japanese Methodist minister who helped arrange 
their journey was a guest on "This Is Your Life," the show that helped pioneer 
both shock biography and shock reality television. The host, Ralph Edwards, chose 
to "surprise" the minister by bringing him face to face with the co-pilot of the 
Enola Gay, the plane that dropped the nuclear bomb on Hiroshima.

(4) Using the techniques of Japan's Bunraku puppet theater, Mr. Hurlin 
concentrates on one young woman. He visualizes her flight as the bomb 
decimates the city, her isolation and self-loathing in the postwar years and her 
trip to the United States, where she and the other women were nicknamed the 
Hiroshima Maidens by a wildly curious public.

(5) Mr. Hurlin (who created and directed the work) also takes dramatic license to 
imagine that his maiden appeared on "This Is Your Life," too, and that at the 
show's end she came face to face with the pilot. Then, to dramatize America's 
willful naivete during those years, he contrasts the maiden's story with that of a 
sheltered, middle-class American boy. Sheltered yes, but tainted by the cold war 
paranoia of bomb drills in school and dire media warnings about the Soviet threat.

(6) Then there are the boy's private moments, which are dwelt on in loving detail 
and are tied to the larger events with labored metaphors. The boy's mother 
doesn't want him to look at bad things like car accidents. But he does, and 
eventually he looks at the bad things of history, too, on television.

(7) The boy's life and perceptions are much too trivial to matter here. If a writer 
wants to use a child's point of view to illuminate history, he must distance himself 
from the child. Mr. Hurlin is utterly wrapped up in his child's poignancy and 
sensitivity. But his prose is rhythmically monotonous and much too precious. Can 
the embarrassment of wetting one's pants in grade school possibly matter to us 
in this context?

(8) Worst of all, the boy's words are the only ones spoken in the entire 90 
minutes of a work that is, after all, titled "Hiroshima Maiden." Bunraku depended 
on skilled playwrights. These playwrights used both narrative and dialogue but the 
narrator (the tayu) held a privileged position. There is no dialogue here at all 
(except for a few striking moments borrowed from a television broadcast). And 
the tayu, Dawn Akemi Saito, is made to devote herself exclusively to the 
American boy. The Japanese, whose story she could also tell, are kept in utter 
silence.

(9) Can silence sometimes be more powerful than speech? It can, and here it is 
not. It is reductive, and exposes an ugly irony that I'm sure Mr. Hurlin did not 
intend. Once again the story of "the other," the foreigner, a story Americans 
badly need to hear, has become less important than our own homemade 
American story.

(10) There was so much historical material, including interviews with some of the 
Hiroshima Maidens, for Mr. Hurlin to draw on. He drew on so little. And the ending 
that he invents between the pilot and the maiden is infinitely less powerful -- but 
much more comforting -- than what actually happened.

(11) His puppets are beautifully made, as are the sets that he designed after 
studying Japanese art and architecture. One feels his love for the beauty of this 
theatrical form. And one feels nothing else. He has not made art from history. He 
has been trapped in technique and artsy imagery.
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■試訳■
(1) 最近、意欲的な演劇作品のプログラムには、しばしば広範囲の注釈がついてくる。最
も出来の良いときは、それは、心の準備をさせて意識を喚起する小さな貴重なエッセーで
ある。最悪のときは、それは、まさにこれから見ようとしているものについて、複雑さ全部を
理解するための教育が必要なのだ、と知らしめる尊大なちょっとした講義である。

(2) しかし、芝居好きは、大変幸運なことに、Dan Hurlinの演劇作品「広島の乙女」(ブ
ルックリンのセント・アンズ・ウェアハウスで、2月1日まで)の注釈つきプログラムを手に入れる
ことが出来る。注釈を書いた史学者David Serlin氏の方が、この物語の本物の恐怖と風
刺によって、Hurlin氏の精緻な演出構成のすべてよりも優れた仕事をしている。

(3) 1955年に、若い日本の女性たち(広島の爆撃で顔が変形し、日本社会から蔑視さ
れていた)のグループが、再建外科治療のためにアメリカに連れてこられた。彼らの渡航の
お膳立てを助けた日本人のメソジスト派の牧師が、テレビ番組「This Is Your Life」のゲス
トに呼ばれた。これは、先駆者が登場し伝記にもまた真実を映すテレビにも衝撃を与える
のに役立った番組だった。番組のホストRalph Edwardsは、牧師を広島に原爆を投下し
た飛行機エノラ・ゲイの副操縦士に直接会わせることで、「びっくり」させたかった。

(4) Hurlin氏は、日本の文楽の技法を用いて、一人の若い女性に焦点を当てる。彼は、
原爆が(空から)その街の人の多くに襲いかかる(ことを想起させる)ように、彼女の飛行機
の旅を視覚化し、戦後数年の彼女の孤独と自己嫌悪、それにアメリカ渡航(そこで彼女
ら女性たちは、猛々しく物見高い一般市民から広島の乙女とあだ名された。)をも、視覚
化している。

(5) 同作品を創作し演出したHurlin氏はまた、彼の乙女も「This Is Your Life」に出演
し、同番組の最後で彼女がそのパイロットと直接対面したことを想像させるために、芝居
上の飛躍も取り入れている。それから、当時の数年間にわたるアメリカの一徹な愚直さを
脚色するために、彼は、その乙女の話を、核シェルターで保護されている中流階級のアメ
リカ人少年の話と対比させる。彼は、確かに核シェルターで保護されているのだ。が、しか
し、学校での爆撃避難訓練という冷戦時代の偏執症とソ連の脅威についての極度のメ
ディアからの警告情報によって、毒されてもいるのだ。

(6) それから、少年のプライベートな時間がある。それは愛情を込めて詳しく描かれ、苦心
した喩えでそのより大きな出来事へ関連付けられる。その少年の母親は、彼が交通事故
のような悪い出来事を目にすることを望んでいない。しかし、彼は、目にするのだ。つい
に、彼は、歴史上の悪い出来事も、目にするのである、テレビによって。

(7) その少年の生活と感じ方は、あまりに瑣末過ぎて、ここで問題にはできない。作者が
歴史に光を当てるために子どもの視点を使いたければ、その子どもに距離をおかなければ
ならない。Hurlin氏は、彼の子どもの辛辣さと感受性に完全にはまり込んでいる。しかし、
彼のだらだらとした話は、リズム的に単調であまりに懲り過ぎている。小学校でお漏らしを
する恥ずかしさが、一体全体この文脈で我々に重要だろうか。

(8) 何より悪いことには、やはり「広島の乙女」と題されている90分の作品全体で、その少
年の言葉が話されるのが、そこだけだということだ。文楽は、腕のいい台本作家に依存し
ていた。この台本作家たちは、一人語りと対話の両方を使った。しかし、語り手(太夫)
は、特権的な地位を占めていた。ここには全く対話がない(テレビ放送から借りた印象的
な少しの瞬間を除いて)。Dawn Akemi Saitoという太夫は、もっぱらそのアメリカ人の少年
に心を砕くために作られている。日本人たちは、(太夫は彼らの話をすることも出来るのだ
が)全くの沈黙のままである。

(9) 沈黙が言葉を発するよりも力強くなる時もあるだろうか。それは、ありうる。しかしここで
は違う。沈黙は沈黙のままであり、Hurlin氏が、意図しなかった(と私は確信しているが)
醜い皮肉を晒している。もう一度、「もう一方の人」つまり外国人の話、言い換えるとアメ
リカ人が大いに聞く必要のある話が、我々自身による自家製のアメリカの話よりも重要で
はなくなってしまった。

(10) 広島の乙女のうち数人と行ったインタビューを含め、Hurlin氏の利用すべき歴史的な
素材はたくさんあった。彼は、極めて少量しか利用しなかった。彼がそのパイロットと乙女
の間に創作している結末は、実際に起こったことより果てしなく力強さに欠ける、だが、遥
かに慰めにはなる。

(11) 彼の人形は、彼が日本の美術と建築を勉強してデザインしたセットと同様に、見事
に作られている。この演劇形態の美に対する彼の愛情が感じられる。他には何も感じら
れない。彼は歴史から芸術を作ったのではない。彼は、技巧と芸術っぽく見える比喩的
表現の罠に嵌ったのだ。
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