政治・経済

福祉とまちづくりを語ろう!

身近な問題でも、よくわからない福祉や介護、それからまちづくり。施設の経営者として、また元村議会議員としての見地から日頃考えていることなどをお知らせし、皆さんと考えていきたいと思っています。

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福祉とまちづくりを語ろう! 「満州」から戦争を考える

2006/08/18


三上 直樹です。
8月15日敗戦記念の日に、小泉総理は最後の公約を果たすために、靖国神社を参拝し
ました。
これに対する私見はBlogに書きましたし、専門家の意見としては
高橋哲哉:http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200608150569.html
大前研一:http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/42/
をお読みいただければ、何が問題なのかを正しく理解していただけると思います。
これほどの暴挙にもかかわらず、退陣間際ということもあってか中韓からの反発は思いが
けず強くありませんが、次の総理が確定的である安倍晋三官房長官の今後の言動によっ
ては、今後も反日の火種となるのは間違いありません。
今回は、靖国問題と祖父の過去を通して、戦争責任やこの国のあり方について、踏み込
んでみたいと思います。

1906年生まれの祖父は、曾祖父との折り合いが悪く、長男として大農家の跡取りであり
ながら軍隊に入り憲兵となった後、ラストエンペラー溥儀の侍従武官長・工藤忠三郎氏
の縁戚であったのをつてに「満州国」に渡り、首都・新京(長春)の警察署長や国策会社の
役員を務めていたそうです。
軍人であった祖父には、「神国日本」は絶対のものであったようで、工藤氏ですら3月に
去ったというのに勝利を信じて新京にとどまり、敗戦記念日に京城(ソウル)にいたおかげ
で戦犯として拘束されずに済んだ幸運もあり、家族ともども津軽へ引き上げてくることが
できました。
引き上げに際しては、勲章や貴重品、タバコなどまでソ連兵に差し出して命からがら逃げ
てきたと直接祖父から聞きましたが、伯母から聞いたところでは、祖父は「五族共和」とい
う理想を実践していたのか地元の方々からも敬愛されて、新年には山ほどのお届け物で
あふれ、敗戦直後に周りの日本人が焼き討ちにあった際でも、その先頭に立った人物が
「このお宅には、お世話になった」と避けてくれたので難を逃れたのだと聞きました。
敗戦当時39歳の働き盛りではあったものの、理想を信じて渡った新天地での夢が破れ
たのがよほどショックだったのか、公職追放が解けた後も農業に精出すこともせず議員や
教育委員などの特別職を務めながら、1980年に74歳でこの世を去りました。

初孫であった私には、病気がちで年齢よりも老いて見えた祖父でしたが、他人にはない
威厳と教養を感じ、初孫として目をかけてもらった思い出もあり、いまだに追慕の念を抱
いています。
私にとっては大事な祖父ですし、理想国家を本当に実現したいと考えていたからこその
失意の戦後を過ごしたのだと思いますが、冷徹に考えれば中国の民を苦しめ、多くの兵
を異境の地に散華させた中枢にかかわっていた人物ということになります。
どれほど「満州」に対する思いが強かったかがうかがえるエピソードとして、両親が素直な
子にという思いで「直樹」と名づけたところ、「満州の二き三すけ」と言われた大立て者の
一人、星野直樹と同じであると喜んでいたと聞いたことがあります。
だからこそ、私の中にも「満州」のDNAがあるように思いますし、その立場から総括するな
らば、日本がアジアに対して犯した罪を反省するところからはじめなければならないと思
うのです。

ところで、安倍官房長官はご存じのとおり、元首相・岸信介の孫です。
岸元首相は、在満期間は1936〜9年と短いものの「二き三すけ」の一人として星野直樹
などと並び称された方であり、同じくA級戦犯として逮捕されながらも唯一起訴されずに
釈放された人物です。
戦後も自民党結成や日米安保改正で主役を演じ、退陣後も隠然とした影響力を持ち、
今なお血脈を通じて政界を支配している様は、まさに「昭和の妖怪」そのものですが、表
舞台に立ち続けられるということは慙愧やしょく罪の意識がないからだと思います。
そして、そのDNAが純粋培養されて引き継がれているからこそ、安倍官房長官は靖国へ
の参拝を行い、改憲や軍備への踏み込んだ発言を繰り返しているのだと思いますし、パ
フォーマンスと自己陶酔のためだけに参拝を行う小泉総理より、天性の確信犯としての
怖さを感じます。

おこがましい言い方をすれば、安倍官房長官と私は同種のDNAを受け継ぐ共通点があ
りますが、敗戦を境にさらに大きな舞台をめざした者と人生の舞台から降りた者からでは、
優性遺伝と劣性遺伝の違いが生じているのだと思います。
そればかりでなく、私は韓国の独立記念館を見学した際に、植民地支配とはこれほどむ
ごいことをするのかとショックを受けましたが、そういう経験をしたかしないかでも過去の
受け止め方は全く違ってきます。
その見地からも、立花隆の最新の論考は靖国神社の正体と海外からどう映っているかを
知るのに最適です。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/060817_sanpai/

総体としての戦争を抽象的に考えるのではなく、個々の琴線に響く形で受け止める機会
を持つことこそ、戦争に向き合うことになりますし、平和がきしみはじめている今こそ、必要
な作業だと思っています。

「三上 直樹、かく語りき」 http://mikami.cocolog-nifty.com/talk/
08.17 県美、前途多難な予感
08.15 小泉総理の暴挙に通底するもの
08.14 お盆にみちプロ
08.13 「日本沈没」のリアリティ
08.10 ふれあい館プールも使用中止
08.07 相馬ねぷたの戻りコ
08.07 「ジパング」と史実のはざま
08.03 初陣、堂々の市長賞!
08.01 村内運行で気を引き締める

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