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AC通信 No.709

2018/09/13

AC通信:No.709 Andy Chang (2018/9/12)
AC論説 No.709 米国史上最悪の選挙戦

中間選挙の投票まであと55日。今回の選挙は史上最悪の選挙戦となり
そうだ。国会は国政を討論すべき場所だが民主党はトランプ大統領の
人身攻撃で過半数を取るのを目指している。政治政策はそっちのけだ。
共和党はFBI/DOJのヒラリー選挙介入を暴くこと、オバマ政権の腐敗、
ワシントンの政治腐敗を主題としている。

オバマ元大統領までが応援に出てトランプ大統領を公開批判した。引
退した大統領が現職大統領を公開場面で批判することは有史以来、一
度もなかった。政策を批判するのではなくトランプの人格を批判した
のである。呆れたことにオバマはトランプの経済発展をおのれの功績
と言い、ベンガジ事件、オバマとヒラリーの失策を「ある陰謀」だっ
たと言って世間の顰蹙を買った。

メディアは反トランプだし国民はトランプが嫌いだ。民主党は今回の
選挙で国会過半数を取ればトランプを罷免する、インピーチだ、イン
ピーチと叫んでいる。つまり民主党の選挙目標はトランプ罷免だけで
ある。大統領罷免が選挙の目的とすれば国の政治はどうなるのか。

●民主党の反トランプ策略

民主党の策略は計画的なトランプ人身攻撃である。ヒラリーの選挙の
際はFBI/DOJの英国スパイが作ったスティール文書でトランプのロシ
ア癒着を宣伝し、トランプ就任後もマラー氏を特別検察官に任命して
ロシア癒着を調査した。この調査でFBI/DOJの選挙介入の証拠が出て
きてもマラー検察官はヒラリーの違法やFBI/DOJの選挙介入を調査し
ない。まことに不公平である。

今回の中間選挙も同じようにトランプ批判を次々と繰り出している。
ロシア癒着はいくら調査しても証拠がないので、トランプがポルノ女
優に口止め料を払ったと宣伝した。その次はワシントンポストの有名
記者ボブ・ウッドワードの「Fear」の出版でトランプのホワイトハウ
ス内部の混乱ぶりを暴露した。トランプは政治を知らない、小学校5
年生の知識程度しかないなどと有名記者が書いた。この本に名前が出
たトランプ側近はみな本のエピソードを否定した。

ウッドワード本の出版に続いてNYタイムスがホワイトハウスの高級
幹部の匿名投書を発表した。これはウッドワードの本より大きな打撃
を与えた。記事の内容よりホワイトハウス内部にモグラ(民主党側の
二重スパイ)が居るということで、モグラは誰かとホワイトハウスは
みんな疑心暗鬼にとらわれ、機密討論も会議もできなくなった。裏切
り者を探せ、幕僚をウソ発見器に掛けろと騒いでいる。メディアは裏
切者リストを作成し、副大統領から幕僚長、トランプの婿やメラニア
夫人までリストに挙げて煽り立てる記事を出した。おかげで今週のト
ランプの人気は6ポイント下落した。投票まであと55日、民主党の計
画的なトランプ人身攻撃で共和党側は危機感を募らせている。

●共和党の反撃

共和党側の反撃はこれからである。FBI/DOJの選挙介入、オバマ政権の
腐敗が主体である。FBIがカーター・ペイジをのロシアのスパイ嫌疑
を申請したFISA申請書をトランプ大統領が入手し、機密解除の手続き
を済ませて一般公開に踏み切るという。FISA申請書に署名したFBI/DOJ
の高級幹部の名前と申請理由を公開すれば民主党側にとって大打撃と
なるかもしれない。トランプ罷免陰謀の証拠である。

FBIが国会の情報調査委員会に(半年以上も遅らせて)提出したFBI/DOJ
幹部のメール交信記録から、ピーター・ストロークFBI幹部とリサ・
ページ法律顧問のメール交信にトランプ就任後の2017年もFBI/DOJの
幹部が「偽情報をメディアに流す計画」が二人のメール交信で明らか
になった。つまり(偽とわかっている)トランプのロシア癒着情報を
計画的にメディアに流し、メディアが報道したあとそれを理由にして
特別検察官の任命を要求した陰謀である。偽情報で大統領の罷免陰謀
は反逆罪である。

●両党の情勢判断

今回の選挙はトランプが主体、まことに醜悪な選挙合戦である。民主
党はトランプ憎悪を煽るため、ロシア癒着、女性問題、性格と能力批
判などで、大統領を罷免するという。共和党はFBI/DOJの選挙介入調
査でオバマ時代の民主党の腐敗、ワシントンの政治腐敗(Deep State)
を一掃するのが主体である。

オバマの選挙運動は逆効果になる。オバマは退任したあとシャドー・
ガバメントを作ると宣言したが、ベンガジ事件は既にオバマとヒラリ
ーの失策とわかっている。オバマ政権の腐敗が明らかになれば民主党
惨敗の可能性もある。

民主党にはトランプ憎悪の宣伝以外に政策はない。しかも民主党内部
が抱えている社会主義化、左傾化が党内分裂を招く恐れがある。今回
の候補者には若くて極端な社会主義者が数人いて、当選すれば民主党
は今よりもっと左傾化、共産化する。民主党が国会で多数派となった
らアメリカの左傾化は避けられない。

共和党の選挙主題はFBI/DOJの選挙介入を調査して政府の腐敗、つま
り闇の帝国(Deep State)を一掃することにある。オバマ時代のスキ
ャンダル、ヒラリーの違法調査など、国民の大半が期待している。

トランプは民主党が宣伝する無知でも無能でもなく外交や経済などで
目覚ましい業績を上げている。暴言や放言が国民の反感を買っている
ことが弱点だが国民がどこまで反トランプかはわからない。

民主党には反トランプ以外に目立った政策がない。共和党には政治腐
敗の摘発のほかに、違法移民、国境の塀、減税政策など、外交面では
北朝鮮、中国、イランなど、これまでの歴代大統領がいくらやっても
出来なかった好成績を上げている。

国民はトランプ憎悪に投票するか、政治腐敗排除に投票するか。今回
の選挙は史上最悪の泥仕合の様相をしている。

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