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AC通信 No.701

2018/07/19

AC通信:No.701 Andy Chang (2018/7/17)
AC論説 No.701 トランプの失言

16日ヘルシンキで行われた米露首脳会談のすぐあとの記者会見で、ト
ランプ大統領は重大な発言ミスをした。

ことの起こりはヘルシンキの米露首脳会見の数日前にローゼンシュタ
イン司法部副長官がロシアの12人が2016年の大統領選挙の際に民主
党本部とヒラリーのコンピューターやメールをハッキングしたと発表
したことについて、首脳会議のあとの記者会見でトランプがプーチン
に抗議したかと聞かれたことである。

トランプは「私は情報局に全面的な信頼と支持をしている。しかしプ
ーチンはロシアの干渉を否認した。私にはロシアが干渉する理由が見
つからない」と述べたことである。この発言の数時間後にはアメリカ
国内で囂々たるトランプ非難の声が上がった。民主党議員やトランプ
反対派だけでなく多くの共和党議員も非難した。

これらの非難についてトランプは帰国した17日午後、ホワイトハウス
で記者会見を行ってこれが彼の失言だったことを認めた。トランプは
「私は帰りの飛行にの中で記者会見のビデオを見直して、私が『ロシ
アが選挙に干渉する理由がない』と言ったのは言い間違いで、本当は
『ロシアが選挙に干渉しない理由はない』と言うことだった」と訂正
した。する理由がないでなく、しない理由はない、つまり、No reason 
Russia would  interfere with our election は間違いで、No reason Russia 
would’nt interfere with our election だったと訂正した。

これで失言トラブルは一応収まったかに見えるが、いろいろな国会議
員がまだ批判を繰り返している。ある人はトランプの発言は反逆罪だ
と言う、ある人は首脳会談でトランプがプーチンに降参した、弱みを
見せたと会談の結果に懐疑的で、民主党議員はトランプとプーチンが
首脳会談でどんなことをとうろんしたのか、詳しい内容を公開すべき
だと述べた。またある民主党議員は首脳会談の通訳を国会に喚問して
内容を聞きたいと述べた。

●ロシヤの選挙干渉に対する意見

ロシアの選挙介入は前々からわかっていたことだが、トランプ失言の
後はロシアの干渉に改めて非難の声が強くなり、ロシア敵視が増幅し
た。ライアン下院議長も「大統領はロシアが同盟国ではないと認識す
る必要が ある。ロシアと米国は道徳的に同じではない。ロシアはわれ
われの最も基 本的な価値や理念になお反対している」と述べた。

正当な意見を述べた議員もいる。ロン・ポール上院議員は「選挙干渉
はどの国でもやっていることだ」と述べた。他国の選挙に干渉するこ
とはアメリカがもっとも酷い。但しロシアや中国のハッキングがアメ
リカで大きな問題になっているのも事実である。

●選挙干渉の責任者

ブレナン元CIA長官はかねてより反トランプのトップである。彼は
ツイッターで、「トランプ氏の発言は軽 犯罪や重大な犯罪の域を超え
るもので、まさに反逆に他ならない。愚かな だけでなく、完全にプー
チン氏の手の内に入っている」と強く批判した。

だがブレナンの批判は間違っている。ロシアや中国がアメリカの政党、
政府、会社などをハッキングしていたことは前々から知っていたこと
であり選挙介入も投票前からわかっていたことである。殊にヒラリー
が個人サーバーを使用していたためロシアや中国にハッキングされた
のだ。

ハッキングした相手が悪いのは当然だが、外国のハッキングを阻止で
きなかったのはオバマ時代のブレナンCIA長官、クラッパーNID長官、
ヒラリー国務長官、コーメィFBI長官などの責任である。何をいまさ
ら威丈高になってトランプを批判する道理があるのか。

●首脳会議の目的

失言は誰でもあることだが今回の失言はトランプの大失敗だった。だ
が暴徒のリンチのようにトランプを総批判するより、トランプがなぜ
数多の反対や懸念を押し切ってプーチンと首脳会談を行った目的は何
だったのかを考えるべきではないか。

トランプはサヨクが批判するようなロシアの味方ではない。オバマは
ロシアに対し何もしなかったが、トランプは一年半でロシアに対し経
済制裁、二つの駐米領事館を閉鎖し60人のロシア外交官を国外追放す
るなど急激な反露政策を取っている。ロシアを敵視するトランプがプ
ーチンと会談した目的は何か。これが最も大切なことである。

首脳会談の結果でトランプが強調したのはプーチンとの会談で核削減
について相互間の同意があったと言う。つまりトランプがプーチンと
会談を行った「第一の目標」は、イランと北朝鮮の非核化を促進する
ためプーチンを仲間に引き込み、さらにシリアから米露双方が撤兵す
ることと思われる。

その次の「隠された第二の目標」は米中関係である。トランプはいつ
もロシアは敵であると言っている。しかしロシアと敵対するよりロシ
ア関係を一時的に緩和し、ある方面で合作して別の問題を解決するこ
とは可能かもしれない。殊に大切な目的は中国で、米露が一時的に合
作すれば中露、北露関係を冷却することもできる。これは私の個人的
意見だが、いずれ失言問題が収まればトランプが首脳会談をした目的
が明らかになると思う。

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