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AC通信 No.700

2018/07/10

AC通信:No.700 Andy Chang (2018/7/09)
AC論説 No.700 アメリカの天佑神助

最高裁のケネディ大法官が引退するのでトランプ大統領は今夜9時に替り
の人選を発表する。すでにメディアはトランプが4人の候補者から選ぶとして
いるが、民主党は誰が推薦されても反対すると決めているので、今は嵐の前
の静けさでも、この記事を読む頃は民主党側の「誰が選ばれても反対」論が
メディアを賑わすだろう。

民主党の反対は主に女性の妊娠中絶の権利(Roe vs. Wade)をめぐる論争
だが、実は女性の中絶権よりも最高裁の保守傾向が強くなるのを懸念して
いるのだ。このほかに人種差別問題や宗教問題(カトリック)などを懸念する
議員もいる。トランプが指名した大法官は将来30数年も最高裁の保守対リ
ベラル論争に強い影響を及ぼすことなど、それにトランプの傲慢な性格が影
響していると言える。

もしもトランプでなくヒラリーが大統領だったらどうなっただろうか。アメリカでは
左翼、右翼を問わずヒラリーのリーダーシップや政治能力を信じるものは居
ない。それでもヒラリーの人気は高いし無能でも法を無視しても起訴されるこ
とがなかった。二年前の選挙ではヒラリー当選を信じるものが大勢だった。

無能なヒラリーが大統領になればサヨクが国政を把持してアメリカは大変なこ
とになっただろう。トランプが当選したのは奇跡だった。ヒラリーが大統領にな
れなかったのはアメリカに天佑神助があったとしか思えない。司法部やFBI
など政府の高級幹部が選挙に介入してヒラリーの応援、トランプのロシア癒
着調査などを画策したが、結果は意外にもヒラリーが落選したのである。

この二年間の動向を振り返ってみると以下のようになる:
(1)、16年3月、ヒラリーの個人スマホとサーバー使用が明らかになった。
(2)、4月、FBIがヒラリーの調査を開始、すぐに極秘で不起訴を内定。
(3)、7月、FBI/DOJの高級幹部がヒラリーの選挙を援助、
(4)、10月、FISAの調査申請でトランプ陣営のロシア関連調査、
(5)、11月にトランプが大統領に当選。
(6)、ヒラリー落選のあと民主党側はすぐにトランプ罷免を画策し、
(7)、17年5月、マラーを特別検察官に任命してトランプの違法調査。

●Peter Strzokのメール

一週間ほど前に国会の情報調査委員会のガウディ(Trey Gowdy)議員がFBI
から取得したメールの一部をテレビで公開討論した。彼によると16年2月に
ヒラリーの違法サーバー使用が明らかになったあと、16年3月にFBIのPeter 
Strzok諜報調査主任がLisa Pageに送ったメールで「ヒラリー対共和党候補の
選挙は一億対ゼロ(one hundred million to zero)」と述べたと言う。ヒラリーが
100%当選でなく一億%当選すると言ったのだ。

Gowdy議員の話では、FBIのStrxokがこのメールを送信したあと、4月になる
と長官からヒラリーのサーバー違法調査を命じられたと言う。ヒラリーが絶対
当選すると確信している人間がヒラリーの調査を命じられたら彼は絶対にヒラ
リーを起訴するはずがない。ヒラリーが大統領になったら報復され免職にな
ると思うのは当然だ。

このメールに書かれたことは重大なことである。情報調査機関であるFBIの
主要人物がヒラリー当選を確信していたなら大部分のFBI職員もそのように
思っていたに違いないし、保身のためにヒラリーが有罪とは口が裂けても言
うはずがない。

コーメイ長官にしても同じで、彼が自己保身のため4月末にヒラリー不起訴を
内定したのは当然だし、オバマ政権の政府高官が何人もヒラリーの選挙応
援に回った理由もわかる。

それが増幅してヒラリー応援からトランプのあら捜し、FISAの申請でトランプ
陣営のロシア関連調査を始めたのも納得できる。但し彼らはが保身のため
にやったことは違法である。

●トランプは型破りだから勝ったのだ

Peter Strzokのメールに書いたことが当時の一般認識だったと考えてみると、
トランプが当選したことは奇跡というほかはない。

なぜトランプが当選したかというとトランプは型破りな人間だったからである。
共和党の候補者は19人いた。当時は誰もトランプが18人の候補者を抜い
て候補になるとは思っていなかった。その他の共和党の候補者たち、ブッシ
ュ、クルース、グラム、ルビオ、ケーシックなど、みんな堅実で有能な中道右
派、だれもが穏当な政治主張と支持者を抱えていた。それでもトランプに勝
てなかった。

トランプが候補者になったあともヒラリーに勝つとは誰も思わなかった。それ
が可能になったのは彼が型破りの人間で、型破りの選挙をしたからである。
もしもトランプ以外の共和党候補なら、正当な選挙でだれが出馬してもヒラリ
ーに勝てなかっただろう。そう考えるとトランプ当選は奇跡だった。ヒラリーが
当選しなかったのはアメリカにとって天祐神助があったとしか思えない。

●ヒラリーはなぜ当選できなかったのか

世界一の情報調査機関であるFBIが「一億対ゼロ」と評価したほどの確率で
なぜヒラリーは当選しなかったのか。しかも相手のトランプは傲慢で破天荒な
人間なのに彼が勝ったのはなぜだろうか。

世間には国際金融資本がアメリカの選挙を左右できると思う人もいるし、隠
然たるユダヤ勢力がアメリカの政治を左右できると思う人も多い。しかし国際
金融資本やユダヤ勢力がトランプを支持する理由は見つからない。

国際金融資本にとってヒラリーの方がトランプよりコントロールし易く、政治の
中立を守るにしてもトランプ支持には至らないはずだ。今回の選挙が示した
ことはアメリカには選挙をコントロールできる「蔭の勢力」は存在しないと言うこ
とである。

なぜヒラリーが負けたかというと、ヒラリーの法を無視した驕慢な態度に対す
る国民の反感と、オバマが作った政治二極化に対する反感が「アメリカの底
流」を作っていることだと思う。

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