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AC通信 No.695

2018/06/02

AC通信:No695 Andy Chang (2018/6/1)
AC論説 No.695 金英哲のホワイトハウス訪問

本日午後1時過ぎ、金正恩の側近金英哲党副委員長がホワイトハウスを訪
問し、トランプ大統領に金正恩委員長の親書を手交してトランプと一時間余
り会談した。北朝鮮高官のホワイトハウス訪問は18年ぶり、正に歴史的会見
だった。会談にはホワイトハウス幕僚長ジョン・ケリーとポンペオ国務長官な
どが同席した。

この会談は昨31日、ポンペオ氏と英哲氏がニューヨークで米朝シンガポー
ル会談の実現と議題の打合せなどを討議した結果、シンガポール会談の実
現に発展が見られ、さらに英哲氏が金正恩の親書を手交することがわかっ
てホワイトハウス訪問が急遽実現したのである。ポンペオ氏は、双方の主張
に明らかな相違があり、困難なこともあったが双方に交渉を続ける意思があ
ることを確認したので英哲氏のホワイトハウス訪問が可能となったと述べた。

金英哲氏一同は本日の午後1時28分にホワイトハウス到着、ケリー幕僚長
が出迎えてホワイトハウスのOval Office(大統領執務室)に入り、2時35分に
会談を終えたあと、異例にもトランプ大統領とポンペオ国務長官が英哲氏を
同伴して彼の乗車まで行き、待機していた英哲氏一行(夫人と思われる)と
記念写真撮影をして見送った後、20分の記者会見を行った。トランプ大統
領が訪問客を外まで送り出したのは恐らく就任以来初めてと思われる。

記者会見の内容は以下の通りである:
(1)、6月12日のシンガポール米朝会談は予定通り行うことになった。米朝
会談は一度ではなく、今後何度もあると思う。今回の会談はお互いを知るた
め(Get to know each other)の会談だ。
(2)、いろいろな可能性がある。例えば朝鮮戦争を終結させることが出来る
かもしれない。朝鮮戦争は既に70年近く経っている。
(3)、会談の結果については中国や日本、韓国などが大いに興味を持って
いる。経済援助についても中国や日本も参加するに違いない。中国や日本
は北朝鮮の隣国だがアメリカは遠い。北朝鮮の非核化と経済合作は隣国も
多いに興味を持っているに違いない。
(4)、人権問題について話し合いはなかった。(つまり拉致問題に言及しな
かった)。
(5)、金正恩委員長の親書はまだ読んでいない。

トランプ氏は今回の会談のあと大いに乗り気だが、金正恩の親書の内容を
読めば意見が変わるかもしれない。北朝鮮の非核化には大きな困難が付き
まとうはずで、記者会見で楽観的な態度を見せたとしてもポンペオ氏の述べ
た通り、双方には大きな意見の違いがある。

アメリカの一貫した主張はCVID(包括的、検証可能で不可逆な非核化)で
あるのに対し、北朝鮮は「段階的非核化に伴う段階的経済援助」であると言
われている。過去に何回も合意を翻した北朝鮮にアメリカや諸外国が段階
的経済援助に同意するとは思えない。

朝鮮戦争の終結も非核化と同じぐらいの困難度を抱えている。戦争の終結
は朝鮮半島の南北統一と平和を実現することで、同時に38度線の撤去と米
軍の完全撤退を伴う。

米軍の朝鮮撤退は中国が望むところで、中国が統一朝鮮と平和条約を締
結すれば中国の太平洋進出が一気に実現する。アメリカと日本、台湾にとっ
て取り返しのつかない発展になる。

北朝鮮の非核化は世界諸国の望むところだが、このあと何が起こるか全く予
想不能である。トランプが口癖で言うように「我われは何が起こるか見守るだ
けだ(We’ll see what we shall see)」

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