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AC通信 No.690

2018/05/10

AC通信:No.690 Andy Chang (2018/5/09)
AC論説 No.690 「ロシア癒着」調査の新発展

あと数日でマラー検察官の「トランプのロシア癒着」調査は満一年を迎える。
この一年の間にマラー検察官は約20人を喚問し、マイケル・フリン、ポール・
マナフォートなど数人のトランプの幹部を起訴したが、トランプのロシア癒着
に関連した証拠は挙がらず、逆にロシア癒着の調査でFBIや司法部がトラン
プの罷免を企てていた証拠がどんどん公開され、コミーFBI長官とマッケー
ブ副長官の罷免、リサ・ページFBI幹部の辞職などが起きて、検察官任命の
正当性が疑問視されるようになった。最近の世論は検察官の任命は政治陰
謀とする意見が任命を正当化する意見を上回っている。

国会のインテリジェンス委員会が司法部に提出を求めたロシア癒着に関す
る司法部とFBIの幹部のEmail記録を司法部は一年近く出し渋り、二万通も
あるメールの一部だけを提供したり、伏字にした修正メールを提出するなど
非協力な態度を続けてきた。国会の調査委員会は数度にわたって司法部
の態度を国会侮辱罪に当たると非難してきた。

インテリジェンス委員会のヌーネン(Devin Nunen)委員長は先週、Foxnewsの
インタビューで司法部がこれ以上協力しないならセッション司法部長を国会
侮辱罪で訴えると述べた。ワシントンタイムスは8日、ライアン国会議長もセッ
ション司法部長が非協力を続けるなら国会侮辱罪に当たると報道した。

司法部は5月4日になってようやく無修正メールを調査委員会に提供した。
無修正の原文と伏字の修正メールを比較して以下のようなことがわかった。

●ロシア疑惑の正当性

そもそも民主党がトランプのロシア癒着の調査を要求し、司法部のローゼン
シュタイン副部長がマラー検察官を特別検察官に任命した証拠はスティー
ル文書で、これは民主党本部がヒラリーの出した資金で英国の元スパイを雇
ってトランプに不利な情報をでっち上げた選挙謀略の一部だった。

FBIはスティール文書を使って法廷にロシア癒着のFISA調査を請求した。ま
たコミーFBI長官はヒラリーの私有スマホの使用、個人サーバー使用、機密メ
ールの違法消却など数々の違法行為をすべて不起訴とした。複数のFBI幹
部もあからさまにヒラリー当選のために協力した。これだけヒラリーを応援した
にも拘らずトランプが当選した。オバマ、ヒラリーをはじめ民主党側はこれに
不服で直ちにトランプ罷免を画策した。

FBIと司法部はトランプが当選した後もスティール文書を使ってトランプのロ
シア癒着の調査を法廷に申請した。つまりFBIと司法部の幹部が特別検察
官の任命でトランプ罷免に全力を挙げていたのである。コミー長官は投票前
の10月、すでにスティール文書をもとにしてFISAの調査を申請していたの
にトランプが当選して1月の二人の会見で、スティール文書は疑わしい部分
があるとトランプに説明し、FISA申請のことはトランプに隠していた。

FISAはその後3回も継続を申請し、これには現職のローゼンシュタイン司法
部副長官もサインしていた。それにも拘らずローゼンシュタインはトランプの
ロシア癒着にマラー検察官を任命したのである。

一年経ってもマラー検察官はトランプのロシア癒着の証拠が挙がらず、ポー
ル・マナフォート、マイケル・フリン将軍やマイケル・コーエン弁護士などをトラ
ンプと無関係な事情で起訴し、被告からトランプ罷免の理由を探ろうとしてい
たのである。トランプのロシア癒着に関係のない人物を調査するのは検察官
の権限を大幅に逸脱していると言う指摘がある。ある連邦裁判官はマラー検
察官には無制限調査をする権利はないと公開批判した。

調査範囲の拡大を許可したのはローゼンシュタイン司法部副部長だからトラ
ンプ罷免を画策したのは司法部とFBIの最高幹部である。国家機関の幹部
が大統領罷免の陰謀を企てた証拠があれば国家転覆罪である。司法部が
国会の情報調査委員会に協力しない理由がこれだ。

●修正メールの正体

司法部の非協力についてAndrew MacCarthy記者の詳しい分析記事が7日
National Reviewに掲載された。長い記事だが原文との比較を書いている。
(https://www.nationalreview.com/2018/05/russia-report-redactions-cover-fbi-missteps/

司法部長は伏字修正の理由を「国家機密に関する」と説明していたが、
MacCarthy記者は司法部長が提出した二種類のメールの伏字修正部分
と無修正の原文を比較して国家機密に関わった記述はないと発表したので
ある。無修正の原文には国家機密に関する事実はなく、FBIと司法部の幹
部がトランプ罷免の調査を進めていた事実が書かれていた。つまり伏字部
分は国家機密でなく、司法部とFBIの陰謀を隠蔽するためだったのだ。

●マイケル・フリン将軍の起訴正当性

この記事の一部を要約すると、FBIはフリン将軍をトランプのロシア癒着のス
パイとして選挙の投票前から既に秘密調査を始めていた。フリン将軍が2013
年にウクライナを訪問したこと、その関係人物がロシアに亡命したこと、フリン
将軍がロシアの駐米大使と会見したことなどが彼をロシアのスパイとした理
由である。

フリン将軍は尋問についてウソを吐いたか?その事実はなかったが起訴さ
れたフリン氏は偽証を認めた。偽証を認めた理由は解明されていない。

トランプ当選のあとFBIの幹部がロシアスパイの疑惑の目的を説明しないま
まホワイトハウスでフリン将軍をインタビューした。この後コーメイ長官はフリン
将軍がウソをついていないことを確認し、12月にフリンの調査中止にサインし
た。ところがその五日後にマッケイブ副長官は再びフリンを偽証疑惑で調査
し、マラー検察官はフリンを偽証罪で起訴したのである。

フリン将軍がロシアのキスリヤック駐米大使と会見したこともフリンのスパイ嫌
疑に一因とされていた。だが伏字メールの原文では会話の内容がトランプと
関係のないことがわかるし、しかもキスリヤック大使の行動は全てFBIが把握
していた。会見の内容でフリンのスパイ嫌疑とは関係がないことがわかった。
司法部はメールを伏字にする理由がないのだ。

●司法部は事実を隠す理由がない

マッカーシー記者の結論は「(メールの原文から)司法部が伏字メールの提
出を弁護できないことがわかった。殊にこれまでに分かった事実から見て、
司法部が事実を隠す正当な理由がないことが強く証明された」である。

事実を隠す理由がないのに何故司法部は懸命に事実を隠すのか。理由は
簡単、オバマ政権の司法部とFBIが国家転覆罪に問われるからである。調
査が進めばオバマまで罪に問われるかもしれないからである。

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