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AC通信 No.683

2018/03/10

AC通信:No.683 Andy Chang (2018/3/09)
AC論説 No.683 トランプと金正恩の首脳会談

トランプの政治は「想定外」が多い。昨日8日の午後3時半にトランプが鋼鉄
とアルミニウムの輸入に25%と10%の関税をかかる命令にサインしたあと、7時
に北朝鮮の金正恩の申し出を受け入れて直接会談に応じると発表した。

金正恩がミサイル実験と核実験の凍結を約束したからトランプは首脳会談に
応じた、北朝鮮側はトランプが直ちに応じるとは思っていなかった。米朝首
脳会談が実現すれば歴史ではじめてとなる。トランプは何回も金正恩が非
核化を実現すれば何時でも会談に応じると発言していた。今回はそれを実
行したのである。

両首脳の会談が進んで北朝鮮が非核国家となれば朝鮮半島や東アジアに
平和を齎すと言うが実情はそんなに簡単ではない。会談に応じると発表した
のは世界各国が驚いたニュースだったが、一度や二度の会談で北朝鮮の
非核化が実現するとはあまりにも楽観的である。北朝鮮の非核化が実現す
れば世界各国、例えばイランの核発展も停頓せざるを得ない。つまり会談の
結果がどのように進展するかが世界情勢に大きく影響する。

北朝鮮はこれまで何回も約束を破ってきた。トランプは「恒久的非核化を達
成するため、5月までに金正恩に会う」と述べ、更に加えて「金正恩は韓国特
使と非核化について協議した。これは単なる凍結ではない。北朝鮮はこの
期間中はミサイル実験も実施しない。これは大きな進展だが、合意に達する
までアメリカは制裁と演習は続ける」とツイートした。

つまり北朝鮮は核実験を中止するがアメリカ側はなにも譲歩しなかった。両
首脳の会談が実現するまで北朝鮮はミサイルも核実験も中止するが、アメリ
カは経済封鎖と軍事演習を続ける。「北朝鮮はミサイルと核発展を廃止すべ
きだ」というアメリカの条件は変っていない。これまでクリントンやオバマ大統
領が北朝鮮に甘い態度を取り、北朝鮮は6カ国協調会談を何度もキャンセ
ルしたがトランプは強い態度を維持している。

首脳会談が行われても金正恩が直ちに非核化を進めることはないだろう。
金正恩の目的はアメリカが北朝鮮の核保有を認めることだが、トランプがこの
条件を受け入れることは絶対にない。

金正恩は世界的に有名な独裁者だが、メディアに開放された会談で海千山
千のトランプと対等に話し合えるか、そして会談後も約束を守るか、それとも
文在寅のように約束を反故にするか、興味は尽きない。

5月の会談までに北朝鮮が核実験を中止したとIAEAが検証しなければなら
ない。今から5月までの短期間にこれが出来るかどうかも不明、会談の場所
も未定である。今のところ可能な場所は38度線の板門店だが、中立国スイス
も選択肢の一つと言われている。

北朝鮮が非核化すれば世界的で歴史的な発展となるのは明らかで、トラン
プと金正恩がノーベル平和賞を取るのはほぼ確実だ。仲介者の文在寅もノ
ーベル賞をとるかもしれない。

金正恩が非核化に賛成しなかったらアメリカの制裁が今より強化されることも
確実である。私には金正恩が核を放棄するとは思えない。実現すれば文在
寅はさっそく南北統一を進めるだろう。南北統一とは韓国が北朝鮮に併呑さ
れ、アメリカがアジアにおける影響力を失うことである。トランプは北朝鮮の非
核化を進めても南北統一を阻止するに違いない。

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