政治・経済

AC通信

国際ニュース解説と評論記事

全て表示する >

AC通信 No.681

2018/02/23

AC通信:No.681 Andy Chang (2018/2/21)
AC論説 No.681 他国の選挙に介入すること

トランプのロシア癒着の調査が8ヵ月以上たったが、マラー検察官はトランプ
の癒着の証拠が見つからないだけでなく、FBIのヒラリー癒着が見つかった。
マラー検察官はいまも調査を続けているが、トランプの代りにオバマ元大統
領がトランプのロシア癒着に関与していた証拠が挙がっている。

オバマの腹心部下だったスーザン・ライス国家安全アドバイザーが退任直
前に自分宛に出したメールに、オバマの退任直前の1月5日にFBIのコー
メイ長官と司法部のサリー・イェーツ副部長からFBIがSteele Dossierその他の
情報を使ってトランプのロシア癒着の調査を進めている報告を聴取した。こ
のホワイトハウスでの会議にはバイデン副大統領も参加していたと言う。この
会議のあとオバマは、トランプのロシア調査を「合法的に(By the book)」進め
ることを決定したと言う。つまりオバマは退任した後もシカゴに戻らず、ワシン
トンに残ってトランプ降ろしの総指揮を執っていたのである。

しかもその翌日の1月6日、コーメイ長官はトランプと会見し、Steele Dossier
は「かなりいかがわしい」と述べた。それだけではない。FBIはこれより二ヶ月
半前の2016年10月21日にトランプの選挙顧問Carter Pageのロシアのスパ
イ嫌疑の調査をFISA法廷に申請していたのだ。

オバマ、FBI、司法部などがグルになって「合法的に」当選したトランプ大統
領の罷免を画策していたのだ。オバマ政権の上級幹部がグルになって国家
を転覆する陰謀を企んでいたと言っても過言ではない。

さて、マラー検察官は本月16日、ロシア国籍の13人と関連企業3社をアメ
リカの選挙に介入していた廉で起訴した。ローゼンシュタイン司法部副長官
はマラー検察官の起訴発表のあと直ちに談話を発表し、(1)ロシア人は
2014年からずっとアメリカの選挙に介入していた、(2)この陰謀にアメリカ
人は一人も含まれておらず、(3)ロシア人の介入はアメリカの選挙に影響を
与えた証拠はないと述べた。

2014年と言えばトランプは選挙に立候補していない時だからトランプのロシ
ア癒着の証拠ではない。トランプはマラー検察官の起訴発表のあとすぐに
彼自身の無実の証明であるとツィートした。だが民主党側や反トランプのメ
ディアは「証拠がまだ挙がってないだけ、調査はまだ続く」と反論した。

ロシア人が2014年から既にアメリカの選挙に介入していたなら、ロシアの介
入を政府が知らなかったのはオバマの責任である。2012年の大統領選挙で
オバマとロムニーがテレビ弁論をした際に、ロムニーはロシアの介入を警戒
すべきだと述べて、オバマは早速、「冷戦時代が終わって既に20年も経つ、
ロシアを警戒する必要などない」と反論した。つまり今回の起訴発表でオバ
マがロシアに対してあまりにも無防備だったことが問題視される結果となっ
た。

マラー特別検察官はトランプのロシア癒着を調査する任務があったが、去
年5月に任命されてから今まで癒着の証拠はない。トランプの選挙顧問だっ
たポール・マナフォートとフリン少将を起訴したけれどトランプの癒着の証拠
ではない。今回の起訴されたのはロシア人13人で、時間的にトランプとは関
係がない。トランプの癒着調査で関係のない人物ばかり起訴したのは調査
の範囲を超えているのではないか。検察官は時間と場所、人物などに無制
限で調査できるのだろうか。

もちろん、特別検察官が広範囲な調査を行う権利はあるかもしれない。でも
それならなぜ「FBIのヒラリー癒着」に拘わったFBIと司法部の上級幹部、そし
てヒラリー本人を起訴しないのか。なぜオバマの関連を調査しないのか。調
査はトランプ降ろしばかり狙っているように思える。

ロシア人が金を使ってアメリカの選挙に介入したのが問題なら、ヒラリーの金
で英国人を雇ってロシア人を金で買収してトランプの醜聞を集めたことも調
査すべきだ。しかもマナフォートの起訴は2005年のことで、フリン将軍が金を
受け取ったのはロシアの金でなくてウクライナの金だった。トランプの癒着と
関係のなかった彼らを起訴して、トランプ降ろしの張本人ヒラリーを起訴しな
いのはいかにも不公平である。

もっと大きな事件はヒラリーがウラニューム・ワンである。アメリカで生産された
ウラニュームをロシアに売り、ロシア側がクリントン基金に1億4千萬ドルを「入
金」した事件は調査が進んでいない。明らかな売国と収賄なのに、である。

以上に述べたようにアメリカの政治はとうてい民主国家の公平、正義とは言
えない。特にオバマ政権の8年間にはいろいろな違法事件が起きたにも拘
らずみんな正しい裁きを受けなかった。

例を挙げればベンガジ事件や、ホールダー司法長官の「Fast and Furious」、
連邦税務署の違法選挙介入、ヒラリーの私有スマホ使用と廃棄、クリントン家
のサーバー使用などがある。

トランプ降ろしは合法だろうか。オバマ政権が退任したとも後任の大統領を
有罪にするため調査を続けるのは正義だろうか。ロシアがアメリカの選挙に
介入したことを問題視するが、選挙に介入したのはロシアだけでなく中国も
ハッキングやデマ宣伝で介入している。中国の介入を取り上げないのはお
かしい。Steeleという英国のスパイが介入したのも調査すべきだ。

アメリカも他国の選挙に介入している。例えばクリントン大統領は彼の腹心の
ジェームス・カーバーをイスラエルに派遣してイスラエルの選挙に介入してナ
タニヤフを落選させた。

2008年の台湾の選挙ではダグラスー・パール元AIT所長が投票二日前にテ
レビ対談で公然と馬英九を支持したのであった。

アメリカが他国の選挙に介入するなら他国がアメリカの選挙に介入するのを
批判することは出来ない。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
AC通信バックナンバーはメルマ:http://www.melma.com/backnumber_53999 
メルマの左側上部の「登録する」欄をクリックして登録すれば以後は
自動的に配信されます。
ご意見はbunsho2@gmail.comまで
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-12-18  
最終発行日:  
発行周期:月刊、不定期  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。