政治・経済

AC通信

国際ニュース解説と評論記事

全て表示する >

AC通信 No.659

2017/09/16

AC通信:No.659 Andy Chang (2017/09/15)
AC論説 No.659 台湾人の「国連加盟の夢」

半年前に中国に旅行した李明哲と言う人が警察に連行され、行方不明だっ
たが最近になって正式に「国家政権転覆罪」で起訴され裁判が始まった。
李氏の妻は中国各地に赴いて李明哲の救援を求めている。

李明哲の救援運動で台湾人権促進会の秘書長・邱伊翎と、もう一つの人権
公約監督連盟の執行長・黄怡碧の二人がジュネーブの国連人権理事会で
李明哲の救援を申請しようとしたら、台湾の(中華民国)パスポートでは国連
のオフイスに入ることを拒否された。そのあと国連関係の人権支持団体の援
助があったので国連の建物内に入ることを許された。

この事件に関連して、「連合国協進会」(UN for Taiwan)と称する民間団体の
蔡明憲氏を団長とする20名のグループがアメリカに赴き、ワシントンでジョー
ジワシントン大学の教授などと共に台湾の名義で国連に加盟する運動につ
いて座談会を開いた。この後協進会グループはニューヨークに移動し、国連
大会が開催される前の9月16日に国連本部の前でデモを行う。連合国協進
会は毎年の国連総会の時期に国連本部前でデモを行っている。

●国連加盟は成功しない

連合国協進会は25年前に作られた台湾の民間団体で、彼らの目的は台湾
名義で国連に加盟することを求める団体である。台湾人は台湾独立を望ん
でいるが現在の国名は中華民国であるため台湾名義で国連に加盟すること
はあり得ない。台湾と呼ぶ国はまだ存在しないからである。だが協進会グル
ープはダメと知りながら永年続けて国連本部前でデモを繰り広げている。

そして彼らはアメリカやその他の国々が台湾の加盟に賛成すれば目的は達
成できると言う。今回の訪米で蔡明憲団長はワシントンで行われた座談会で
国連加盟の理由について以下の4つの理由を挙げた:

(1)1971年、国連総会の第2758号決議で中華民国が国連から追い出され
たのは、どの国が正当な中国(Republic of China)かという投票で、大多数の国
が中華人民共和国を中国と認めたので中華民国は国連から追放された。
(2)しかし2758号決議は「中国の席位」のついての決議で台湾の加盟につ
いての決議ではない。
(3)この決議は中国が台湾人民を代表する権利について討論がなかった。
(4)中国は台湾を統治していない。台湾は中国の領土ではない。中国が台
湾の国連加盟を阻止することは出来ない。

しかしこの理論には幾つかの根本的に問題がある。国連とは諸国の連合で
あるから国連に加盟するなら先ずは台湾国を創立すべきだ。協進会の人た
ちは「台湾は既に独立した政治団体である」から台湾名義で国連に参加で
きると主張する。国連加盟が成功すれば台湾国を達成できると言う。だけど
も世界中で台湾の政治形態を台湾国と認める国はない。

協進会の主張によると、諸国が台湾を国と認めれば国連加盟もできるし、台
湾国に改名もできると言うが、これは本末転倒である。国が存在してから諸
国が承認し、それから諸国の同意のもとに加盟が可能となるのであって、加
盟してから国名を変えるのではない。これを25年も続けている。国連は「台
湾国は存在しない。国でなければ加盟は出来ない」と返事している。

●他力本願より人民自立を優先せよ

協進会のメンバーはアメリカでロビー活動を行ってアメリカやその他の国が
台湾名義の国連加盟に賛成すれば実現できると考えている。アメリカは台
湾関係法で中華民国と断交したあとも台湾の現政権と交渉するとしている。
そして現政権は中華民国である。つまりアメリカは台湾独立にいかなる援助
もしない、しかし台湾の政権が「平和的な手段で」正名運動や国名変更をす
ることには反対しない。これは台湾関係法の基本である、「台湾の未来が平
和的に解決することを基礎とする」ことである。

アメリカに頼ることより国内で公民投票を行って正名制憲を実現するべきな
のに25年も国連が受け入れない加盟運動をしているのだ。不思議なことに
台湾人は国内で独立運動をせず、国外、殊にアメリカや国連で改名んどう
をしている。李登輝が始め言い出したそうだが、台湾は既に国である、国土
があり人民があり政府がある、但し国名が正しくないと言う。つまり台湾が正
常国家になるには国名変更が必要である。それなのに国名も国歌も国旗も
中華民国のままである。

国名を改正する運動を優先すべきなのに国名変更をしない。台湾人が政
権を取っても国名変更はできない。

蔡英文が中華民国を維持して、国会で大多数を占める民進黨も正名制憲
を推進しない。現状維持とは中華民国の体制を維持して国民党と妥協して
二大政党の民主政治を勧めれば台湾は独立も国連加盟もできない。

民間運動で政府を動かすことも考えられるが、民間団体はアメリカや国連で
ロビー活動をしている。國名変更、台湾独立に最も反対しているのが國民
黨である。国民党を打倒して中国人の統一主張を阻止すべきである。

台湾人は国内問題を解決せずアメリカに頼る。体制外運動で民進黨に頼
らぬ独立運動は目的は一つでも方法論に違いがあって団結しない。連合
国協進会が台湾に戻って独立運動の諸団体と合作し、正名制憲を推進す
ることを願っている。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
AC通信バックナンバーはメルマ:http://www.melma.com/backnumber_53999 
メルマの左側上部の「登録する」欄をクリックして登録すれば以後は
自動的に配信されます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-12-18  
最終発行日:  
発行周期:月刊、不定期  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。