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AC通信 No.653

2017/08/05

AC通信:No.653 Andy Chang (2017/08/04)
AC論説 No.653 朝鮮の挑戦

度重なるアメリカの警告にも拘らず北朝鮮は7月4日のアメリカの建国記念
日にミサイルを発射し、7月28日にもう一度大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発
射した。今回発射したICBMはアメリカのロスアンジェルスやシカゴまで届くと
言われている。

この数か月のあいだアメリカは空母二隻の戦闘群を派遣し、韓国にTHAAD
を配置するなどで北朝鮮を威嚇したが金正恩に対してはあまり効果がなか
った。アメリカはその後グアム基地から韓国にB1爆撃機を二機配置して対
戦準備は整ったと思われる。

しかし実際にまだ攻撃を開始する気配はない。ティラーソン国務長官は北
朝鮮は敵ではないと述べ、我々はいつでも話し合うことが出来ると述べた。
ティラーソン国務長官は北朝鮮の核放棄を前提に金正恩体制の崩壊や
転換を求めず、38度線を越えて侵攻したり、南北統一を急いだりする
考えもないと重ねて表明した。核とミサイル問題の平和解決を主張す
る中国はこれを「四つのノー」と呼び、評価している。

だがトランプは中国が北朝鮮の挑戦に積極的な対応をしていない、失望し
たと述べた。日本と韓国は北朝鮮のミサイル発射を新たな脅威と報道してい
るが抗議はせず、アメリカの出方を見守っている。

日米韓三国は、北朝鮮のミサイル発射を新たな脅威と認識し、朝鮮半島の
非核化を達成するため三ヵ国の協調が重要と認識し、北朝鮮の核武装を決
して受け入れないと強調した。つまりレッドラインは北朝鮮が新しく核実験を
行ったときだろう。

●北朝鮮はなぜアメリカを挑発するのか

アメリカはこれまで何度も北朝鮮と協議を繰り返してきた。6カ国協議に参加
を要求し、アメリカが協議の条件をどんどん下げたにも拘らず北朝鮮は途中
で協議を引き揚げ、ミサイル発射と核爆発を繰り返し、今ではICBMの発射
が成功して、残るところはミサイルに搭載するため核爆弾の小型化だろうと
見られている。

北朝鮮は何度も協議に参加する素振りを見せて武器開発の時間を稼いで
いたのである。時間がどんどん伸びて今ではICBMを持つようになったし、核
実験も済ませ、残るは爆弾の小型化だけとなった。つまり北朝鮮は既成事
実をどんどん積み上げて、北朝鮮が核保有国でアメリカまで届くICBMをも
つ大国であることをアメリカや諸国に認めさせるのが目的である。

諸国は北朝鮮が核保有国であることを認めるか、または北朝鮮の核保有を
ストップするかの選択を迫られている。ティラーソンの発言は北朝鮮の目標
に迎合するようだが、日米韓露中の諸国が北朝鮮を核保有国と受け入れる
ことはない。北朝鮮の挑戦を阻止するには金正恩を抹殺するか、または武
力でミサイルや核施設を完全に破壊するかである。ティラーソンの発言は最
後通牒に近いもので、北朝鮮が核開発を続けるなら戦争になる。

北朝鮮がこのような強引な武力開発を進める目的は南北朝鮮の統一では
ないだろうか。核保有国となれば韓国併呑がやさしくなる。韓国には核を持
った北朝鮮に対抗する武力はない。統一の協議は韓国に不利である。韓国
を併呑して朝鮮半島が統一すれば中国や日本と並ぶ大国となれる。

●アメリカは中国に頼るな

南北朝鮮の統一は米軍の撤退となるから中国にとって不利ではない。米軍
がグアムまで撤退すれば日本も危機を迎える。トランプは北朝鮮に圧力を加
えるため中国の協力を期待しているがこれは大きな間違いである。

中国はいかなる状況においても必ず「見返り」を求める国だから、トランプが
協力を求めれば中国は「見返り」に南シナ海のパラセル、スプラトリー諸島に
おける建設と発展を既成事実として認めさせ、やがて尖閣諸島も中国の領
土と認めさせるかもしれない。こうなったら台湾併呑は簡単である。だから北
朝鮮が韓国と統一しても中国にとっては大きな脅威とはならず、むしろ中国
にとって利点の方が大きい。

●挑戦には挑戦で答えよ

アメリカはなぜ北朝鮮を攻撃できないのか。誰でも知っているように、アメリカ
が攻撃を開始すれば一晩で北朝鮮の軍事基地、核施設、金正恩の隠れ家
などを爆破することが出来る。

アメリカは何故攻撃しないのか。アメリカは北朝鮮を攻撃しないのではなく口
実を探しているのだ。ティラーソンの発言はそのうちの一つで、先に北朝鮮
に協議をする用意があると呼びかけ、北朝鮮が会談に応じないなら武力行
使の口実とする。そのほかにも攻撃の口実を作る方法はある。国連軍を作る
こともその一つだし、レッドラインつまり北朝鮮が核爆発実験をすれば攻撃
する理由が出来る。戦争になればアメリカが勝つ。北朝鮮がアメリカと戦争し
て勝てるはずがない。しかしアメリカが絶対に勝つなら諸国の非難を避ける
ために北朝鮮が先に攻撃するのを待つ。

アメリカは朝鮮の挑戦にアメリカの挑戦で答えるべきである。例えば国境近く
にドローンの編隊を飛ばすとか、高高度偵察機を侵入させて相手のレーダ
ーが探知できるようにする。要するに北朝鮮が先に発砲すればよいのだ。攻
撃が始まるのは空母艦隊が再び日本海に布陣するときと思われる。アメリカ
の攻撃開始はトランプの命令にかかっている。

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