政治・経済

AC通信

国際ニュース解説と評論記事

全て表示する >

AC通信 No.648

2017/07/01

AC通信:No.648 Andy Chang (2017/06/30)
AC論説 No.648 「親中愛台」よりも「台湾第一」

台湾で人気の高い台南市長の頼清徳氏が「親中愛台」というスローガン
を打ち出して批判を浴びている。中国が敵意を露わにしているのに中国
と親しくしましょうと言う態度は降参も同然だ。

世間の批判に対し頼市長の反論は、メディアが話題にする「92共識」や
「独立の党綱領の凍結」などは台湾意識を分裂させる宣伝手段である。こ
れと違って「親中とは台中対等」であり、「愛台とは台湾優先」だと言う。

つまり頼清徳氏は外省人と台湾人の両方に呼びかけたのであり、親中と
は統一派に向けた呼びかけ、愛台とは独立派に向けた呼びかけであると
言うのだ。「統一でなく親中、独立でなく愛台」と言えば台湾が統一派と独
立派に分裂せず一致団結して中国に対応できると言う。

こう言った呼びかけは頼清徳市長が次期総統に出馬する意向が濃厚で
統一派と独立派の双方に呼びかけと思われる。但しこのスローガンは統
独双方とも受け付けないで失敗する可能性が高い。

●台湾人はみな「恐中病」か

中国が台湾併呑を主張して恫喝を繰り返しているのに、台湾では「反併
呑」を主張しない。中国が台湾併呑を主張し、国民党が呼応して統一を
主張する。國民黨は明らかに台湾人の敵である。これに対し民進黨は二
大政党政治、親中、友中、善意などで現状維持を主張している。民進黨
は恐中病に取りつかれている。

中国の敵意に対し台湾が善意を主張するのは負け犬が尻尾を巻いて萎
縮するのと同じだ。アメリカは台湾を守ると言いながら中国と戦争したくな
い。中国もアメリカと戦争したくないがアメリカが攻めてこないから台湾を脅
すだけである。そして台湾もアメリカが守ってくれるから本気で自己防衛を
せず、独立派と統一派が「仲良くして」いる。中台間の相互理解とか、和
解と諒解など寝言である。中国はアメリカを刺激しない程度に少しずつ台
湾侵略を進めている。パナマ断交がその良い例である。外交で台湾を国
際的に孤立させ、国民党を使って内部分裂させる。

●民進黨に騙されるな

頼清徳市長は独立派を自称している。独立を主張するけれど、統一派に
親中、独立派に愛台を呼びかけるのは蝙蝠と同じである。彼は台湾を核
心とし、中国に友誼の手を差し伸べることが親中愛台の主張だと言う。台
湾人は平和を愛し、民主と自由があり、生活の安定、経済繁栄があれば
中国と共存、中台が対等であればよいと言う。

彼と同じく多くの民進黨政治家は善意、和解、友誼と現状維持で国民党
の統一派と共に中華民国の二大政党政治を続けるつもりだ。しかし中国
は台湾併呑を明確にしているので和解も善意もない。国民党は中国の手
先である。国民党を潰さなければいつまでも中国の圧力をうける。

中国の圧力をなくすには独立以外に方法がない。台湾人は中華民国を
打倒して独立する目標を持っている。ところが人民の願望に反して民進
黨は違った政治目標を持っているらしい。民進黨の独立主張は「中華民
国の政権」を取るための便宜で、本気で國民黨を潰す気がない。これで
は台湾は独立できない。

●問題は「中国の台湾併呑」だ

私は頼清徳市長の独立意識が他の民進黨の政治家より強いことを疑わ
ない。しかし彼が民進黨に留まっている限り他の党員に押されて理想を
達成できないと思う。

民進黨が国民党と共同で台湾の両党政治を目指す。しかし頼市長の親
中スローガンが統一派を説得して独立派と共に中国に対抗するとは思え
ない。台湾独立は国民党消滅が先決である。親中スローガンで國民黨を
説得できないし、愛台スローガンで台湾人が彼を支持することもない。

問題は中国が「台湾併呑」を明にしているのに、台湾が「反中国、反併
呑」を明確にしないことだ。中国の「台湾併呑」に対して「反併呑」を表明
すれば台湾は団結する。

トランプは「アメリカファースト」を掲げて選挙に勝った。日本では小池東京
都知事が「都民ファースト」を打ち出し、都民の支持率が高い。頼清徳が
「台湾第一」、「台湾ファースト」を打ち出せば蔡英文の21%支持率を凌ぐ
ことは簡単だ。但し頼清徳がそれを打ち出すには民進黨から離脱しなけ
ればならないかもしれない。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
AC通信バックナンバーはメルマ:http://www.melma.com/backnumber_53999 
メルマの左側上部の「登録する」欄をクリックして登録すれば以後は
自動的に配信されます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-12-18  
最終発行日:  
発行周期:月刊、不定期  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。