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AC通信 No.644

2017/06/03

AC通信:No.644 Andy Chang (2017/06/02)
AC論説 No.644 自由と人権にも節度が必要

民主主義とは自由、人権と平等と言うが、自由や人権は無制限では
なく節度、つまり言行の程よい制限が大切である。「道徳の限界を過
ぎた」行いは英語でCross the lineと呼ぶ。ラインとは筋道、道理
の限界である。節度のない国は民主国家ではない。最近のメディア
は北朝鮮のミサイル発射を「ラインを超えた」と呼んでいる。

5月30日朝、Kathy Griffinと呼ぶ女性が、血まみれのトランプの首
級の模型を肩の高さに掲げた写真をメディアに公開した。トランプ
の頭の模型は髪や顔ですぐにトランプとわかるほど真に迫っていて、
しかも血だらけで本当に首を切ったと思わせるほど迫真的だった。

本人は面白半分のつもりだったと言う。アメリカのメディアや民主
党贔屓の国民はトランプが大嫌いで、連日トランプを攻撃している
からこの写真が喝采を受けると思っていたらしいが、予想に反して
左翼、右翼の双方から轟轟たる批判が起きた。それで彼女は慌てて
数時間後に謝罪メールを発表した。トランプ本人とメラニア大統領
夫人もツイッターで彼女を痛烈に批判した。メディアは彼女が「限
度を超えた」と批判した。CNNのAnderson Cooperは彼女のクリスマ
スの契約を破棄すると発表した。

アメリカではトランプ嫌いが多いから内心は彼女の行為を面白がっ
ている人もいる。トランプ嫌いのアル・フランケン上院議員は「彼
女はすでに謝罪したからそれでよい」とインタビューに答えている。
写真を撮影したのはTyler Shiledsと言う男だが、彼はこの写真が
芸術で、表現の自由だから後悔しない、謝罪もしないと述べた。

しかし自由や人権には一定の限度がある。撮影したShieldsもモデ
ルになったGriffinもアメリカ人である。自分の国の大統領の血ま
みれの首を掲げた写真は、数年前に起きた事件、アメリカ人記者を
殺害して死者の首を掲げたISISジョンと呼ぶテロ写真を真似たと
思われるが、これが芸術写真とは言えない。国民はShieldsとGriffin
の行為を肯定しなかった。トランプが嫌いだから殺さなくても血ま
みれの首を掲げた写真で自分の気持ちを表現する行為を芸術と呼ぶ
人は居ない。

大統領批判で似顔絵の漫画や、大統領のお面をかぶって街頭行進す
ることはある。パパ・ブッシュやブッシュ・ジュニアのお面をつけ
てパレードしたケースは前にもあった。しかしブッシュ大統領は二
人とも黙っていた。彼らにとってはお面をつけて風刺する行為は許
される範囲内なのだろう。

だがオバマは違う。去年のことだがテキサスのロデオでオバマのお
面をかぶって黙って立っていたカウボーイがテレビで報道されたが、
このカウボーイはすぐに免職になったそうである。オバマとブッシ
ュの違いは歴然である。もし今回の事件がトランプでなくて、オバ
マの血だらけの首級を掲げた写真だったらどんな大事件になっただ
ろうか。フランケン上院議員は「謝罪したらオーケー」と言うだろ
うか。オバマ・民主党とブッシュ・共和党の違いは歴然である。

お面や漫画は風刺や批判だから表現の自由として受け入れられる。
しかし血まみれの首級を掲げた写真は明らかに表現の自由と言えな
い。しかもこれがISISジョンの行為を真似たのなら尚更である。今
回の事件の意味することは、オバマ執政の8年でアメリカが既に自
由の乱用、節度のないサヨクの蔓延る国となったことである。

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創刊日:2001-12-18  
最終発行日:  
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