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AC通信 No.626

2017/01/14

AC通信:No.626 Andy Chang (2017/01/13)
AC論説 No.626 「トランプのロシア疑惑」の疑惑

トランプのニュースはウンザリしているのでもう書かないと思って
いたら急にに変なニュースが出てきた。ロシアがトランプの弱みを
握っていると言う35ページの「確認の取れていないニュース」を米
国の情報機関がオバマ大統領とトランプ次期大統領に報告しただけ
でなく、なぜか民間にも漏れた。殆どのメディアは確認の取れない
ニュースを無視したが、BuzzFeed社(英)がこれを報道し、CNN(米)
がニュースを取り次いで報道した。マッケイン上院議員もこの35
ページのニュースを取得したあとFBIに通報したと言う。

トランプは直ちにこれを否認し、嘘のニュース(Fake News)と批判
した。しかもニュースに間違いがあることも判明した。トランプが
問題視したのは嘘のニュースがどうしてメディアに漏れたかという
ことである。

35ページの報告書の作者はもと英国のMI6の諜報員で、ロシア問題
の専門家である。なぜ英国のロシア専門家がトランプのロシア関連
を調査したのか。誰かがトランプ次期大統領の信用に傷をつけるた
めに嘘ニュースを流したとすれば、明らかに反トランプ派またはオ
バマや民主党の陰謀ではないか。どうやったら真相がわかるのか。

トランプのロシア疑惑は英国や日本でも報道されたが、ロシア疑惑
に対する疑惑は報道されていない。オバマはサヨナラ講演で「政権
移譲をスムーズにする」と述べたがまったくの嘘で、オバマ派はト
ランプの当選から今日まで何回もトランプ当選の正当性を貶してき
た。国会で最終的にトランプの当選票を数えた際にもミネソタ州や
ウィスコンシン州の民主党議員が当選票に抗議し、最後にバイデン
副大統領が「もう終わったことだ」と抗議を止めたほどである。

オバマはロシアがアメリカをハッキングした、プーチンの直接命令
でヒラリーに不利な情報を流したと述べたが、確認はできなかった。
次にオバマは国家情報部(National Director of Intelligence )の
ジェームス・クラッパー主任やFBI、CIAなどを使ってロシアのハッ
キングを証明したが、ハッキングの証拠は挙がったがヒラリーを妨
害した証拠はない。また、ロシアがウィキリークスにハッキング情
報を渡した証拠もない。ハッキングはロシアだけでなくアメリカも
中国もイスラエルもやっている。ロシアがハッキングのニュースを
流したことは一度もない。ウィキリークスのアッサンジはヒラリー
の違法メールニュースの来源はロシアではないと証言した。

プーチンがヒラリーの選挙妨害をしたと言うなら、なぜロシアがト
ランプの弱みを握っていると言う疑惑が出たのだろう。ロシアがヒ
ラリー反対ならトランプの当選はロシアに有利なはずだ。トランプ
の弱みはロシア側の秘密兵器だからロシアが公開するはずがない。
このニュースが問題になる理由は、「ロシアがトランプの弱みを握っ
ている、トランプは大統領になるな」と主張することである。つま
りトランプのロシア疑惑は反トランプ派の情報操作だと思われる。
まことに複雑怪奇である。

●トランプのロシア疑惑とは

ロシア疑惑とはどんなものか。New York TimesとFinanncial Times
の報道などを要約すると次のようになる:

最初にトランプのロシア関連を英国の元MI6のロシア専門家クリス
トファー・スティール(Christopher Steele)に依頼したのは共和党
の大物(名前は知らず)だった。共和党の調査依頼はプライマリー
でトランプが勝ち残った時に終わったが、続いてヒラリー陣営が調
査の継続を依頼し、選挙が終わった12月まで続いていたという。

SteeleはMI6のスパイだったのでロシアに入国できず、ロシアの内
通者に兆さを依頼した。調査の結果は、(1)トランプがロシアのホ
テルで売春した時にロシアの工作員に盗撮されていた、(2)ロシア
の大人物がトランプにロシア投資を勧誘し、賄賂や道義に反するや
り方があった、(3)トランプ陣営とロシアの交渉は主にトランプの
弁護士であるMichel Cohenほか二人だった。

Steele氏はこの調査の外にもFBIの依頼で国際サッカー連盟(FIFA)
の汚職も調査していた。ロシア疑惑のレポートはFusion GPSに12
月まで提出されていたと言う。誰がレポートをオバマとトランプに
通知したのか、誰がレポートをBuzzFeedに流したのかは不明である。

トランプは「ロシアに投資したことはないし、することもない」と
完全否定した。Michael Cohen弁護士はチェコ共和国のプラハでロシ
ア工作人員と会ったことはないとパスポートのビザ記録を見せて否
認した。もう一人の関係者は、レポートにあった当日はロスで息子
とサッカーの試合を見ていてコーチとも話し合っていたとニュース
を否定した。つまり少なくともレポートの一部が不確実だったこと
は否めない。

●疑惑の信憑性について

Steele氏のレポートを誰かが意図的に流したはずだが、真相がわか
るまで反トランプ派が引き下がるとは思えない。長期的にトランプ
が調査に悩まされる可能性はある。彼らはトランプがロシアに弱み
を握られていると信じてトランプの親ロシア的態度に疑問を持つ。
でもニュースの一部が否定されたのでロシア疑惑がトランプに不利
とは限らないし民主党側に有利でもない。

NDIのJames Clapper主任はトランプに電話して、一部のメディアが
確認しないでニュースを報道したことを批判した。つまりClapper
はロシア疑惑が彼の情報部から出たのでないと無実を証明したので
ある。事件が大きくなったあと、Steele本人と家族は生命の危険を
感じて行方をくらましたと言う報道がある。正に複雑怪奇である。

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