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AC通信 No.625

2017/01/08

AC通信:No.625 Andy Chang (2017/01/07)
AC論説 No.625 恫喝に怯えない国となれ

今年は日本と台湾にとって二人の無法者(ランボー)との戦いとなり
そうだ。トランプと習近平である。中国は覇権進出を目指して勝手
な領土拡張を続ける油断ならない大敵である。アメリカは友好国で
あり同盟国にも拘らず、アメリカ第一を実現するトランプが同盟国
に対して恫喝すれば毅然とした対応が必要だ。

毅然とした対応とは恫喝に屈服しない事である。たいていの恫喝は
双方に不利であることが多い。、恫喝が実現したらどんな結果を招く
か詳しく検討し、恫喝の原因となる弱みは早急に改善すべきである。
ルーズベルト大統領のThe only thing we have to fear is fear itself、
無用な心配をするより心配を除く処置を急ぐべきだ。

●不合理に疑問を呈したトランプ

トランプは「なぜアメリカが一つの中国の主張を守る必要があるの
か」とツイートしたので中国では大恐慌を起こした。アメリカはキ
シンジャーの時代から今日まで中国の主張するOne Chinaを「理解
する」としてきた。トランプがこれに疑問を呈し、理解する必要が
あるのかと言っただけでこれまでアメリカの対中外交に存在した
「束縛」が解けたのである。

中国は直ちに「領土問題は交渉の条件ではない」と答えた。つまり
「一つの中国」は領土主権の問題であることを認めろと言うのだ。
だがその答えも同様に「アメリカは中国の領土主張を認める必要が
ない」のである。アメリカは台湾、南シナ海の諸群島、尖閣諸島な
どの主権について中国の主張を認めないのである。

認めないと言ったから中国と戦争、または経済戦争になるか。武力
戦争、経済戦争ではどちらが大きな打撃をこうむるか。中国はそこ
まで計算しなくてはならないし、アメリカもそこまで計算している。
毅然と対応すれば中国は無法な覇権拡張ができなくなる。

●恫喝を怖れるな

ルーズベルト大統領が言ったように、本当の怖れは国民の理由なき
怖れである。日本憲法を改正すれば戦争になると言った日本の主婦
が居たそうだが、憲法を改正したら中国が攻めてくる理由はない。
憲法を改正しなかったら戦争にならないと言う保証もない。理由の
ない怖れはメディアの責任、社会教育の責任である。平和憲法でノ
ーベル平和賞を申請するなどたわごとである。

中国は台湾が独立すれば攻撃すると恫喝する。だが現状維持でも台
湾併呑を進めている。中国の恫喝を怖れるのは台湾のメディアと国
民党の統一派である。台湾の自衛力は有限で士気は低く、軍隊が中
国側に寝返る可能性もある。早急に改善しなければならない。

●なぜ恫喝に対処できないのか

ここに述べたように、恫喝に対処できないのは日本では自衛隊があ
っても憲法を改正しなければ自衛力を発揮できないからで、台湾に
あっては自衛力を信用できないからである。つまり恫喝される弱み
があるならそれを改善し、いつまでもアメリカに頼ってはならない。

尖閣諸島の近海に中国の漁船や公船が侵入しても海自が出動するこ
とはないし、台湾の領海を中国の艦隊が通過しても遠くから監視す
るだけである。

日本と台湾が頼りにしているのは日米安保条約と台湾関係法である。
アメリカが守ってくれるから現状維持が出来る、だがアメリカは本
当に守ってくれるのか、それが心配である。トランプが当選したあ
とニューヨークで「アメリカは日本を守る必要があるのか」という
討論会があったと言う。トランプは日米安保や台湾関係法をバーゲ
ンチップにするような言動もある。

頼りになるのは自分だけ、自衛力である。アメリカはアジアにおけ
る覇権を維持するため、そして中国の進出を防ぐために日米安保や
台湾関係法を維持してるに過ぎない。

●トランプの恫喝を怖れるな

トランプの考えとは別の考え方もできる。アメリカにとって日本と
台湾は中国の覇権進出を抑えるために必要な同盟国なのだ。トラン
プが無理な要求をすれば断固として断るべきである。

トヨタ自動車がメキシコで建設中の自動車工場についてトランプは、
Not going to happen、実現しないと言った。トヨタの工場は既に建
設中でしかもこの工場はアメリカの工場をメキシコに移したのでは
ない。こんな無法な要求を呑むわけにはいかない。

トランプの切り札はメキシコから輸入する自動車に45%の関税をか
けることで、つまり目標はトヨタでなくメキシコとの争いなのだ。
トヨタだけでなくホンダもメキシコに工場を建設中だから日本の自
動車工業が巻き添えを食ったことになる。それならアメリカでなく
中南米やアフリカ、アジアへ輸出すればよい。何もトランプの恫喝
を怖れることはない。

アメリカは北米自由貿易協定(NAFTA)の署名国だから勝手に45%の
関税をかけるわけにいかない。NAFTAを解消すればメキシコもカナ
ダもアメリカからの輸入品に関税をかける。物価が上昇すれば人民、
ひいては世界の経済に影響が出る。トランプはNAFTAを再交渉する
と言うが再交渉に何年もかかるだろう。

●恫喝に毅然と対応すべき

日本と台湾は中国の覇権拡張のためアメリカに頼る必要があり、ア
メリカはアジアの覇権を維持するため日本と台湾を同盟する必要が
ある。お互いに必要としているのに同盟国に恫喝するのはバカだ。

同盟は双方の利益のためで一方の無理な要求に降参すべきではない。
同盟国は対等であり上下の関係ではない。つまりトランプと習近平
は二人ともランボーだが、中国の覇権を抑えるためにトランプのラ
ンボーは歓迎すべきだが、トランプが同盟国にランボーするときは
毅然と対応すべきである。

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創刊日:2001-12-18  
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