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AC通信 No.571

2015/12/08

[AC通信:No.571 Andy Chang (2015/12/07)
[AC論説] No.571 遂にアメリカでテロ攻撃

前の記事「No.569、オバマは退任まで何もしない」でオバマ大統領
はレガシー作りの為にテロを過小評価している、いずれアメリカ国
内でテロ攻撃が起きるだろうと書いたが、果たしてこの記事から二
週間もたたない12月3日にカリフォルニアのサンバーナディーノ市
でテロ攻撃が起き、14人死亡、24人負傷したテロ事件が起きた。事
件から四日たった6日夜、オバマはホワイトハウスの執務室で異例
のテレビ演説をした。オバマがホワイトハウス執務室で講演したの
は2011年にオサマ・ビン・ラディンを殺してから二度目である。

オバマはISISをイスラム過激派と言うことを避け、我々はイスラム
と戦争をしない、とISISのテロ攻撃をイスラム教とキリスト教の戦
争にすり替える発言を繰り返している。パリで起きた同時多発テロ
の数日前にオバマは「具体的に信頼できる情報は無い」と言った。
次いで「我々はISISを封じ込めた」と発言した翌日にパリで同時多
発事件が起きた。パリ事件が起きたあとでも「アメリカ国内でテロ
は起きない」と述べ、イスラム教徒は平和を愛する人々だと述べ、
シリア難民を受け入れると発表した。そして遂に今回のテロ事件が
起きた。今回のテロ事件は2001年の911テロでニューヨークのツイ
ンタワーが崩壊してから二度目である。

●オバマのテロ対策

今回の事件でもオバマは「まだテロ攻撃と断定できない」としてい
たが、FBIがテロ攻撃だったと発表したのでようやく今回の演説に
至ったのである。今回の演説でオバマはカリフォルニアで起きた銃
撃事件では大量の武器が見つかったからテロ攻撃だったと認めた。
しかしISISとの関係はまだわかっていない、我々はアル・カイーダ
を撲滅したように、必ずテロリストを撲滅すると述べた。

ところが調査では今回の乱射事件の犯人はパキスタン系でISISよ
りもアル・カイーダ組織との関連が深いとされている。

オバマは今回の演説でカリフォルニアの四点を強調した:
1、軍事攻撃でテロリスト狩りと財源のストップを徹底させる
2、イラクとシリアの民間組織に武器を提供する
3、欧州諸国と連合してISISのテロと戦う
4、リーダーシップを発揮して休戦に持ち込む

この4点につて民間では殆どが陳腐な過去の主張の繰り返しに過ぎ
ないと批判している。イラクの民間組織に武器を提供することは効
果がない、欧州諸国と連合でもアメリカがリーダーシップを取るわ
けでもないのにアメリカがリーダーになるなれるはずがない、と
散々な不評だった。

●空爆しても兵力は投入せず

オバマは国務省、国防省の主張を退け、「米兵の戦闘靴を入れない」
という一貫した主張を続けている。しかし空爆だけでテロ組織撲滅
は出来ないと欧州連合はオバマに批判的である。空爆だけでは効果
があがらない。ドイツは12000人の兵隊を派遣すると決定したのに
アメリカ大統領は兵力を投入しない。中東から撤退し、兵力を投入
しないのがオバマ就任以来の一貫した主張である。

米国民のオバマ政権への不信感はかなり強い。最新のCNNの調査で
はISISに対するオバマ政策では不支持が64%で、オバマのテロ対
策では不支持が60%である。

オバマの演説は15分足らずだった。テロ対策の説明が7分で、残り
の8分を彼の主張する「銃砲規制」とイスラム教徒への過分な保護、
ISISをイスラム過激派と呼ばない、「イスラム教と戦争しない」と
テロ攻撃の焦点を逸らす発言を繰り返した。

アメリカがイスラム教徒と戦争をしてると誰も思っていないし、イ
スラム過激派ISISは一部の過激イスラム教徒であることを知悉し
ている。オバマはISISの撲滅に派兵しない。だから問題をすり替え、
兵力の投入反対を正当化するのである。ドイツやフランスが派兵す
ると発表したのにアメリカは派兵しないで、その上にオバマが諸国
連合のリーダーシップを取るなんて誰も信じない。

●タシュフィン・マリクはアルカイーダ系らしい

テロリストのサイード・ファルークはパキスタン系の米国生まれで
米国籍を持っている。妻のタシュフィン・マリクはパキスタン生ま
れでサウジアラビア育ったが2007年からパキスタンに戻って大学
教育を受けた。彼女がISISに忠誠を誓ったと言う報道もあるがISIS
のメンバーであるかは確定できていない。

二人はインターネット通信で知り合い、2014年に夫のサイードがサ
ウジに旅行して二人は結婚し、タシュフィン・マリクは婚約者ヴィ
ザを取得してアメリカに入国した。つまり妻が積極的なテロ分子で
計画的に米国人と結婚してアメリカに潜入し、テロ攻撃を計画して
いたと言われている。今年5月に子供が生まれ、同居している夫の
母親が子供の世話をしていた。母親は息子夫婦のテロ計画を少しも
知らなかったと尋問に答えたが、家の中で爆弾を製造していたのに
何も知らなかったとは信じられない。

夫の家を捜査したら15発の手製爆弾、爆弾を製造する工具、2千発
の9ミリ銃弾(拳銃)と2500発のライフル銃弾などが発見された。
サイードは政府公務員で年収5万ドルあまりだから夫の月給だけで
これだけの爆発物や銃弾を購入する資金はない。誰がどのような経
路で送金してきたのかがわかればテロ組織との関連がハッキリする。
FBIは銀行の記録を調べている。夫婦が壊した二台の携帯電話はFBI
が押収して調べている。

報道によるとタシュフィン・マリクは2007年から2014年までパキ
スタンで暮らしていた。2011年にアメリカの秘密攻撃隊がパキスタ
ンに隠れていたビン・ラディンの住処を攻撃して殺害した。これは
タシュフィンがパキスタンに住んでいた時期と合致する。ビンラデ
ィンの殺害のあと彼女がアルカイーダに参加した可能性もある。

オバマはアルカイーダを撲滅したと断言したが、アルカイーダ組織
がビンラディン殺害の仕返しにタシュフィン・マリクを使ってアメ
リカでテロを遂行したのかもしれない。いずれFBIの調査で真相が明
るみに出るだろう。

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