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AC通信 NO.557

2015/09/06

[AC通信:No.557 Andy Chang (2015/09/04)
[AC論説] No.557 中共の軍事パレードは宣戦布告

中国の「抗日戦争勝利70周年」の軍事パレードについていろいろな
報道記事や分析があった。私は中国のパレードについてではなく、
中国は軍事パレードで覇権宣言をしたのだからアジア諸国はこれに
どう対応すべきかを考えたい。

今回の軍事パレードは中国の覇者、勝利宣言である。米国はアジア
における影響力を維持できなくなった、だから中国は米国をアジア
から追い出す。中国は「韜光養晦」(実力を隠して相手を安心させる)
必要はなくなった、米国のアジア覇権に敵対するほどの国力をつけ
たと宣言したのだ。中国は米国に宣戦布告をしたと言える。

中国の太平洋を東と西に二分割してアメリカと共同管理すると言っ
た覇権を達成するのに最大の阻害は日本である。日本の次の目標は
台湾、そしてアジア諸国である。私はこの宣言によってアジアは平
穏でなくなり、覇権争いが激化するとみる。アジア諸国は中国の覇
権宣言について新対策を研究すべきである。

●米国の衰退はオバマの責任

「正論」8月号に中西輝政氏の「日・米・中動乱の幕開けと中国の
野望『驚愕の本質』」が掲載された。この文中で中西氏はマイケル・
ピルスベリーの「100年のマラソン(The Hundred-Year Marathon: 
China's Secret Strategy to Replace America As the Global 
Superpower)」と題した本が出版され、遅まきながらアメリカの対中
認識が180度変わったと書いている。

アメリカの間違いは40数年前のキッシンジャーの中国接近から始
まったと言える。つまり中国は普通の国々と同じく、中国が繁栄す
れば普通の開発国となって世界の平和を守ると言う間違った認識で
ある。アメリカはトウ小平の「韜光養晦」に騙されたのだ。おかげ
でアメリカや世界諸国は中国の発展に援助し続けた。中国は経済と
同時に武力発展を続け、強くなった中国は韜光養晦の隠れ蓑をかな
ぐり捨ててアジアの覇権を唱え、アメリカに代わってアジアの覇権
国になる野心を露わにしたのである。

キッシンジャーの間違いに輪をかけた間違いはオバマの反戦哲学、
つまりアメリカは戦争をしない、アメリカは世界の警察官ではない
という主張である。オバマはブッシュのイラク・アフガン戦争を厳
しく批判し、軍部の反対を押し切って早急に中東から撤退したため
中東に空白が生じ、ISISの拡張を許したのである。

オバマの反戦主義を見抜いた中国は南シナ海でどんどん埋め立てを
行い、第一列島線から第二列島線まで進出する主張、尖閣諸島付近
の進出を推し進めたのである。アメリカが強く反対しなかった結果
が今回の軍事パレード、戦力誇示となったのである。パレードで各
種の最新武器を公開してアメリカは怖くないと宣言したのだ。

●日本はアジア平和の重鎮である

中西論文にある通り、日本は積極的にアメリカと合作して中国の覇
権を抑えるべきである。中国が敵意を見せた以上、遠慮や優柔不断
は更なるアジアの不穏を招く。日本は自主防衛への覚悟を明確にし、
優柔不断なアメリカの政策に頼るべきでない。自主防衛を明瞭にす
ることでアメリカの不決断にはっぱをかけ、アメリカに期待するよ
りアメリカを援助して中国を抑えるべきである。アメリカの軍事力
を頼るのでなく、日本はアメリカと同等の軍事力を持つ、頼りにな
る同盟国となる決心を表明すべきである。

アジアの平和はアメリカではなく、アジア諸国の結束が最重要であ
る。私が数年前から述べてきたように、アジアの平和連盟(PASEA)
を結成すべきである。安倍首相が発表した「ダイアモンド構想」と
同工異曲である。アジア平和連盟は日本とアメリカが主力となるか
ら、日本の強い自主防衛緑の表現で中国を抑えることが出来る。

自衛力を持つことは戦争をすることではない。日本を他国の侵略か
ら防ぐことは平和を維持すること、アジアの平和に貢献できるので
ある。強い日本が台湾やフィリッピン、ベトナムなどアジア諸国の
平和に貢献する。

ところで、今回の軍事パレードを見ると、習近平の隣にプーチンと
朴槿恵が立っていた。これで韓国は既に米国や日本を離れて中国の
傘下に入ったと思える。韓国は数年前から日本に対して非常識な敵
意を示してきた。今回のパレードのあと日本は韓国を敵国とみなし
て対応しなければならない。米国がいつも懸念する「アジアの平和
を乱す敵意」は韓国側にある。

パレードには北朝鮮の代表が参列していなかったみたいに見えるが、
中国と北朝鮮の関係は思ったより良くないと思われる。

●台湾はアジアの大切な拠点である

台湾は第一列島線の中央に位置する。台湾が中国に統一されたら第
一列島線は突破され、中国の太平洋進出が達成される。つまり台湾
はアジアの平和に最重要な役割をしているのである。しかも台湾の
國民黨は統一を主張し、馬英九総統は民衆の反対を無視して統一路
線を推進している。幸い独立を主張する群衆が力をつけて来年の選
挙では国民党に圧勝すると言われている。

中国の軍事パレードは台湾を恫喝したのでなく、逆効果だった。第
二次大戦で日本と戦ったのは国民党で共産党ではなかったのに中国
が「対日抗戦70年」パレードを行ったので國民黨は大反対した。中
国は台湾から連戦夫婦を招待してパレードの最前列に座らせたが、
台湾では連戦を売国行為として糾弾している。中国のパレードが逆
に台湾の反中国意識を激化させたのである。

アメリカと日本はこの機会に台湾関係を強化させるべきである。来
年の選挙で民進党が政権を取れば国民党の勢力は衰微し台湾独立の
機運が高まると思われる。米国と日本が台湾関係を強化すれば南シ
ナ海における中国の進出を牽制する音が出来る。

中国は南シナ海の埋め立てを簡単に放棄しない。アメリカが南シナ
海における中国の軍事発展に歯止めをかけるには台湾に拠点を置い
て米国の中継地として空軍海軍の駐屯を考慮すべきである。

南シナ海の島嶼の領土主権問題は将来のアジア平和に大きく影響す
る。アジア諸国の南シナ海の島嶼の主権主張を平和裏に解決するの
は将来の重要課題だが、この際アメリカと日本が協力して中国の勝
手な進出を抑えなければならない。アジア諸国が平和協定で領土主
権を取り決めるには、当海域における領土主張のないアメリカと日
本が主役とならなければ解決できない。

●軍事闘争より経済と外交

結論として、中国の軍事パレードは諸国の警戒心を強くしただけだ
った。米国と日本がアジアの平和に貢献する重要性を高めたのは中
国にとって逆効果となった。中国はアメリカには数十年の遅れてい
るが今後はアメリカや日本の技術協力を得られなくなった。

中国はアメリカと戦争はしないだろう。戦争しないなら軍事力を誇
示するより経済、外交が大切だが、中国が牙をむいたら諸国は中国
を警戒し合作を拒否する。パレードはバカな行為だった。

日本は中国と韓国を敵と認め経済合作や技術援助など一切中止すべ
きである。中国投資はベトナムや他の国に移転すべきである。

ロシアは軍事パレードに参加したが、ロシアと中国は互いに信用し
ていない。今度のパレードでロシアは中国の実力を分析し新たな中
国策略を作るに違いない。世界を敵に回した軍事パレードは習近平
最大のミステークである。

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