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AC通信 No.555

2015/08/21

[AC通信:No.555 Andy Chang (2015/08/20)
[AC論説] No.555 泥沼の深みに嵌ったヒラリー

8月18日のラスベガスの記者会見で、FoxnewsのEd Henry 記者から
サーバーのメールを消去したことについて追及を受けたヒラリーは、
「どうやって消去するの?布きれで拭くっていうの?」と質問をは
ぐらかしたが、追及を止められず記者会見を中止した。

記者たちはヒラリーが記者会見をするからには少しでも理に適った
弁解をするかと期待していたが、彼女は今でも「機密メールを送っ
たことはないし、“機密マークのあるメール”を受け取ったこともな
い」と強調している。

だがこの弁解は通用しない。ヒラリーは今年三月にメールを提出し
た時、「私有スマホで機密メールを受信したことも送信したことも、
一切ない」と断言したが、最近になると“機密マークのあるメール”
と言い替えている。つまり機密マークの付いたメールは受け取って
いないと言い換えて、もしも受け取ったメールが機密メールだった
ら「誰かが機密記号を消去したかもしれないが、私ではない」と言
い逃れをするつもりである。

でもこの弁解は通らない。なぜならオバマが就任した2009年の始め、
オバマ大統領は資料の機密度を決定する権利を持つ政府の要員を
20人指名したが、ヒラリーはその重要人物の一人である。しかもヒ
ラリーは米国政府最高の地位にある国務長官だから、送受信したメ
ールに機密マークが付いている、いないに係わらず、機密に属する
かどうかは受け取った時点で知っているはずだ。

先週14日に書いたAC通信No.554から一週間の間にヒラリーのメー
ルとサーバーのことでいろいろな事実が報道されたが、彼女はまだ
違法ではないと強弁している。

●ヒラリーの弁護士からメモリーを没収

10日の午後、司法部がヒラリーのサーバーを没収したことについて
彼女は自主的に提出したと言ったが、司法部はヒラリーのサーバー
の外にもヒラリーの個人弁護士ケンドール(David Kendall)からサ
ーバーのメールをコピーを内蔵したフラッシュメモリー三個も没収
したことが判明した。

フラッシュメモリーに機密資料が入っていなかったら問題はないが、
メモリーに機密メールが入っていたら機密資料を扱う許可(Secret 
Clearance)がないケンドール弁護士に機密資料を渡したヒラリーは
機密漏洩罪に該当する。

また、フラッシュメモリーの内容とヒラリーが提出したメール全般
の内容が一致しなければならない。すでにヒラリーの提出したメー
ルに機密メールがあったと発表されているから機密漏洩罪はかなり
確実で、罪がまた一つ増えたのだ。これで内容が一致しなかったら
もっと大きな問題になる。

●サーバー会社はデンバー市にあった

このサーバーの話はもっと複雑怪奇である。ヒラリーのサーバーが
没収された後に、サーバーの本社はアメリカ東部ではなくコロラド
州デンバー市にあることが判明した。DailyMail.comの記事によると、
デンバーにあるPrette River Networkと呼ぶ電子情報サービス会社
は、オーナー3人で従業員8人のパパママ会社と言われる小会社で、
本社のサーバーは風呂場の衣類棚に設置してあったというのだから
呆れる。

こんな小会社が政府の機密を扱う許可を得ていたとは思えないが、
ヒラリーがなぜアメリカ東部の大きな会社を使わずコロラドの家庭
オペレーション会社とサービス契約をしたのかは不明である。

DailyMailの記事によると、オバマ政権が発足した2009年1月13日
にヒラリーはclintonmail.comを設置し、同21日国務長官に就任し
た。2013年3月20日、ルーマニアのハッカーがヒラリーの元部下の
シドニー・ブルーメンソールとヒラリーの交信をハッキングし、ヒ
ラリーの個人メールアドレス、hdr22@clintonmail.comを発見してそ
れを公開したと言う。つまりヒラリーのメールがハッキングされて
いた事実がわかった。他国のハッカーもいるはずである。

報道によると、Prette Rive Networkのサーバーのデータはおそらく
バックアップされていたからヒラリーが消去したメールも取り出す
事が出来るかもしれない。話があまりにも複雑怪奇なので報道した
記者もハッキリしたことはまだわからないと述べている。

●ベンガジ事件に曙光

ベンガジ事件でアメリカの大使と護衛3人がテロの攻撃に逢って死
亡した事件はオバマとヒラリーが最も隠したい事件である。アメリ
カ大使が攻撃に晒されていた12時間あまり、オバマとヒラリーの二
人はホワイトハウスに詰めっきりで経過を見ていながらついに救援
隊も攻撃機も出さなかった。国会のベンガジ調査委員会は今年3月
からヒラリーの事件当時のメールの提出を要求していたがヒラリー
は傲慢にも要求を無視していた。国務省は300通のメールを渡した
だけであとは何も見つかっていないと言っていた。

ところが18日、国務省は突然ヒラリーのPhillipe Raines補佐官が
国務省に提出したメール、81000通が見つかった、おまけにこの厖
大な数のメールの中にベンガジ事件関係のメールが17855通あった
と発表した。どのような情報が含まれているかは調査を待たなけれ
ばならないが、ベンガジ事件の調査に曙光がさしたともいえる。

●国務省の発見した機密メール

国務省が発見した二通の機密メールは、実は国務省の検査から漏れ
て公開されてしまったので、仕方なく機密を解除したメールだった
と言う。2通のメールはヒラリーのアドバイサーだったHume Abelin
と、ヒラリーの補佐官だったJake Sullivanがヒラリーに送信した
と言う。これでヒラリーのサーバーには機密メールがあったと言う
証明となり、ヒラリーが個人のスマホを使って機密メールを受け取
っていたことが明白になったのである。

前にも書いたが、ヒラリーはサーバーに機密メールはないと強調し
ていたが、最近は「機密記号の付いたメール」は受け取っていない
と言い換えた。この言い訳が通用しないこともわかっている。なお、
国務省が公開した3000通のメールに4通の機密メールがあったこと
は今では305通まで増加されている。

どこまで続く泥濘ぞ。どんどん泥濘の深みに嵌っていくヒラリーが
どこまで言い逃れを続けられるかはわからない。オバマ政権の司法
部は独立検察官の任命を渋っているが、いずれ時間の問題と言われ
ている。国会のベンガジ事件調査会のトレイ・ガウディ委員長は10
月22日にヒラリーを喚問する。このあとヒラリーが選挙に出られる
かが決まるだろうと言われている。

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